コンセント挿すだけでネットに繋がる「PLCアダプター」って何? 離れた部屋のWi-Fiが遅いを解決!

マンションや2〜3階建ての一軒家などでは、Wi-Fiルーターの設置場所から離れている部屋では、Wi-Fi電波が弱くて遅いことがあります。そのような場合は壁のコンセント(電力線)を利用して、離れた部屋でも安定してネットに接続できる「PLCアダプター」がオススメ! でも、「PLC」っていったい何なのでしょうか? ここではPLCの基本や、具体的にどのような機種を選べばいいのか詳しく解説します。

コンセントでネットに繋がる「PLC」って何なの?

自宅の光回線を、スマホやタブレットでも使えるようにWi-Fiルーターを設置している家庭は多いと思います。

しかし、鉄筋コンクリートのマンションや2F〜3F建ての一軒家の場合では、Wi-Fiルーターが設置されたリビングから離れた部屋で、Wi-Fi電波が減退して速度が遅くなったり接続が途切れやすい部屋もあるでしょう。

マンションの場合、リビングにWi-Fiルーターがあると、玄関側の部屋2・3はWi-Fi電波が減退して不安定になることがあります。かと言って壁の内側にLANケーブルを這わせるには、かなりの工事費用がかかります(図は筆者が独自に作成)

そのようなときは、壁の裏にLANケーブルを引く工事をすることも不可能ではありませんが、とんでもない工事費用がかかります。

また、Wi-Fi中継機を購入する手もありますが、初心者には設定が意外と面倒くさいでしょう。

そこでオススメしたいのが、コンセントに挿すだけで、離れた部屋でもネットが安定して繋がる「PLCアダプター」です。

PLCとは“Power Line Communications”の略で、自宅の壁にあるコンセント(電力線)を利用してネット回線が繋がる技術のことです。

たとえば、Wi-Fiルーターがリビングにあっても、コンセント(電力線)を通して、離れた部屋のコンセントからネットに接続できるのです。

(Image:amazon.co.jp)

PLCアダプターは壁のコンセントに挿すだけで、電力線を通して離れた部屋にもネット回線を繋げることができる便利な製品です(画像はAmazon公式サイトより引用)

ただし、PLCアダプターは同じ分電盤を利用しているコンセントでしかネットワークを構築できません。たとえば、2世帯住宅などで分電盤が分かれている環境では利用できないのです。

また、PLCは光回線本来の速度よりも遅くなる傾向にあります。たとえば、ネット回線が1Gbps(1,000Mbps)であっても最大300Mbps程度しか速度が出ませんし、家電製品を使用すると干渉を受ける場合もあります。

とはいえ、不安定なWi-Fiに比べると多少速度が遅くなっても、PLCアダプターを導入することで安定したネット環境が手に入るのですから、利用価値は高いのではないでしょうか。

【PLCアダプターのメリット】

・コンセントに挿すだけなので設置が簡単
・工事費用がかからない
・ネット回線が安定して利用できる

【PLCアダプターのデメリット】

・同じ分電盤につながっていないと使用できない
・光回線本来の速度よりも遅くなる
・家電製品の干渉を受けやすい
・本体価格は意外と高い
・10Gbpsのような超高速ネット回線対応機種はない

リビングのあるWi-Fiルーターと、PCLアダプアターをLANケーブルで接続してコンセントに挿すと、電力線を通じてほかの部屋のコンセントに挿したPLCアダプターでネット接続できるようになります(図は筆者が独自に作成)

(Image:amazon.co.jp)

こちらがPLCアダプター。基本的には親機と子機の2個セットで運用し、同じ規格の子機を追加すればほかの部屋に増設すことも可能となっています(画像はAmazon公式サイトより引用)

どんなPLCアダプターを選べばいいの?

PLCアダプターを選ぶときは、まず通信速度に注意しましょう。たとえば、光回線が1Gbps(1,000Mbps)なのに最大100Mbspの製品を購入すると、実効速度はかなり遅くなります。

なかには1Gbpsに対応する製品もありますが、価格もそれなりに高くなりますので、なかなか悩ましいところです。

次に、PLCアダプターは通常、親機と子機がセットになって売られていますが、多くの場合、子機だけをあとから追加することも可能です。

ただし、子機を追加するときはPLCアダプターの規格に気を付けてください。PLCアダプターの規格には「HD-PLC」「HomePlug AV(AV2)」「UPA」の3つがあるので、異なる規格の子機を購入しても、互換性がなく使えないのです。

また、PLCは基本的に有線LANを離れた部屋に増設するものです。たとえば、Wi-Fiでしか接続できないスマホやタブレットを使いたい場合は、Wi-Fi機能を持った機種を選んだほうがいいでしょう。

なお、Amazonでは日本メーカーの製品もいくつか販売されていますが、かなり古い機種ばかりで値段が高いわりに最大速度が遅いものが多いので、中国のTP-Link製品がオススメです。

TP-Linkは中国の会社ですがWi-Fiルーターでは有名なメーカーです。日本法人もあり3年保証が付くので、比較的安心して利用できます。

●TP-Link「PLCアダプター TL-PA4010 KIT」は→こちら(Amazon)

(Image:amazon.co.jp)

こちらはAmazonでベストセラー1位のスタンダード機種(Homeplug AV規格)。最大100Mbpsで速度は遅いのですが、価格は5,309円と格安で3年保証もあります(23年10月29日現在)(画像はAmazon公式サイトより引用)

●TP-Link「WiFi 中継機 PLCアダプター TL-WPA4220 KIT 11n 300Mbps」は→こちら(Amazon)

(Image:amazon.co.jp)

Wi-Fiルーター機能を備えており、「11n」で最高300MbpsのWi-Fiが利用できます(Homeplug AV規格)。また、子機はLANポートを2基搭載しているのも使い勝手がいいでしょう。価格も6,860円とお手頃で3年保証付きです(23年10月29h現在)(画像はAmazon公式サイトより引用)

●Tenda「AV1000 1ポートギガビット電力線アダプタ、最大1000Mbps(PH3)」は→こちら(Amazon)

(Image:amazon.co.jp)

最大1,000Mbps(1Gbps)に対応する高速PLCアダプター(HomePlug AV2規格)で、価格も8,800円と比較的安価です(23年10月29日現在)(画像はAmazon公式サイトより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 鉄筋コンクリートのマンションや2〜3階建ての一軒家などでは、Wi-Fiルーターの設置場所から離れており、どうしても電波が弱い部屋が発生してしまいます。

廊下に長い有線LANケーブルを這わせたり、Wi-Fi中継機などでも対処できますが、やはり最終的には電力線を利用でき、工事不要で誰でも簡単に設置できる「PLCアダプター」を導入する人が多いようです。

基本的に、PLCアダプターは本来の光回線の速度より遅くなってしまいますが、それでもWi-Fiのように途切れることなく、安定してネットに接続できるのが大きな魅力となっています。

自分の部屋のWi-Fi電波が遅い、よく途切れるといったことで悩んでいる人は、PLCアダプターを導入してみてはいかがでしょうか?

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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