日本最大級の総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が、新たなチャレンジに踏み出したようだ。なんと「テレビの映らないテレビ」を発売したのだ。もはや“とんち”の域である。
このテレビ、テレビ放送は映らない一方で、グーグルの「Android TV」が搭載されており、YouTubeやNetflix、Amazonプライムビデオなどのビデオ配信サービスが楽しめるというのが最大のポイント。この点をめぐってネット上からも様々な反応が飛び出している。
我らのドンキ、“受信料対策”にもなるスマートテレビを発売
ドン・キホーテは12月10日から、自身のオリジナル商品ブランド「情熱価格」で新たに「Android TV機能搭載フルHDチューナーレススマートテレビ」を販売することを発表。サイズは24型と42V型の2パターンとなっている。
このスマートテレビの最も大きな特徴は、名前の通り「チューナーレス」なことだ。有線LANやHDMI端子を使ってネットをつないだりレコーダー、プレイヤー、ゲーム機等を接続できる機能を備えつつも、テレビは見られない。どちらかといえばテレビよりもPC用のモニターに近い機能と言えるだろう。
「テレビが見られない」ということは、「NHKも見られない」。つまりこのスマートテレビが家に置いてあっても、「NHKが見られる環境が無いから受信料は支払わない」という論理が通るのだ。実際にNHKもハフポスト日本版の電話取材に対し、「リアルタイムでテレビ放送を視聴できないものは受信設備とはみなされないので、NHKの受信料を支払う必要はありません」と回答したと報じられている。
近年はたびたび「NHKの受信料徴収の是非」が問われる事態が続いているだけに、画期的なスマートテレビの誕生にネット上は大盛り上がり。「32型のFHDを29,800位で出してくれると嬉しいんだけどなぁ」「高画質のモデルが欲しいのでHDMI2.1対応と有機ELぐらいの高スペックなモデルが出るなら買います」「まずは発売されることが大事。選択肢として存在すれば他メーカーも続くかもしれない」など、テレビチューナーレスの仕様を高く評価し、さらに開発が広がることを望むユーザーが多く見られた。中には「NHKだけが映らないTVを販売すれば売れるのに」といった民放だけは見られる仕様にする提案も飛び出している。
一方で、このスマートテレビなら受信料の支払い義務がない、としたNHKの回答に「『今のところは…』とかいう言葉が省略されていそうで怖い」「何年後か先に裁判で外付けチューナー取り付けたら映るので、支払い義務があるという判決出そう」と、発言の裏を読んでしまう意見も。NHKはそこまで信用されていないらしい。
また、NHKをよく見ていて受信料を支払っているというユーザーも「日頃見ない人にとって受信料は高すぎる」と苦言を呈する場面や、「NHKの今後の動きにちょっと興味ある」などNHKの対応に注目する声も聞こえてきた。
果たしてこのテレビはヒットするのか、そしてヒットした際に他の家電メーカーは後追いすることになるのだろうか。これからの業界全体の動向にも要注目だ。
●ドン・キホーテ「24型Android TV機能搭載フルHDチューナーレススマートテレビ」は→こちら
※サムネイル画像(Image:donki.com)