主にオフィスでのみ使うような、俗にいう「ビジネス用語」や「コンピューター用語」というものは、仕事をしていく中で自然と覚えていることはあっても、初めて耳にする時には一体何のことだかピンと来ない場合もある。
2022年3月28日に投稿された、空飛ぶ卵@hyper_eggさんの
ぼく「ファイル名末尾はyyyymmddつけてね(メールで)」
同僚「おk」
後日
当該ファイル ◯◯◯yyyymmdd.pdfぼく「」
— 空飛ぶ卵 (@hyper_egg) March 28, 2022
・・・というツイートには、6.6万件の「いいね」がつき、多くの人の反響を呼んだ。
今回は空飛ぶ卵さんのツイートの詳しい解説と、リプライ欄に寄せられたさまざまな声をご紹介したい。
yyyymmddとは?
まず始めに「yyyymmdd」が何のことか分からない人のために解説すると、空飛ぶ卵さんのツイートに出てくる「yyyymmdd」とは、年月日の表記法のことである。「y」「m」「d」は、それぞれyear(年)、month(月)、day(日)の頭文字を取ったものだ。例えばこのツイートが投稿された2022年3月28日であれば、「20220328」という表記になる。
つまり、空飛ぶ卵さんは同僚に、「ファイル名の末尾にyyyymmdd形式で日付を入れて欲しい」と伝えたかったのだが、そのまま「◯◯◯yyyymmdd.pdf」という名前のファイルが返ってきたというわけだ。
このツイートを見た人たちからは、「yyyymmdd.pdfが頭の中で日付変換されたので、何がおかしいのか暫く理解できなかった」との声や、「アルファベットをそのまま羅列したのか。おもしろすぎる」、「間違ってないけど、間違ってる」、「素直でいいなあと思いました」など、さまざまな意見があがった。
不可思議な文字列に見えるという声も!
読者の皆さんはこのyyyymmdd形式で、年月日を入力した経験はあるだろうか。筆者は新卒から8年間の間、ゲーム会社でへっぽこクリエイターをしていたので、わりと頻繁に更新される、若干ややこしめのファイルを複数扱っていた経験から、新しいファイルを見つけやすくする為によく記載していた。エンジニア系の人や、プログラマー界隈の人、またMicrosoft officeを日常的に使う仕事についている人には、わりと馴染みのある文字列かも知れない。
普段こちらの形式を使わない人たちからは、「yyyymmdd」が「ややややままだだ」に見えたとの意見や、「山田って読んじゃった」との声もあったので、空飛ぶ卵さんの同僚の方からしてみれば、「不可思議な文字列を入れたがるな~」と、さぞ疑問に思ったことだろう。
空飛ぶ卵さんは、このツイートの一連の流れを思い返し「伝えることの難しさや、思い込みは怖いということを、クスリと笑って、気づきに繋げることが出来れば嬉しい」と語ってくれた。
伝え方に正解はない!?
「どうすれば、相手に上手く伝わるのだろうか」ということは、筆者も原稿を書きながら常々思っていることだが、この問題にベストな答えなどない気がするのだ。そもそも、数学の計算問題とは違い、「言葉」には正解がない。ざっくりとした説明でも、相手にスッと伝わることもあれば、いくら懇切丁寧に説明しても、話が食い違うことはよくある。これはもう、話し手と聞き手の双方の経験値による、土台の差が問題なのだ。
基本的に人間は、過去の出来事や学びから、新しく入ってきた事柄がどのようなものであるかを、ある程度推測しながら消化する傾向にある。いくら自分が伝えたい内容のボールを投げようと思っても、受け取り手側がグローブをはめていなければ、コミュニケーションは成立しない。メールや電話だと顔が見えない分、相手の土台も勝手に自分と同じぐらい出来上がっているであろうと想像してしまうが、それは大きな間違いである。
たとえば、過去に筆者が書いた記事を読んで、「この人なら、きっと○○の話も絶対に分かるはずだ!」と、なんらかの熱いパスを筆者に投げた人がいたとしても、いざ蓋を開けて詳しく聞いてみると、「いや、○○については全く知らないぜ☆」というようなことが起こりえるわけだ。しかし、別々の人間同士である以上、それが当たり前のことなのである。
大切なのは、常に相手の土台を意識すること。少々時間はかかるかも知れないが、お互いの意図が汲み取れるまで、面倒くさがらずに、きちんとやり取りを続けることだ。人間は言葉や文字を使って、多様なコミュニケーションが取れる唯一の生き物なのだから、人間に生まれたメリットを最大限に活用して生きていきたいと思う。