最近では、エクスプレス予約などを利用し、ネットで座席を指定して買う人も多いと思うが、駅に設置されているタッチパネル式の券売機で購入する人も少なくはないはずだ。そんな中、2022年3月6日に投稿された、Memorin@3/27常陸大子4/9-10会津若松さんの「駅のタッチパネル券売機で新幹線のチケットを購入する場合、一般の人が躓いてしまうのはどこなのか」というツイートが反響を呼び、Twitter上に多くの意見が寄せられた。様々な考察とともに、ぜひ皆さんにご紹介したい。
指定席券売機の初期画面。例えば新幹線の特急券を買うに当たって、ここからの流れで、知識のない人たちが躓くポイントはどこなのだろうか。 pic.twitter.com/3wDvgGL0Cw
— Memorin@3/27常陸大子4/9-10会津若松 (@memorinclub) March 6, 2022
そもそも何を押せばいいか分からない
一番、多かった意見が、初めに何を押せばいいのか分からないというケース。
新幹線のチケットを買いたいのに、タッチパネルの中にひとつも「新幹線」という文字がないことや、沢山の聞きなれない単語が並んでいることで混乱してしまう人もいるようだ。
「指定席」「自由席」に並ぶサイズ感で、「おトクなきっぷ」という項目もあり、筆者が新幹線初心者なら、うっかり初手でそこをタッチしてしまいそうである。しかし、「おトクなきっぷ」というのは、切符の種類の名称のことであり、ネーミングに誘われてこちらを選ぶと、主に往復切符や回数券、フリーエリア内なら乗り放題という切符が提案されるので要注意である。
指定席?自由席?その違いをまず教えて
次に、新幹線のチケットそのものに複数の種類があるということを知らないという意見もいくつかあった。
普段から遠出や出張をしない人にとっては、「新幹線のチケットを取りたい!」という目的こそは明確なものの、「指定席」「自由席」と言われても、その違いが分からないという可能性も十分にあり得る。ちなみに、指定席と自由席の違いをざっくり説明すると、指定席は購入時に座席を指定し、必ず座る席が新幹線内に用意されている。自由席は文字通り自由な席に座れるチケットのことだ。
自由席の方が指定席より若干安いが、こちらを選ぶと混雑時に席が確保できず立ちっぱなしになる危険性もある。腰の悪い筆者は、必ず指定席を購入している。
今日どこから乗るのかを明確にしたほうが良い
窓口でチケットを購入する場合、「○○から○○まで、新幹線の指定席でお願いします。」という会話が最初にあるはずだ。使い慣れていない人を相手にするなら、本来であればチケット券売機でも、このオペレーションを最初に持ってくる方が分かりやすいという意見もあった。
普段の在来線に乗車する場合も、初めに券売機の前で目的地の駅を確認し、その下に書かれた金額を押せば切符が出てくるという流れなので、フローを揃える方がたしかに優しいかも知れない。
特急券と乗車券の違いが分からない可能性も
新幹線は、新幹線券という専用のチケットではなく、「特急券」と「乗車券」の2枚のチケットを合わせて、乗れるようになっている。
「指定席」「自由席」の区分をやめて、「特急券」というボタンにすればいいのではという意見もあったが、これには、チケット券売機で躓く人は、そもそも「特急券」と「乗車券」の違いが分からないのではないかという鋭い指摘もとんだ。
ここで、念のため乗車券と特急券のおさらいをしておくと、乗車券は「出発駅から目的の駅までにかかる運賃」のことで、全ての電車にかかっている。一方、特急券は、「新幹線に乗るためのプラスの追加料金」にあたる。この2つを合わせた金額が、新幹線のチケット代となるのだ。
わかりやすくするには?
皆さんの反応を見ていると「どこへ行きたい、そのために何に乗ればいいか」の優先順位を上げないとダメなのかな、という感想。「乗換案内から購入」の機能がそれに近いものではあるけれども、さらに細かな設定が出来るようになればベターなのかも。
— Memorin@3/27常陸大子4/9-10会津若松 (@memorinclub) March 6, 2022
Twitterの反応をまとめると、このチケット券売機問題を分かりやすくするためには「行き先から選ぶ」ボタンが欲しいという声が多数あがった。
「乗換案内」という表示にあまりピンときていない人も多いので、画面上で質問をしてもらう形式をとった方が分かりやすいとの意見もあった。投稿主のMemorin@3/27常陸大子4/9-10会津若松さんは、「どこへ行きたい、そのために何に乗ればいいか」の優先順位を上げることが、新幹線のタッチパネル式券売機問題の解決へと結びつきそうだとまとめた。
指定席券売機ご利用案内の体験版
ここで、あまり新幹線に乗り慣れない人や、券売機が分かりにくいと感じた人に朗報がある。実はJR東日本では、「指定席券売機ご利用案内」という指定席券売機のきっぷ購入操作を体験できるサービスをウェブ上に展開してくれているのだ。
この記事を読んで、自分も窓口でしかチケットは買えないなと諦めた人も、ぜひ窓口に駆け込む前に一度体験版を試してみて欲しい。
このようなコーナーを設けていること自体が、新幹線のタッチパネル券売機に悩む人の多さを物語っているので、出来れば早急に万人が分かるUIにアップデートされることを筆者は願っている。JRには、どうか頑張って欲しい。
●指定席券売機ご利用案内は→こちら
※サムネイル画像(Image:「Memorin@3/27常陸大子4/9-10会津若松(@memorinclub)さん」提供)
花澤瑠衣
編集/ライター。猫が好き。趣味は読書と酒。数年間のハイボールブームを終えて、現在は空前の芋ロックブームを迎えている。おすすめの焼酎は、だいやめ。
instagram:@lui0710