ゲオで3,278円の「完全ワイヤレスイヤホン QT29」は買いか? 実際に検証してみた!

ゲームやオーディオ機器の販売&買い取りを行っている「ゲオ(GEO)」から、24年4月にインナーイヤー型の「完全ワイヤレスイヤホン QT29」が発売されました。ゲオでは過去にもオリジナルイヤホンが発売されていますが、音質や使い勝手はどうなのでしょうか? そこで今回は、実際に筆者が購入して気になる装着感や音質を検証してみました!

ゲオ・オリジナル「完全ワイヤレスイヤホン QT29」形状は初代Air Podsにそっくり!?

新品や中古のゲーム&オーディオ製品を取り扱う「ゲオ(GEO)」では、ゲオ・オリジナルの商品の販売も行われています。

なかでも、最近はワイヤレスイヤホンには力を入れており、過去にも何種類か発売されています。

そのようななか、今回筆者が注目したのが24年4月に発売されたインナーイヤー型の「完全ワイヤレスイヤホン QT29」です。

ゲオのオリジナル製品である「完全ワイヤレスイヤホン QT29」の価格は3,278円で、イヤホンの形状は初代Air Podsにそっくり。

パッケージには“快適な装着感”とあるので、実際に筆者が購入し、音質や操作感を検証。本当に快適な装着感なのかを確認したいと思います。

ゲオで3,278円の「完全ワイヤレスイヤホン QT29」は買いか?

ゲオ「完全ワイヤレスイヤホン QT29」はパッケージが開くようになっており、商品が確認できる親切設計。これなら、使ったときのイメージも掴みやすいでしょう(筆者撮影)

ゲオ・オリジナル「完全ワイヤレスイヤホン QT29」のスペックを確認!

まずは、ゲオ・オリジナル「完全ワイヤレスイヤホン QT29」のスペックを確認してみましょう。

完全ワイヤレスイヤホン QT29で最初に驚かされたのが、連続再生時間の長さです。イヤホン本体は5時間程度で普通なのですが、充電ケースではなんと5回もフル充電できるんですね。そのため、トータルで26時間以上の連続再生が可能となっています。

次に、ドライバーユニットに13mmと大型なものを採用しているので、低音の音質に期待できます。ただし、対応コーデックは標準的な「SBC」のみで、高音質な「AAC」には非対応となっています。

完全ワイヤレスイヤホン QT29は、耳に押し込まないインナーイヤー型なので装着感が優しく、長時間装着していても耳が痛くなりにくい構造。

しかし、カナル型のイヤホンと比べると、イヤホンが外れやすかったり音漏れがあったりするので、購入前に確認しておきたいところですね。

ゲオ・オリジナル「完全ワイヤレスイヤホン QT29」のスペックを確認!1

完全ワイヤレスイヤホン QT29のパッケージに入っているのは、イヤホン本体と充電ケース、取扱説明書、充電用のUSB Type-Cケーブルとなっています(筆者撮影)

さすがに、低価格製品なのでノイズキャンセル機能は搭載していませんが、マイクにDNS(Deep Noise Suppression)とENC(Environmental Noise Cancellation)が搭載されているため、通話音声はクリアに聴こえるようです。

ほかにも、片方のイヤホンでも使える「左右独立機能」を搭載していたり、ゲームや動画視聴に最適な低遅延モードが搭載されていたりするので、低価格な割には機能が充実している印象を受けます。

ゲオ・オリジナル「完全ワイヤレスイヤホン QT29」のスペックを確認!2

イヤホン本体の操作はタッチセンサー式。LED部分にタッチセンサーが搭載されています(筆者撮影)

また、完全ワイヤレスイヤホン QT29には、高価格モデル並みに専用アプリ「QCY」が用意されています。

たとえば、イコライザで好きな音質に変更できたり、タッチセンサー操作のカスタマイズ、自動電源オフタイマーなどが設定できるので、自分好みに変更できるのがうれしいですよね。

●Google Play「QYC」は→こちら
●App Store「QYC」は→こちら

■ゲオ「完全ワイヤレスイヤホン QT29」のスペック

<イヤホン本体>
【通信方式】Bluetooth Ver5.3(Class 2)
【ドライバーユニット】φ13mm ダイナミック
【最大通信距離】約10m
【対応コーデック】SBC
【対応プロファイル】A2DP/AVRCP/HFP
【バッテリー容量】26mAh
【連続再生時間】5時間(充電ケース込:26時間)
【充電時間】約2時間
【操作】タッチセンサー
【マイク】〇
【ノイズキャンセル機能】×(マイクに搭載)
【マルチポイント】×
【防水】IPX4
【重量】約3.7g(片耳)
【サイズ】W17.35×D20.1×H34.9mm
【専用アプリ】あり
【価格】3,278円

<充電ケース>
【バッテリー容量】350mAh
【充電時間】約2時間
【イヤホン充電回数】約5回
【サイズ】W48.8×D26.7×H52.0mm
【重量】約25.2g
【充電用接続】USB Type-C

スマホとBluetoothで接続する方法を確認しておこう!

完全ワイヤレスイヤホン QT29は、スマホとBluetoothでペアリングして使用しますので、今回はiPhone 13を使ってBluetoothでの接続方法を紹介しましょう。

初期設定を行っていない完全ワイヤレスイヤホン QT29を充電ケースから取り出すと、LEDランプが白く点滅して、自動的にペアリングモードになります。

スマホの設定を開いてBluetoothをオンにしたら、「新たな接続先」で「TWS QT29」を検索。

「TWS QT29」が完全ワイヤレスイヤホン QT29の名称ですので、これをタップすればすぐにBluetoothでペアリングされます。

「完全ワイヤレスイヤホン QT29」をBluetoothでペアリングする手順

「完全ワイヤレスイヤホン QT29」をBluetoothでペアリングする手順1

イヤホン本体を充電ケースから取り出すと、自動的にペアリングモードが起動してLEDが白く点灯します(筆者撮影)

「完全ワイヤレスイヤホン QT29」をBluetoothでペアリングする手順2

次に、iPhoneの設定を開いてBluetoothをオンにします(左写真)。「使用可能なデバイス」で「TWS QT29」が表示されたら、これをタップしましょう(右写真)

「完全ワイヤレスイヤホン QT29」をBluetoothでペアリングする手順3

Bluetoothの設定画面で「自分のデバイス」に「TWS QT29」が「接続済み」となっていれば、Bluetoothのペアリングは完了です

実際に完全ワイヤレスイヤホン QT29で音楽を聴いてみた!

それでは完全ワイヤレスイヤホン QT29をしてみましょう。今回はハイレゾ音源やMP3などいくつかの音源を聞いてみようと思います。

実際に完全ワイヤレスイヤホン QT29で音楽を聴いてみた!1

完全ワイヤレスイヤホン QT29は初代Air Podsに形状がそっくり。装着感もインナーイヤー型としてはいたって普通ですので“快適な装着感”かどうかは個人で感じ方は異なるでしょう(筆者撮影)

まずハイレゾで視聴してみると、低音が膨らみすぎていて音全体がボヤっとしてこもった感じがします。解像度の高さやキレはまったく感じられず、布団越しに音楽を聴いているようなイメージでガッカリ。

中音は低音に比べるとキレは感じますが誤差レベルで、低音のボヤっとした音のほうが強烈です。高音はインパクト不足でまったく印象に残りません。

MP3音源でも聴いてみましたが、低音の膨らみや全体的にボヤっとした音質は変わりませんでした。

そこで、専用アプリ「QYC」の設定を見てみると、音質の悪さの理由がすぐに分かりました。なんと、ボヤっとした音質はカスタムサウンドの「デフォルト」設定にあったのです。

設定を確認すると低音にピークがあり、この設定のせいでシャキッとしない聴きにくい音質になっていたんですね。

実際に完全ワイヤレスイヤホン QT29で音楽を聴いてみた!2

こちらがデフォルト設定の「カスタムサウンド」。低音にピークがあるため、ボヤっとした印象の音になっていました

というわけで、QYCのカスタムサウンド設定から、プリセットの「ロック」に切り替えてみます。すると、低音の主張が弱くなって中音と高音が伸び、音質はかなり改善されました。

とはいえ、音の解像度やキレはまだ不十分ですが、「ロック」に変更しただけで耳障りな音が少ない優しい音になるので、長時間使っていてもストレスは少ないと思います。

ちなみに、対応コーデックがSBCなので当然なのですが、設定を変更してもMP3とハイレゾを聴いたときの違いはほぼありません。

アプリ「QYC」のカスタムサウンドを設定する手順

アプリ「QYC」のカスタムサウンドを設定する手順1

「QYC」を起動したらデバイス画面の上部タブから「音声」をタップ(左写真)。次に「カスタムサウンド」で、プリセットを選択しましょう。今回は「ロック」を選びました(右写真)

完全ワイヤレスイヤホン QT29のタッチセンサーは、なかなか反応が良く、デフォルト操作が2回タッチになっていることもあり、誤タッチは少なめ。操作感はいいと思います。

アプリ「QYC」のカスタムサウンドを設定する手順2

タッチの反応はとても良く、初めて使って操作に慣れは必要ありませんでした。操作感については快適だと思います(筆者撮影)

なお、ノイズキャンセル機能があるマイクの性能は悪くなく、相手にクリアな声を届けてくれます。ただ、マイクの音は小さいようで、相手は音を少し大きくしないと聞きにくいかもしれません。

最後に、低遅延の「ゲームモード」をリズムゲームで試してみました。

通常モードでは体感8〜10フレーム(0.13秒〜0.16秒)程度遅れているため、まともにゲームは遊べませんでした。

しかし、低遅延モードに変更すると体感2〜3フレーム(0.03秒〜0.05秒)程度の遅延になるので、ゲームの設定しだいでは非常に効果があると感じました。

まとめ

いかがでしょうか? 今回はゲオ・オリジナルの「完全ワイヤレスイヤホン QT29」を実際に購入して音質や操作感を検証してみました。

3,278円という価格設定なので、充電ケースのバッテリーが大容量だったり、専用アプリ「QYC」が用意されており、音質を変更したり低遅延のゲームモードが使えるなど、1,100円の100均の製品よりは高機能です。

とくに、音質に関してはデフォルトのカスタムサウンドが悪すぎるので、プリセットを選んだり、イコライザで自分好みに設定したほうがいいでしょう。これで音質は劇的に変わります。

とはいえ、コーデックがSBCにしか対応していないですし、音の解像度は低めです。数万円するハイレゾ対応高級モデルのような高解像度は期待できませんが、MP3を聴ければ十分という人なら、コスパは悪くないでしょう。

※記事中の商品は筆者(編集部)が購入時点のものです(2024年5月)。店舗によっては在庫切れ、取り扱いがない場合もありますのでご了承ください。
※文中の価格はすべて消費税込です。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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