100円ショップでも手に入るかと思えば、Appleの純正だと1万円以上するものもあるUSB-Cケーブル。それだけの価格差があるということは、中身もかなり違っているのだろうか。CTスキャナを使って内部を確認したところ、さまざまな違いがあることがわかった。調査した会社はAppleの「Thunderbolt 4(USB-C) Proケーブル」をスキャンし、「精密工学の見事な作品」だと評している。
Appleの「Thunderbolt 4(USB-C) Proケーブル」 スキャンして内部を確認すると複雑な構造になっていることが判明
「USB-Cケーブル」と一言で言っても、Appleの純正のものや、さまざまなメーカーのものや100円ショップで買えるものまでピンキリだ。それぞれどのような違いがあるのだろうか。産業用CTスキャナを扱うLumafieldという企業がUSB-Cケーブルをスキャンすることにより、内部の状況の分析結果を公表している。
まずは、Appleの「Thunderbolt 4(USB-C) Proケーブル」。2022年のデビュー以来、多くの精査を受けており、高価である理由が実証されている。そして、スキャンして信じられないほどのレベルの、複雑なエンジニアリングを備えていることがわかった。このケーブルは、Thunderbolt 3・Thunderbolt 4・USB 4のデータ転送をサポートしており、最大40Gbpsのデータを転送可能で、DisplayPortの出力、最大100Wの給電なども可能という高性能なケーブル。
スキャンして見えたものは、8方向から圧着された一体型のステレインリリーフがコードとコネクタの接続部分を保護していて、複雑な構造になっている模様。さらに、コネクタが24ピンもあり、それぞれ独立して10層のプリント基板アセンブリ(PCBA)に接続されている。
そして、Lumafieldの視覚化ツールでPCB基板を透過してみたら、内部にブラインドビアと埋込ビアが多数あり、小さなケーブルにこれだけの部品が入っているのを見ると、素人目でも相当に複雑で精巧な仕組みになっていることがわかる。
AmazonベーシックUSB Type Cケーブルと比較すると、その差がよくわかる
これと比較して、AmazonベーシックUSB Type Cケーブルを見てみる。Thunderboltの10分の1以下の価格で、最大60Wの充電と最大480Mbpsのデータ転送が可能だ。スキャンしてみると、Thunderboltコネクタよりもはるかに単純であることがわかるし、Thunderboltにあった24のピンはこちらでは12ピンと半分だ。また、ピンがペアごとにまとめてPCBAに接続されている部分などから、充電や低速のデータ転送を行う基本機能を確保しつつ、費用効果の高い方法を行っていることがうかがえる。
100円ショップのケーブルは、今回のスキャンの調査では対象となっていないが、過去記事でApple純正USB-Cケーブルの性能を検証したものがあるのでそちらを参考にしてほしい。
引用元:【Apple】
引用元:【Lumafield】
参照元:【AppleInsider】
※サムネイル画像は(Image:「Apple」公式サイトより引用)