BLUETTIのポータブル電源3,000W対応「AC300&B300」を実際に使ってみた – 電子レンジも余裕で動く!

日本ではこの先、台風やゲリラ豪雨、関東大震災や南海トラフ地震といった大災害が懸念されます。とくに停電したときの対策として、ポータブル電源を準備している人も多いでしょう。でも、本格的な災害対策用として購入するなら、やはり家電製品がしっかり動くパワーを備えた製品が欲しいところ。そこで今回紹介するのが、最大出力3,000W(瞬間最大6,000W)対応のBLUETTI「AC300&B300」です。これなら、電子レンジまで余裕で動かすことができますよ!

大災害時に頼りになるの? 気になるAC300&B300の性能とは

日本に住んでいると、地震や台風などの大災害で、いつ停電するか分かりませんよね。停電するとスマホやテレビなども使えなくなってしまうので、万一のことを考えると、やはりポータブル電源くらいは備えておきたいものです。

そこでオススメしたいのが「BLUETTI(ブルーティ)」のポータブル電源です。BLUETTIには用途に合わせて軽量コンパクトの「EB」シリーズ、大容量の「EP」や「AC」シリーズなどが用意されています。

オトナライフでも、以前、BLUETTIさんから実機をお借りして瞬間最大1,200Wの家電にも対応する超小型モデル「EB3A」(重量:4.6kg・容量:268.8Wh)や、「AC60+B80」(重量:9.1kg+9.9kg・容量:403Wh+806Wh)などを紹介してきました。

これらは、一人でも手軽に持ち運べる重さなので、キャンプやバーベキューといったアウトドアレジャーでも手軽に利用できる便利な製品です。

BLUETTI「EB3A」は出力600W(瞬間最大1,200W)、容量268Whの軽量モデル。重さは4.6Kgしかないので、女性でも片手で楽々持ち運べるのが特徴です(筆者撮影)

ちなみに、「1Wh」は1Wを1時間使った電力量のことですので、たとえば2,000Whの製品なら200Wの家電製品を10時間も稼働させられる容量があるという意味になります。

しかし、これらのコンパクトモデルは防災対策用としてはやや心もとないので、もっと大出力&大容量の本格的な製品を求める人もいることでしょう。

そこで今回紹介するのが、BLUETTI「AC300」と「B300」がセットになった商品です。AC300は単体では動作せず、あくまでもコントロールユニットとなっており、拡張バッテリーB300とセットで使用することになります。

B300は3,072whの大容量を誇りますが、AC300ではこれを最大4台まで接続できるので、最大1万2,288Whまでの容量を確保することも可能となっています。

(Image:amazon.co.jp)

こちらが、BLUETTI「AC300&B300」です。AC300は出力3,000W(瞬間最大出力6,000W)で、B300の容量は3,072Whもの大容量ですが、B300を4台接続すれば1万2,288Whまで拡張可能です(画像はAmazon公式サイトより引用)

●BLUETTI「BLUETTI 家庭用バックアップ電源 AC300&B300」は→こちら(Amazon)
●BLEUTTI(公式)は→こちら

■BLUETII「AC300」のスペック

【出力】3,000W(瞬間最大6,000W)
【充電サイクル数】3,500回以上
【拡張バッテリー】B300(3,072Wh)
※追加4台で最大1万2,288Whまで拡張可能
【USB Type-C】最大100W×1
【USB Type-A】最大15W×2+急速充電18W×2
【ワイヤレス充電】15W×2(最大30W)
【シガーソケット】120W
【RVポート】360W
【入力】最大1,500W
※ソーラー充電時は2,400W
【充電時間】最短1.5時間
【サイズ】52×32×35.8cm
※B300=52×32×26.6cm
【重量】約21.6kg
※B300=約36.1kg
【UPS機能】〇
【パススルー】〇
【同梱】AC300本体/B300拡張バッテリー本体/AC充電ケーブル/多機能DC充電ケーブル/カーチャージケーブル/PV入力ケーブル/取扱説明書など
【価格】39万9,800円

AC300は「無停電電源装置(UPS)」機能も搭載していますので、急に停電になっても瞬時にバックアップ電源を供給できるのが特徴です。

デスクトップパソコンやサーバーを運用していているときに突然停電すると、データが消失したり破損する可能性がありますが、AC300なら停電時に20ミリ秒以内に給電が切り替わるので、万一のときも安心ですね。

BLUETTI「AC300&B300」があれば、たとえば1,500Wのドライヤーを1.7時間、500Wのケトルを5.2時間、120Wのパソコンなら20.7時間も稼働させることができます。

なお、AC300&B300のセット価格は39万9,800円となっていますが、メーカー保証は4年もあるので長く安心して利用できるでしょう。

■AC300&B300でどのくらい使える?

【ドライヤー・1,500W】1.7時間
【電子レンジ・1,000W】2.5時間
【ヒーター・800W】3.1時間
【ケトル・500W】5.2時間
【冷蔵庫・150W】16.5時間
【ノートパソコン・120W】20.7時間
【プロジェクター・100W】26時間

「BLUETTI」AC300&B300の基本操作と接続方法を確認しておこう

まず、AC300のサイズは52×32×35.8cmで重量は21.6kg。B300のほうは52×32×26.6cmで重量は36.1kgあります。

300〜400Whクラスのポータブル電源と比べるととんでもない存在感で、腕力のない人は一人で運ぶのが難しいかもしれませんし、旅行用キャリーバッグくらいの大きさがあるので、保管場所にも注意が必要でしょう。

送られてきたAC300&B300を会議室に置いてみたところ、高さは62.4cm、重量は57.7kgもあり、その存在感はハンパありません。まるで黒鉄の城のようです(筆者撮影)

それでは、AC300&B300を使えるようにセッティングしてみましょう。まずは、専用ケーブルで2台をつなぎます。コンセントから充電するときは、AC300側に専用ACケーブルを接続しますが、B300と接続されていないと警告音が鳴るので注意してください。

AC300とB300のセッティング方法

まず、最初にB300に同梱されている専用ケーブルを使ってAC300とB300を接続します。青いロックボタンでしっかり固定しましょう(筆者撮影)

B300のバッテリーにACコンセントから充電したいときは、AC300に同梱されている専用ACケーブルをAC300に接続します。このときはAC300とB300が事前に接続されている必要があります(筆者撮影)

AC300はさまざまな出力ポートを備えています。AC300の液晶ディスプレイ横にはDC出力があり、USB-C(100W)がひとつ。USB-Aは5V/3A=15Wと18Wがそれぞれ2つ(計4つ)装備されているほか、12V/24VのDC電源も備えています。

また、AC300の天板には15Wのワイヤレス充電が2つ用意されているので、ワイヤレス充電対応スマホを同時に2台充電することが可能です。

AC電源は20Aのコンセントを6個も備えていますので、さまざまな家電製品を同時に接続することが可能となっています。

AC300の出力ポートを確認

AC300の液晶ディスプレイ横にはDC出力があり、USB-C(PD3.0対応100W)がひとつ。USB-Aは(5V/3A=15W)と18Wがそれぞれ2つ(計4つ)装備されているほか、12V/24VのDC出力も備えています(筆者撮影)

AC300の天板には15Wのワイヤレス充電が2つ用意されているので、ワイヤレス充電対応スマホを同時に2台充電することが可能です(筆者撮影)

AC300のAC出力は20Aのコンセントを6個も備えていますので、さまざまな家電製品を同時に利用することが可能。右側には30A(TT-30)出力も装備されています(筆者撮影)

こちらがAC300の電源ボタン、液晶タッチパネル、出力ポートの配置です。最大3,000Wも出力できるので、かなりの家電製品を同時に使えます(筆者撮影)

こちらがAC300の液晶タッチパネル。まずは「DC出力」と「AC出力」をタッチしてオンにしましょう(筆者撮影)

ちなみに、B300にも100W出力のUSB-C、18W出力のUSB-A、120V/10A出力のDC出力も搭載されています。DC出力ボタンをオンすれば、B300単品でもスマホやタブレットなどを給電できます。

B300の出力ポートを確認

実はB300にもDC出力が用意されており、DCボタンをオンにすれば、出力ポートで充電が可能です。出力ポートはUSB-C(100W)、USB-A(18W)、12VDC/10Aの3つがあります(筆者撮影)

こちらは、B300でスマホをUSB-CとUSB-Aで同時に急速充電しているところです。AC300側のUSB出力ポートが埋まっているときは助かりますね(筆者撮影)

AC300&B300のDC出力は? まずはスマホを中心にUSB充電をチェック!

それでは、実際にAC300&B300で充電してみましょう。まず、スマホ(USB Type-A)、スマホ(USB Type-C)、そしてノートパソコンを充電してみます。

USB-C(100W)でスマホを充電

AndroidスマホをUSB-Cで充電してみたところ、12Wで充電できました。これはなかなか速い充電スピードです。ちなみにiPhone 13は9W程度で充電できました(筆者撮影)

USB-A(18W)でスマホを充電

AndroidスマホをUSB-A(18W)に接続してみたところ、こちらも12Wで急速充電することができました。十分な速度です(筆者撮影)

USB-A(5V/3A)でスマホを充電

USB-A(5V/3A=15W)でAndroidスマホを充電したところ、9Wで充電できました。5V/3A=15W出力としてはまずますでしょう。ちなみにiPhone 13は5Wとかなり遅くなりました(筆者撮影)

スマホを2台同時で充電

最後にUSB-CにiPhone 13、USB-A(18W)にAndroidスマホを同時に2台接続してみました。すると、DC出力は20Wとなり、1台ずつスマホを充電したときとほぼ同じ感じで、急速充電することができました(筆者撮影)

USB-C(100W)でノートパソコンを充電

Windows 11のノートパソコンをUSB-C(100W)で接続したところ、36Wで充電されました。ノートパソコンも余裕で充電できます(筆者撮影)

また、天板には2つのワイヤレス受電が備わっていたので、iPhone 13を充電してみました。こちらはスマホを乗せたときは0W表示ですが、徐々に数値が上がっていき、最大10Wで充電することができました。

ただし、置き場所が少しズレるだけで、かなりW数が変化しますので置き場所には注意しましょう。

また、iPhone 11をもう1台用意して2台同時にワイヤレス充電してみたところ、20Wと表示されましたので、単体とときと同じで、しっかりそれぞれが10Wで充電されました。これはありがたいですね。

ワイヤレス(15W)でiPhoneを充電

AC300の天板は15Wでのワイヤレス充電が可能です。iPhone 13を乗せたところ10Wで急速充電できました。ただし、置き場所には注意しましょう(筆者撮影)

ワイヤレス(15W)でiPhoneを2台同時に充電

iPhone 11を追加して2台同時にワイヤレス充電を行ってみました。すると、10W×2台で20Wと表示されました。2台同時充電でもW数が減らないのは、なかなか実用的です(筆者撮影)

AC300&B300のAC出力は? 電子レンジやドライヤーも余裕で動いた!

それではACコンセントを使ったテストを行ってみましょう。「EB3A」や「AC60」では、1,000Wを超えるような家電製品は「電力リフト」機能を使って、なんとか動く感じでしたが、AC300&B300ではどのような感じになるのでしょうか?

まず、ACコンセントでMacbookを充電してみます。すると、62Wで普通に充電されました。まあ、AC300にとってノートパソコン程度は余裕でしょう。

Macbookを充電してみる

MacBookをACコンセントで充電してみたところ、62Wで充電されました。これはなかなかの充電速度ですね(筆者撮影)

次に、大容量電力を必要とする家電製品でテストしてみましょう。まずは、800Wの電気ケトルでお湯を沸かしてみます。しかし、AC300&B300はリフト機能などを使わなくても、821Wの表示のまま普通にお湯が沸騰しました。

800Wの電気ケトルでお湯を沸かす

800Wの電気ケトルをACコンセントに挿してお湯を沸かしてみたところ、AC出力の表示は821Wで、問題なくお湯を沸騰させることができました(筆者撮影)

次は1,200Wのドライヤーでテストしてみます。過去、「EB3A」や「AC60」では電源リフト機能をオンにしてなんとか使える状態でした。

しかも、「TURBO」にしても580W程度に出力を落として動くのがやっと……。MAXパワーの1,200Wでは稼働しなかったのです。

ところが、AC300はさすがに最大出力が3,000Wなだけはあります。最大1,161Wの表示のままTURBOで動作し続けました。これはかなり実用的ですね。

1,200Wのドライヤーを使ってみる

ドライヤーを「TURBO」にしてMAX1,200Wでテストしましたが、何事もなかったように1,161Wで動作し続けました。これは素晴らしい!(筆者撮影)

最後は、いよいよ最強の敵・電子レンジでテストしてみます。実は、「EB3A」や「AC60」では電源リフト機能をオンにしても、電子レンジだけはOVER LOARDになってまったく動作させることができなかったのです。

恐る恐る、電子レンジを700Wにセットして電源を入れたところ、AC出力の表示は瞬間的に1,900Wを超え、その後1,664Wで落ち着きましたが、そのまま動作し続けたのです。

この実験で、電子レンジは「EB3A」や「AC60」が、とても太刀打ちできるような相手ではななかったことが、ハッキリと確認できました。

700Wで電子レンジを動かしてみる

電子レンジを700Wにセットして1分ほど動作させてみましたが、AC出力表示は1,664Wと表示されて動作し続けました。おかげで弁当も温まりました(筆者撮影)

最強の敵・電子レンジが安定動作したことで、何か勝ち誇った気分になった筆者ですが、AC300&B300の限界を知りたくなり、悪い考えを実行することにしました。

それは、1,200Wのドライヤー、1,120Wのセラミックヒーター、700W(実質1,600W以上)の電子レンジを同時に動作させるというものです。3つトータルでは3,000Wを余裕で超えるはずですが、AC300&B300がどうなるのか確認しようというわけです。

筆者が会議室で一人で実験しているとき、たまたま入ってきた社員に「ここはマッドサイエンティストの実験室ですか?」と揶揄されながらも、やや緊張しながら3つの家電製品を同時に動かしてみます。

すると、AC出力は2,952W前後をキープしたままで、まったく問題なく動作し続けました。もしかすると、AC300&B300は、ドライヤーの出力を多少セーブしていたのかもしれません。

いずれにせよ、大電力を必要とする家電製品を3台同時に使用しても、まったく問題なく稼働することが確認できたのです。これには筆者も大変驚きました。

なお、AC300&B300の取扱説明書には「使用中の機器の合計電力が3,000Wを超えないようにしてください」と注意書きがあるので、このような実験は行わないほうがいいでしょう。

3,000W以上の家電製品を3台同時に動作させてみる

1,200Wのドライヤー、1,120Wのセラミックヒーター、700W(実質1,600W以上)の電子レンジを同時に動作させたところ、2,952W前後をキープして3,000Wを超えることはありませんでした(筆者撮影)

専用スマホアプリ「BLUETTI」利用で遠隔操作も可能!

BLUETTIのポータブル電源では、専用アプリ「BLUETTI」を利用することで、スマホによる遠隔操作が可能となっています。

利用するときは、スマホのWi-FiとBluetooth機能をオンにしてから、BLUETTIのポータブル電源をスキャン。該当する機種を登録しましょう。

BLUETTIのポータブル電源は専用アプリ「BLUETTI」を使うことで、スマホから遠隔操作することが可能となっています(筆者撮影)

本体の液晶をタッチせずとも、専用アプリを使えばスマホから、AC300の状態や電力使用量の確認、AC・DC出力のオン・オフ切り替えなども可能となっています。

●BLUETTI(公式アプリ)「iPhone」は→こちら
●BLUETTI(公式アプリ)「Android」は→こちら

スマホアプリ「BLUETTI」を利用する手順

スマホに「BLUETTI」アプリをインストールしたら、アプリを起動して「ホーム」画面の「マイBLUETTI」をタップ(左写真)。「+機器の追加」を選択します(右写真)

「スキャン」をタップすると近くにあるBLUETTI製品が検索されます(左写真)。該当機種が表示されたら「手動で追加します」をタップしましょう(右写真)

画面下の「確定」をタップしたら(左写真)、自宅Wi-FiのSSIDを確認してパスワードを入力。「保存」を押します(右写真)

「紐づけ成功」と表示されれば登録は完了です。「開始」ボタンを押しましょう(左写真)。これで、AC300本体の液晶画面とほぼ同じ操作が、スマホから実行できます(右写真)

まとめ

いかがでしょうか? 今回は本格的な災害対策用としても使えそうなBLUETTI「AC300&B300」を紹介しました。

キャンプやレジャー用の小型ポータブル電源と違い、本体は非常に大きくて重く、値段もかなり高額ですが、今回の実験結果でそれだけの実力を備えていることを確認できたと思います。

これなら、スマホやパソコンだけでなく1,000Wを超えるような大電力を消費する家電製品でも同時に利用できるパワーがありますので、災害対策用としても十分活躍してくれることでしょう。

とはいえ、普通のマンションでは置き場所に困る場合もあると思いますので、購入前に保管場所が確保できるか確認しておきましょう。

ちなみに、BLUETTIでは折り畳み式大容量台車が3万9,999円で販売されていますが、このようなキャリーがあると移動がかなり楽になるでしょう。

BLUETTIでは大容量ポータブル電源用に折り畳み式台車も販売されています(画像は「BLUETTI」公式サイトより引用)

●BLUETTI「BLUETTI折りたたみ式大容量台車」は→こちら

オトナライフ編集部
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