誰もが知っている「あのお菓子」がTwitter上を騒がせた。「これはもう小枝じゃなくて『枝』なんよ」写真とともに一言だけ添えられたアルニース(@Arunies)さんのツイートは、一瞬で1,000近くの「いいね」を獲得した。
このツイートの一体何が凄いのか。それは、実際に見て頂ければ分かってもらえるだろう。こちらである。
「小枝チョコ」の名でもよく知られているお菓子ではあるが、正式な商品名は「小枝」だ。
細くて短い形状のチョコレートにパフとコーティングされたアーモンドが生み出す、本当に枝を食べているかのような食感が人気の、定番のお菓子。
そんなよく知られているお菓子だからこそ「小枝じゃなくて『枝』」という的確すぎるツッコミには、ただひたすら頷くことしかできない。
小枝を作っている森永製菓が暴走してしまったと考える読者がいても無理もないだろう。一体どうして、小枝はこんなにも巨大化してしまったのだろうか?
小枝が50周年を記念して50倍に
この超巨大小枝は、森永製菓の小枝50年を記念して作られた商品である。つまり、小枝は50年も前に誕生したお菓子だったのだ。
1971年に販売開始された小枝は2021年に50周年を迎え、それを記念して同年9月に特大サイズの小枝が発売されたのである。
大きさは通常の小枝の50倍となっていて、長さは28センチ、重さは72グラムとなかなかの大ボリュームだ。この様にその大きさを数字で確認すると、あらめて「小枝」の名前に似つかわしくないことが実感できる。
リプライ欄には、小さい頃持って遊んだ棒切れを連想しているコメントも目立った。たしかに子どもにとっては、遊ぶことも食べることもできる大きなチョコレートというのは夢のような存在であろう。パッケージの方も、のし袋のように水引が描かれ、「令和三年 森永製菓株式会社 謹製」と毛筆のような書が書かれていて、全体的におめでたい印象が感じられる。
全国のスーパーマーケットやドラッグストアで販売が開始されたものの、やはりと言うべきだろうか、あまりの大人気ぶりにほとんど入手困難な状態で、「売り切れていた」と嘆くTwitter民の声が続出している。
しかし、完全に販売終了となった訳ではない。ぜひ諦めずに探してみて頂きたい。
また販売価格は540円と、通常の小枝と比べればかなり値は張るが、森永製菓へご祝儀を渡すような気持ちで出しても良いかもしれない。
ロングセラーの意外な秘訣
1971年、戦後まもない頃から発売されているが、これほどまでのロングセラーとなったのには、やはりなんらかの理由があるのだろう。
森永製菓の公式ホームページを参照すると、小枝ほどの細さでチョコを成形するのには特別な技術を要するようであるが、この技術は他社からすると真似ることが非常に困難であり、そのため類似商品が今日まで登場していないという背景があることが分かった。
たしかに小枝は食感といい、コンセプトといい、他に類を見ない存在である。チョコレート菓子として確固とした地位を確立しているのは、唯一無二の存在であるからだろう。
おわりに
森永製菓の公式ホームページ→こちらには、小枝の50周年を記念して販売開始から現在に至るまでのパッケージの変遷や、過去に販売された期間限定フレーバーなどが紹介されている。
1970年代といえば、歴史の教科書にも載っているが、ここで小枝の歴史も学んでみるとおもしろいかもしれない。
興味がある人は是非チェックして頂きたい。
※サムネイル画像(Image:「アルニース(@Aruniesu)さん」提供)