6月~7月にかけて活発になる梅雨前線。大雨による日常生活への影響は大きく、ときには浸水や土砂災害を引き起こすこともある。こういった災害による被害を少しでも抑えるためには、事前に防災用品などを用意しておくことが大切だ。そこで今回は、災害に備えて用意しているものに関する調査結果を紹介。災害対策を意識している人はぜひ参考にしてほしい。
災害に備えている人は、年々増加
2024年6月19日、NTTドコモが運営するモバイル社会研究所は、災害への備えに関するアンケート調査結果を発表した。本調査結果は、2023年11月に15~79歳の男女8991人から回答を得た「2023年防災調査」と、2024年1月に15~79歳の男女6440人から回答を得た「2024年一般向けモバイル動向調査」の結果をまとめたものとなっている。
まず、「災害への備えとして準備しているもの」に関するアンケートでは、「懐中電灯」が51.7%で最も多く、「数日分の水・食糧」「スマホ用モバイルバッテリー」が続いた。災害時は停電になる恐れがあるため、懐中電灯を用意している人は多いのだろう。一方で、28.6%が「何も準備していない」と回答。いつ来るかわからない災害に対して、防災意識をあまり持てない人もいるようだ。
続いて、上記アンケートについて2018年からの回答率の推移を見ていこう。「何も準備していない」と回答した人の割合は、2018年時点ではおよそ50%であった。2019年以降は40%前後を記録していたが、2023年には30%以下に。防災意識は年々高まっていることがわかる。
2018年から2024年にかけて、伸び率が大きかったのは「スマホ用モバイルバッテリー」と「数日分の水・食糧」だった。特にスマホ用モバイルバッテリーはこの6年で約2倍となっている。スマホは連絡手段としてはもちろん、災害状況の確認や懐中電灯の代わりとしても役立つが、充電が切れると不安に駆られてしまう人もいるかもしれない。そのため、モバイルバッテリーを持っておくだけでも被災した際の安心感は大きいだろう。非常時でなくとも使用できる点も所有率の増加に影響していると考えられる。
防災リテラシーが高い人ほど、モバイルバッテリーを用意している?
ここからは所持率の伸びが大きいスマホ用モバイルバッテリーについて、所持している人の特性を分析した調査結果を紹介していこう。スマホ用モバイルバッテリーの所有率を年代別に見ると、10代が40.2%で最も高く、70代は3割を下回っていたが、20代~60代は大きな差は見られなかった。
またインターネットの利用時間別での調査結果によると、インターネット利用が「1時間未満」でスマホ用モバイルバッテリーを所持している人は28%と比較的低かった。しかし「1~3時間未満」「3~6時間未満」「6時間以上」はいずれも35%前後であり、スマホを長く使っている人がスマホ用モバイルバッテリーを所持しているとは言い切れない。
最後に、防災リテラシーの高さとスマホ用モバイルバッテリーとの相関を確認するための調査結果を紹介する。同調査における防災リテラシーは「助け合いへの考え」や「防災教育・震災伝承への取組」といった全8問の質問結果より、「低い」「やや低い」「やや高い」「高い」に区分されている。結果を見ると、防災リテラシーが高いほどスマホ用モバイルバッテリーの所持率も高く、モバイルバッテリーが災害時に自分や他人を助けると考えている人が多いようだ。
災害への備えとして、懐中電灯や数日分の水、医薬品などを準備しておきたいところだが、実際は家のスペースなどの都合で全てを用意するのは難しいかもしれない。しかし、スマホ用モバイルバッテリーはそれほどかさばるものでもなく、普段使いも可能であるため、持っておいて損はないだろう。
出典元:【モバイル社会研究所】