デジカメやスマホのデータを記録するのに使われるSDメモリーカード。あまり深く考えずに価格や容量だけで選んでいる人は意外と多いのではないだろうか? しかし、SDメモリーカードは使用用途によっては注意すべきポイントがいくつかある。そこで今回は、今さら聞けないSDメモリーカードの基本と選び方を紹介しよう。
デジカメは「SDカード」、スマホは「microSDカード」
写真や音楽、動画などのデータを記録できる「SDメモリーカード(以下SDカード)」。同じ容量でも値段がかなり違うので、いったい何が異なるのか? 結局どれを選べばいいのか? 全然わからないという人も多いだろう。デジカメ用でもスマホ用でも、ほとんどの場合は“粗悪な中華製(ニセブランド品含む)”を買わなければどれを買っても問題ないが、一眼レフや4Kビデオカメラなどで使用する場合は、少し注意したいポイントがある。それはのちほど解説するので、まずはSDカードの基本から説明しよう。
まず、SDカードにはデジカメ用の「SDカード」とスマホなどの小型機器で使われる「microSDカード」の2種類がある。大きさが違うのですぐにわかるが、これが最初に確認すべきポイントだ。ただし、microSDカードにSDカード変換アダプターが付属し、どちらでも使えるタイプもあるので、よく調べてから購入するようにしよう。
SDカードは、主にデジカメやビデオカメラ用の「SDカード」と、主にスマホ向けの「microSDカード」の2種類がある。また、SDカードアダプ付のmicroSDカードもある。使用するデバイスに合わせて形状を選ぼう
デジカメやスマホなら転送速度はさほど気にしなくてよい
SDカードにはさまざまな規格があるが、今買うなら「SDHC」か「SDXC」を選んでおけば大丈夫。SDカードの容量は多ければ多いほどよいが、その分価格も高くなる。通常、デジカメやスマホで使うならコスパのよい64GBあたりがよいだろう。
SDカードでややこしいのが「転送速度」を示す「スピードクラス」が複数あること。スピードクラスは、現在「スピードクラス」「UHSスピードクラス」「ビデオスピードクラス」の3種類があり、さらに独自に「100MB/s」といった転送速度の表示もある。これらはすべて“データの読み込みや書き込みがどのくらい速いか?”というSDカードの性能を示すもので、性能が良いいものは価格も高くなる。一眼レフで連射するときや4K動画を撮影するビデオカメラでは、この転送速度が遅いと使い物にならないが、通常のデジカメやスマホでは、100MB/s以上の高速なものは必要はない。どうしても転送速度が気になる場合は、フルHD動画が撮影が可能なスピードクラスが「CLASS 10(10MB/秒)」かどうかがひとつの目安になるだろう。
今SDカードを買うなら、「SDHC」か「SHXC」規格のものを選んでおこう。転送速度は一眼レフでの連射や4K動画を撮影するビデオカメラでなければ、さほど気にする必要はない。普通のコンデジやスマホなら、スピードクラス「10」のものを選んでおけば間違いない
(Image:sandisk.co.jp)
SDカード選びで最初に気になるのが容量だ。上の表では、SDカードの容量によって写真や動画がどの程度記録できるかの目安である。スマホやデジカメなら32GBか64GBあれば十分であろう(SanDiskのHPより)
(Image:sandisk.co.jp)
たくさんあってややこしい転送速度(スピードクラス)の規格をまとめた表。スマホやデジカメなら、スピードクラス「10」、UHSスピードクラス「1」、ビデオスピードクラス「V10」で十分であることがわかる(SanDiskのHPより)
信頼できるメーカーは? ネットで買っても大丈夫?
SDカードは「SanDisk(サンディスク)」「TOSHIBA(東芝)」「SAMSUNG(サムスン)」「Trancend(トランセンド)」あたりが有名ブランドとなる。もちろん、それ以外のメーカーがダメということはないが、無名、ノーブランドで激安なものほどハズレを掴む可能性が高くなる。最悪、SDカードが認識されなくなり、撮影した写真データが消滅することもあるので、あまり価格の安さだけで選ばないようようにしたい。
ちなみに、Amazonやヤフオクなどでは、見た目がそっくりな偽物が販売されていることもある。筆者も一度だけ有名ブランドの偽物を掴まされ、取材で写真撮影中にエラーが発生し、その日の仕事が台無しになったことがある。とくに、一眼レフで連射したり、4K動画を撮影するビデオカメラなど、高速転送が必要な場合は、ちゃんとしたショップで本物のブランド品を買うようにしたい。