古いAndroidスマホやデジタル機器では、充電やデータ転送にmicroUSB Type-B(micro-B)ケーブルが使われていました。現在では急速にUSB-C(Type-C)に置き換わっているため、自宅にmicroUSB Type-Bケーブルがムダに余っている人も多いでしょう。そのようなときは、ダイソーで110円の「micro-B→Type-C変換アダプタ」が重宝します。ジャマなmicroUSB Type-Bケーブルが再利用できますよ!
【目次】
1.「micro-B→Type-C変換アダプタ」があればUSB micro-Bケーブルが復活する!
2.「micro-B→Type-C変換アダプタ」を使って急速充電はできるの?
3.「micro-B→Type-C変換アダプタ」を使っても転送速度に影響はなかった!
4.まとめ
「micro-B→Type-C変換アダプタ」があればUSB micro-Bケーブルが復活する!
AndroidスマホやiPhone 15など、最近はほとんどのデジタル機器がUSB-C(Type-C)を採用していますが、ひと昔前のAndroidスマホやデジタル機器には、microUSB Type-B(micro-B)ケーブルが使われていました。
そのため、自宅にmicroUSB Type-Bケーブルがたくさん余っていてジャマになっている人も多いのでは?
そこで今回、筆者がダイソーで見つけたのが110円の「micro-B→Type-C変換アダプタ」。これは、使わなくなったmicroUSB Type-Bの端子をUSB-Cに変換して、充電やデータ転送に使える便利グッズです。
でも、充電速度やデータ転送速度が遅くなったりしないのでしょうか? そこで今回はダイソーで110円の「micro-B→Type-C変換アダプタ」を実際に購入してテストしてみます。
今回購入したダイソーの「micro-B→Type-C変換アダプタ」には色は白と黒の2色があります。パッケージのなかにはアダプタ本体しか入っていません。
また、製品パッケージには詳しい仕様が書かれていませんが、規格はUSB 2.0とあるので最大480Mbsp(60MB/s)でのデータ転送が可能です。
また、充電に関しては今回使用するmicroUSB Type-Bケーブルの仕様から、とても3Aでの急速充電には対応できなさそうですが、果たしてどのような結果になるでしょうか?
「micro-B→Type-C変換アダプタ」を使って急速充電はできるの?
それでは、実際にダイソーのmicro-B→Type-C変換アダプタをmicroUSB Type-B/Type-Aケーブルに装着して使ってみましょう。
ちなみに、今回実験で使用するAndroidスマホはOPPO Reno5 Aです。そして、ダイソーで110円のUSB Type-C/Type-Cケーブルで接続したときは、8.93V/1.39A=12.4Wで急速充電できました。
ダイソーのUSB Type-C/Type-CケーブルはUSB 2.0規格で3Aに対応します。USBの性能を確認できる「USB CABLE CHECKER 2」でチェックしてみると、接続機器同士の情報を交換して最適な給電を行う「CC」が点灯しており、USB PDに対応しているのが確認できました。
ちなみに、USB PDとは「USB Power Delivery」の略。USB-IFという団体が策定した最大100W(20V/5A)や48V/5A=240Wという大きな電力を供給するための規格になります。
続いて、手持ちのmicroUSB Type-B/Type-Aケーブルに、ダイソーのmicro-B→Type-C変換アダプタを装着して「USB CABLE CHECKER2」でチェックしてみます。
こちらも規格としてはUSB 2.0ですが、当然、CCが点灯することはなく、USB PDによる急速充電には非対応です。
そもそも、USB 2.0規格の給電は0.5A(5V/0.5A=2.5W)、USB 3.0規格では0.9A(5V/0.9A=4.5W)、USB BC1.2で(5V/1.5A=7.5W)となっていますが、USB Type-Cでは5V/3A=15Wでの給電が可能です。
しかし、変換アダプタで0.9A対応のUSBケーブルに3Aを流すと危険なので、このようなアダプタにはUSB規格の標準電力しか給電しないように、56kΩの抵抗を使用することになっています。
実際にUSB CABLE CHECKER2でチェックしてみると、やはり56kΩの抵抗を示す「UP56K/SOURCE 0.5A」が液晶に表示されました。
このような事情を踏まえて、実際にAndroidスマホを充電してみましょう。その結果は5.02V/0.9A=4.50Wというものでした。
やはり、USB Type-C/Type-Cケーブルに比べると、給電速度はかなり遅いことが分かりました。
「micro-B→Type-C変換アダプタ」を使っても転送速度に影響はなかった!
今度は、Androidスマホとパソコンをダイソーのmicro-B→Type-C変換アダプタを装着したmicroUSB Type-B/Type-Aケーブル(USB 2.0規格)で接続し、データ転送速度を計測してみます。
Androidスマホに、パソコンから100MBのデータを転送したところ約5.3秒で転送できましたので、単純計算で約150Mbpsということになります。
実は、これはほかのUSB Type-C/Type-Cケーブル(USB 2.0規格)で実験したときとほぼ同じ速度でしたので、micro-B→Type-C変換アダプタを使用しても、データ転送速度にはほとんど影響がないことが分かりました。
まとめ
いかがでしょうか? 今回は、ダイソーで110円で買える「micro-B→Type-C変換アダプタ」を試してみました。
確かに、自宅にmicroUSB Type-B/Type-Aケーブルがたくさん余っているなら、ダイソーのmicro-B→Type-C変換アダプタを使うことで復活させることができます。
しかし、実際にmicroUSB Type-B/Type-Aケーブルに装着しても、データ転送速度に関しては問題ありませんが、USB Type-C/Type-Cケーブルのような急速充電はできません。
しかも、ダイソーではUSB Type-C/Type-Cケーブルも110円で買えますので、スマホの充電目的で買うならmicro-B→Type-C変換アダプタは少し微妙な存在だと言えるでしょう。
なお、今回はダイソーのアダプタを紹介しましたが、ほぼ同じようなものがキャンドゥやセリアなどでも販売されています。
※文中の価格はすべて税込です。
※記事中の商品は筆者(編集部)が購入時点のものです(2024年3月)。店舗によっては在庫切れ、取り扱いがない場合もありますのでご了承ください。