最新のiPhone 15シリーズが充電端子にUSB-Cを採用したことで、にわかにUSB-C対応AC充電器に注目が集まるようになりました。そのようななか、3COINS(スリーコインズ)でも急速充電「USB PD」に対応するAC充電器「PD急速充電器」が2種類発売されています。そこで今回は、3COINSのPD急速充電器がどのような製品なのか? 実際に購入してダイソーのAC充電器と比較してみました。果たしてその結果は?
3COINSに急速充電「USB PD」対応のAC充電器が登場! ところでUSB PDって何?
デジカメやワイヤレスイヤホン、Androidスマホ、ノートパソコンなどの充電では、数年前から汎用性の高いUSB-C(USB Type-C)が使用されてきました。
USB-Cは従来のUSB-A(Type-A)ケーブルよりも大電力を供給できますが、最新のiPhone 15シリーズが採用したことで、USB-C対応AC充電器にも注目が集まるようになってきました。
そのようななか、おしゃれな小物が330円で購入できることで女性に人気の高い3COINS(スリーコインズ)でも、USB-C対応のAC充電器が発売されています。
3COINSのAC充電器「PD急速充電器」は45Wと65Wの2種類が発売されており、いずれも急速充電規格「USB PD」に対応しています。
また、45Wモデルは「USB-C×1」+「USB-A×1」で価格は2,750円、65Wモデルは「USB-C×2」+「USB-A×1」で価格は3,300円となっています。
■PD急速充電器(GaN CHARGER)45Wのスペック
【出力】
USB-C=最大45W
※非対応ケーブル使用時は15W
USB-A=最大30W
【同時出力】
・USB-C+USB-A=25W+18W
【サイズ】60×31×42mm
【重量】92g
【価格】2,750円
■PD急速充電器(GaN CHARGER)65Wのスペック
【出力】
USB-C(C1)=最大65W
USB-C(C2)=最大20W
USB-A=最大18W
【同時出力】
・C1+C2=45W+20W
・C1+USB-A=45W+18W
・C2+USB-A=15W
・C1+(C2+USB-A)=45W+15W
【サイズ】67×31×42mm
【重量】120g
【価格】3,300円
ちなみに、USB PDとは“USB Power Delivery”の略で。USB-IFというUSB規格を作成する団体が策定したUSB-Cの給電規格になります。これによって、最大100W(20V / 5A)の大電力供給(急速充電)を行うことが可能となるのです。
そこで今回は、高出力な65W対応のPD急速充電器を購入してみたので、さっそくスマホやノートパソコンを充電して、どの程度の実力なのか検証してみたいと思います。
なお、USB PDで急速充電するときは、スマホやパソコン、そしてUSB-CケーブルもすべてUSB PD規格に対応している必要があります。
そこで3COINSでは、100W給電に対応する「e-Maker」を搭載したUSB PD対応ケーブルも550円で販売されています。気になる人はセットで購入しておくと安心でしょう。
とはいえ、USB PDに対応するUSB-Cケーブルは、ダイソーでも110円で販売されていますし、e-Maker搭載で100Wに対応するUSB-Cケーブルも、330円という低価格で販売されていますので、必ずしも3COINSの製品を買う必要はないでしょう。
USB-CはダイソーのAC充電器と同等だったが、2台同時接続時に威力を発揮した!
それでは、実際に3COINSの「PD急速充電器65W」を使って、AndroidスマホやiPhone、ノートパソコンなどを充電してみましょう。
今回は、ダイソーのUSBケーブルを使用しているほか、770円の「急速充電ACアダプタ(USB POWER DELIVERY、20W)」での実験結果とも比較して検証してみたいと思います。
USB-C(C1)でAndroidスマホを充電
まず、Androidスマホ(OPPO Reno5 A)をUSB-C(C1)に接続してみたところ、8.92V×1.27A=11.31Wで充電されました。
なかなか高速で充電されていますが、残念ながらダイソーの「急速充電ACアダプタ(USB POWER DELIVERY、20W)」で実験したときと、数値はさほど変わらないものでした。
USB-C(C1)でiPhone 13を充電
次に、iPhone 13をLightning-USB-C変換ケーブルを使用してUSB-C(C1)で充電してみたところ、8.93V×1.18A=10.58Wで充電されました。
こちらもダイソーで770円の「急速充電ACアダプタ(USB POWER DELIVERY、20W)」で実験したときと、ほぼ同等の数値です。
USB-AでAndroidスマホを充電
今度はAndroidスマホをUSB-Aで充電してみます。こちらの結果は8.93V×1.25A=11.16Wであり、USB-Cでの充電時と変わらず高速で充電されました。
ちなみに、ダイソーのAC充電器ではUSB-A接続時に9.02V/0.77A=6.92W程度と遅かったので、これはなかなか優秀でしょう。
AndroidスマホとiPhone 13を同時にUSB-Cで充電
そして、Androidスマホ(OPPO Reno5 A)とiPhone 13を同時にUSB-Cで充電してみましょう。
USB-C(C1)+USB-Aの場合、理論値は最大45W+18Wですが、2台同時充電でもUSB-C(C1)に接続したAndroidスマホの数値は変わらず、安定して11~13W程度をキープしていました。
ダイソーのAC充電器は2台同時充電時にかなり給電能力が落ちる場合もありますが、3COINSのほうはUSB-C(C1)の数値に変化はありませんでしたので、2台同時充電時で本来の能力が発揮された形です。
MacBookをUSB-Cで充電
最後に、大電力を必要とするMacBookをUSB-Cで充電してみましょう。その結果は11.8V×1.60A=18.97Wというものでした。
ちなみに、ダイソーのAC充電器でも19W程度で充電されていましたので、こちらもほぼ互角の性能という結果になりました。
まとめ
いかがでしょうか? 今回は3COINSで販売されている「PD急速充電器65W」を実際に購入してAndroidスマホやiPhone、MacBookを充電してみました。
その結果、USB-Cに関しては残念ながらダイソーで770円のAC充電器とさほど変わらない数値となりました。
しかし、USB-A接続では3COINSのほうが高速でしたし、2台同時接続時にも給電速度が落ちないなど、本来の威力を証明してくれる場面も見られました。
確かに価格は3,300円とダイソーの製品よりは3倍以上高いのですが、旅先でいろいろなデバイスを同時充電するような場面が多いなら、3COINSのほうが安心して使えるのではないかと感じました。
※記事中の商品は筆者(編集部)が購入時点のものです(2023年12月)。店舗によっては在庫切れ、取り扱いがない場合もありますのでご了承ください。
※文中の価格はすべて消費税込みです。