「ゲームボーイ」は、1989年に任天堂が発売した携帯型ゲーム機だ。モノクロのディスプレイで、長時間のゲームをプレイするなど、今では考えられないかもしれない。しかし、当時はこれが最先端で、「ゲームボーイ」は子どもから大人まで、多くの人を夢中にしたのである。
2022年4月9日に投稿された、toshibo@JIYUKENKYU_jpさんの「田舎道に現れた、野生のゲームボーイ。」というツイートには、森の中にたたずむ巨大なゲームボーイの画像が添えられており、3000件を超える「いいね」とともに、多くのツイッターユーザーたちの反響を呼んだ。
今回は、この巨大ゲームボーイの謎の解明とともに、リプライ欄に寄せられたさまざまなコメントをご紹介したい。
田舎道に現れた、野生のゲームボーイ。 pic.twitter.com/8eRJf8LwOt
— toshibo|変わる廃墟展2022 4/9-4/24 (@JIYUKENKYU_jp) April 9, 2022
ボロボロのゲームボーイ!?
toshiboさんが投稿した画像には、森の中にポツンと置かれている、ボロボロの巨大ゲームボーイが写っていた。巨大ゲームボーイからは、ここに置いてあることが明らかに場違いであるかのような、怪しげな雰囲気が醸し出されており、何かの罠っぽさまで滲み出ている。toshiboさんが思わず「野生の」と表現したくなるのが、よく分かる光景だ。
このツイートをみたユーザーたちからは、「養殖じゃないとこんなに育つんですね」との声や、「天然物は大きいですねー」、「初期のゲームボーイでかかったもんなぁ」などの大喜利大会のようなコメントが相次いだ。
正体はデモ機!
さて、この巨大ゲームボーイが何なのかというと、ゲームボーイ全盛期に、少し大きめのおもちゃ屋さんなどに設置されていた、いわゆる「デモ機」と呼ばれるものである。この手のモノは、展示期間の終了後、任天堂がすべて回収しているものだと思っていたが、なぜか残っていたらしい。しかも、謎の山道に鎮座しているというのである。
店頭に掲示されているポスターなどは、勝手に一般に流通しないよう、展示後の回収・廃棄は、営業関連の部署が徹底管理しているような気がするが、この巨大ゲームボーイに関しては、かなり古い時代のことなので正直よくわからない。
当時はそこまで、デモ機の管理に力を入れていない、おおらかな時代だったのかもしれないし、貸し出した先のゲームショップがなんらかの事情でつぶれるなどして、回収不可になってしまった可能性もある。正直なところ、真相は闇の中というか、森の中だ。
デモ機、第二の人生を歩む
この野生の巨大ゲームボーイだが、よくよく見ると、なぜか正面にポストのマークが描かれており、液晶が抜き取られている。さらに、液晶があったはずの部分には、一般家庭でよく見るタイプのポストが無理やり埋め込まれており、フェルトペンで無造作に書かれた「投入口」との表記まであるのだ。
この巨大ゲームボーイ、第二の人生は、「ポストカバー」として再スタートしている様子である。これはこれで、良かったのではないだろうか。見方によっては、通常のポストが巨大ゲームボーイに食われたようにも見えなくはないが、周囲を取り囲む自然豊かな森林のせいで、妙なネイチャーパニック感が出てしまっているだけかもしれない。
そもそもこのデモ機は室内用だったはずである。どういう経緯かは不明だが、自然豊かな青空の下で、ほどよく朽ちながら、見る人の心を和ませるというのも、他のデモ機が出来なかった経験をしているのだと、ポジティブに捉えることにしたい。
海外からもコメントが
日本で何かのツイートがバズると、基本的には国内からのコメントが相次ぐのだが、今回は海外のツイッターユーザーたちからも、「Is this still working?(これまだ動くんか?)」との声や、「Where is that location? :)(これ、どこにあんねん)」などの、巨大ゲームボーイを不審がるコメントが寄せられていた。
投稿者のtoshiboさんは、「四国の香川県にあった」というコメントを残しているので、場所が気になった読者の皆さんには、香川のどこかにあるということだけお伝えしておきたい。田舎道とは言え、私有地の可能性も高いので、場所を特定して撮影地巡りをするのは控えた方がいいだろう。
30年の時を超えてもなお、現役で活躍している数少ないゲームボーイなので、今さら任天堂が回収に来たら、この巨大ゲームボーイにとってもかわいそうな話である。野生の生き物は、どれもそっと見守るに越したことはない。
※サムネイル画像(Image:「toshibo(@JIYUKENKYU_jp)さん」提供)