無印良品で新発売の「USB-Cケーブル」価格差1/9以下のダイソー製品とほぼ同じ性能!?

これまでさほどスマホやパソコン用品を扱っていなかった無印良品ですが、24年2月29日より、いきなりACアダプタを5機種、USBケーブルを8種類も一気に発売しました。そこで今回は、筆者が実際にUSB-Cケーブルを購入して、iPhone 15でも使えるか検証してみます。果たしてその結果は?

無印良品が発売したACアダプタやUSBケーブルってどんな感じ?

無印良品は、24年2月29日にスマホやパソコンを充電できるACアダプタやモバイルバッテリー機能付きのACアダプタ。さらに、USB-CやLightningケーブルなどを一気に発売しました。

これまで、あまりスマホやパソコン用品を扱ってこなかった無印良品だけに、無印良品ファンならぜひともチェックしておきたい商品ですね。

●良品計画「2/29(木)無印良品 急速充電器5種とUSBケーブル8種 新発売のお知らせ」は→こちら

今回発売されたのは「急速充電器」3種類と、モバイルバッテリーとしても使える「急速充電ができるモバイルバッテリー付き充電器」を2種類。

さらに、ケーブルにやわらかいシリコンを使用した「やわらかくて絡まりにくいUSBケーブル」8種類です。

こちらは、USB Type-AやType-Cで急速充電できるACアダプタと、モバイルバッテリー機能も備えるACアダプタです(写真左側の2製品)(画像は良品計画公式サイトより引用)

ACアダプタの性能と価格の一覧表です。いずれもお手頃価格で買いやすいですね。もし、パソコンなど大電力が必要な機器を充電するなら、65W対応のACアダプタにしておきましょう(画像は良品計画公式サイトより引用)

今回、無印良品ではやわらかくて絡まりにくいUSBケーブルも同時に発売されました。とくにグレーは、あまり見かけない無印良品らしいオシャレなカラーですね(画像は良品計画公式サイトより引用)

iPhone 15用やAndroid用はUSB-A/USB-C(790円)とUSB-C/USB-C(990円)。iPhone 14以前用のLightningはUSB-A(1,490円)とUSB-C(1,590円)が用意されています(画像は良品計画公式サイトより引用)

実は筆者は先日3COINSで65WのACアダプタを購入したばかりだったので、今回はやや価格が高めのUSB-C/USB-Cケーブルを購入して検証してみることにしました。

果たして、筆者所有のiPhone 15 ProやAndroidスマホ、パソコンなどで問題なく使えるのでしょうか?

無印良品のUSB-CケーブルはUSB PD(60W)対応でUSB 2.0規格だった!

さっそく筆者は、近所の無印良品でUSBケーブルを購入しに行きました。

ところが、文具コーナーや家電コーナーを探しても、どこにも見当たりません。そこで店員さんに尋ねると、現物は展示されておらず注文カードで購入することになっていました。

とくに、「新発売!」とか「USBケーブル」といったポップもなく、収納用品コーナー横にひっそりと置かれているので、“これは絶対に気が付かないな……”と感じました。たまたま、筆者の行ったお店だけかもしれませんが、購入時にはご注意ください。

筆者の近所の無印良品では現物は置かれておらず、このような注文カードで決済してから、レシートを店員さんに見せて購入するスタイルでした。スペックや価格を間違えないようにしましょう(筆者撮影)

iPhone 15 Pro用にUSB-C/USB-Cケーブルをチョイス。全体がシリコン素材なのでぐにゃぐにゃしており、確かに絡みにくい感じです。また、グレーのUSBケーブルはめずらしいので、無印良品ファンならきっと欲しくなるでしょう(筆者撮影)

パッケージ裏にスペックの記載がありました。大容量給電に対応するUSB PDで60W(20V/3A)まで対応可能。ただし、USB 2.0なので転送速度は最大480Mbpsとなります(筆者撮影)

無印良品のUSBケーブルでiPhone 15 Proを急速充電できた!

それでは、無印良品のやわらかくて絡まりにくいUSBケーブル(UBS-C/USB-C)でiPhone 15 Proを充電してみましょう。

その前にUSBの性能を確認できる「USB CABLE CHECKER 2」でUSBケーブルをチェックしてみます。すると、接続機器同士の情報を交換して最適な給電を行う「CC」が点灯しており、USB PD(USB Power Delivery)に対応しているのが確認できました。

もちろん、転送速度はUSB 2.0であり、抵抗値は201mΩとさほど悪くありません(抵抗値がもっと大きいと充電性能が悪くなります)。

なお、今回の実験ではACアダプタに3COINSで購入したUSB PDに対応する65WのACアダプタ(価格3,300円)を使用しています。

USB CABLE CHECKER 2でチェックすると、USB PD対応を示す「CC」が点灯していました。転送速度はUSB 2.0であることも確認できます(筆者撮影)

実際にiPhone 15 Proで充電してみたところ、8.93V/1.39A=12.4Wで急速充電されました。まったく問題ありません(筆者撮影)

実はダイソーで110円のUSBケーブルとほぼ同じ性能だった!

無印良品のやわらかくて絡まりにくいUSBケーブル(UBS-C/USB-C)でiPhone 15 Proを充電してみたところ、しっかり急速充電できました。

しかし、筆者はダイソーで110円で売られているUSB-C/USB-Cケーブルも所有しているので、一応、こちらでもiPhone 15 Proを充電してみます。

その前に、ダイソーのUSB -C/USB-Cケーブルの性能をUSB CABLE CHECKER 2で確認してみましょう。データ転送速度はやはりUSB 2.0規格ですが、「CC」が点灯しておりUSB PD対応であることが確認できます。しかも、抵抗値は無印良品よりも低い187mΩでした。

実際にiPhone 15 Proを充電してみたところ、8.93V/1.32A=11.8Wで急速充電されました。無印良品よりわずかに数値は低かったものの、110円の製品で同等の急速充電ができるのは驚きです。

もちろん、無印良品のUSBケーブルは色がグレーでオシャレですし、シリコン独特の手触りが癖になりそうですが、価格差は880円もあるので、見た目をさほど気にしないなら、ダイソーで110円のUSB-C/USB-Cケーブルで十分でしょう。

ダイソーのUSB Type-C/Type-Cケーブルの性能をUSB CABLE CHECKER 2で確認します。USB 2.0規格ですが「CC」が点灯しており、USB PD対応であることが確認できました。抵抗値は187mΩで悪くありません(筆者撮影)

iPhone 15 Proを充電してみたところ、8.93V/1.32A=11.8Wで急速充電できました。たった110円のUSBケーブルであることを考えると、これは十分な性能でしょう(筆者撮影)

Androidスマホやパソコンでも充電してみよう!

無印良品のやわらかくて絡まりにくいUSBケーブルは、iPhone 15だけでなく、USB-C対応のデジタル機器で利用できます。

そこでここでは、Androidスマホとノートパソコンで充電実験をしてみましょう。

Androidスマホで充電

無印良品のUSBケーブルでAndroidスマホ(OPPO)を充電してみたところ、8.93V/1.41A=12.6Wで急速充電できました。十分な性能ですね(筆者撮影)

こちらはダイソーで110円のUSBケーブルです。結果は8.97V/1.39A=12.5Wと、無印良品とほぼ同じ数値で急速充電ができました(筆者撮影)

ノートパソコンで充電

ノートパソコンのほうはバッテリーが減っていない状態だったこともあり、無印良品のUSBケーブルでは11.9V/1.57A=18.7Wで充電されました(筆者撮影)

ダイソーで110円のUSBケーブルも、無印良品とまったく同じ11.9V/1.57A=18.7Wで充電できました(筆者撮影)

以上の結果から、無印良品のUSBケーブルの充電性能に関しては、ダイソーで110円のUSBケーブルとほとんど同じであることが確認できました。

ちなみに、無印良品のUSBケーブルは、60W(20V/3A)までの充電に対応していますが、USBケーブルのなかには100W(20V/5A)以上に対応するケーブルもあります。

たとえば、ダイソーで330円の100W対応USB Type-C(USB-C)ケーブルは、安全に高出力充電するために必要な「eMarker」を内蔵しており、USB PD対応で100Wの急速充電が可能なノートパソコンなどにも使用可能となっています。

こちらはダイソーで330円の100W対応USB Type-C(USB-C)ケーブル。「eMarker」内蔵でUSB PDでの100W充電にも対応ができます(筆者撮影)

USB CABLE CHECKER 2でチェックしたところ、ディスプレイに「E-MARKED」と表示されており、「eMarker」を内蔵していることが確認できました。抵抗値も195mΩとなかなか優秀です(筆者撮影)

iPhone 15 Proで使うときは転送速度に注意!

さて、ここまでは無印良品のやわらかくて絡まりにくいUSBケーブルの充電性能を実験してきましたが、データ転送に関しては少し注意が必要です。

iPhone 15/15 Plusは「USB 2」対応なので、USB 2.0仕様の無印良品のUSBケーブルでもまったく問題ありません。

しかし、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxは「USB 3」対応で、最大転送速度が10Gbpsとなっており、これをUSBの仕様に当てはめると「USB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2)」相当になります。

したがって、無印良品のUSBケーブルではiPhone 15 Pro/15 Pro Max本来の転送速度が出ないことになります。

とくに、大量に撮影した写真や容量の大きい4K動画などをパソコンに保存するときなどに影響がありますので、ご注意ください。

もし、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxで本来の転送速度を出したい場合は、USB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2)対応のUSBケーブルを購入しましょう。

たとえば、Amazonで販売されているSUNGUY USB Type-C(USB 3.2 Gen2×2)ケーブルは、転送速度が最大20Gbpsで給電は最大240Wにも対応する高性能USBケーブルですが、価格は1,000円前後です。

●SUNGUY「SUNGUY USB Type-C(USB 3.2 Gen2×2)ケーブル」は→こちら

SUNGUY USB Type-C(USB 3.2 Gen2×2)ケーブルをUSB CABLE CHECKER 2でチェックしてみたところ、e-Marker内蔵で転送速度はUSB 3.2相当であることが確認できました。抵抗値も123mΩとかなり優秀です(筆者撮影)

ノートパソコンのバッテリーが少ないときに充電テストをしてみたところ、20V/2.98A=59.7Wで急速充電できていました(筆者撮影)

外付けSSDをノートパソコンに接続してコピーしたところ、CrystalDiskMark8.04の計測結果では読み込み速度が1860.93MB/sでした。少なくとも実効速度で約15Gbps程度は出ています(筆者撮影)

まとめ

いかがでしょうか? 今回は無印良品で販売開始されたACアダプタとUSBケーブルについて紹介しました。

ACアダプタは一般的な価格で、値段相応な印象を受けますが、正直ってUBS-Cケーブルに関してはかなり割高でしょう。

実際、ダイソーで110円のUSBケーブルと比較してみると、充電性能と転送速度に関してはほとんど変わらないことが確認できました。

もし、無印良品ファンで、ほかではあまり見ないグレーのオシャレUSBケーブルが欲しいということなら、それでいいと思いますが、見た目を気にしないのであれば、ダイソーで110円の製品で十分でしょう。

また、転送速度や給電性能がもっと高いUSBケーブルが欲しいということなら、Amazonで1,000円前後のUSB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2)対応の製品がオススメになります。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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