読書が大好きな人のことを、人は『本の虫』と呼ぶ。その由来は「本にのめり込む人」を、古い本に住み着き、本のページに穴をあけてしまう虫になぞらえたことから、そう呼ばれるようになったそうだ。
筆者も重度の『本の虫』なので、死ぬ間際まで手放したくない物は、やはりお気に入りの本たちである。
2022年4月8日に投稿された、本と羊@hon_to_hitsujiさんの「さすがに夜中まで開ける体力はない。出来たら24時間体制で売りたいのです。ってダメですかね^^;・・・」というツイートには、24時間購入可能な本の自動販売機の画像が添えられており、7500件を超える「いいね」とともに、多くのツイッターユーザーたちの反響を呼んだ。
今回は、『BOOK SHOP本と羊』のご紹介とともに、リプライ欄に寄せられた本の自動販売機に対するさまざまな意見をお伝えしたい。
『BOOK SHOP本と羊』とは?
投稿主の『BOOK SHOP本と羊』は、福岡市中央区にお店を構える本屋さんだ。新刊・古本の両方を取り扱っている、2020年8月にオープンした新しいお店である。
グラフィックデザイナーのご夫婦が二人三脚で、「誰かの背中を少しだけ押せる」ような本をセレクトして置いているそうだ。店内では、デザインやアート、音楽に関する本、また70年〜90年代のサブカルチャー系マガジンや、オリジナルグッズなども販売している。
本と羊さんの営業時間は、13時から19時までとのこと。夜中までお店を開ける体力はないが、本が好きな人へ24時間体制で本を売りたいとの思いで、今回の「本の自動販売機」のツイートに至ったそうだ。
本と羊さんは、アイスクリームの自動販売機を例に出し、「このタイプならいけそうな気がする。今なら「本屋大賞ノミネート作品」とかで。」と追加でツイート。
この投稿を見たツイッターユーザーたちからは、「これあるといいな〜」との声や、「こんな自販機があったら週2ぐらいで見に(買いに)行きたい」などの、ポジティブなコメントが相次いだ。
本の自動販売機についてのアイデア
本の自動販売機を設置すると仮定して、ツイッター上ではさまざまなアイデアが飛び交った。
「何が出てくるかわからない、書店員のおすすめ小説とかあったら押したい」との意見や、「出版社とか出版社団体が毎月の新刊を自販機で売るっていうのはありかもしれない」などの声が、各方面から続々と寄せられたのである。新刊・旧刊・古本を問わず購入できるとなれば、本の自動販売機には想像以上の需要がありそうだ。
絶版になった本は、大手の古本屋では買い取りを行っていない場合もあり、「値段が付かないのなら、もういいか」と、不要になった人がそのままゴミとして捨ててしまうケースが多い。本好きとして、「これはもったいないな」と、ひそかに思っていたので、こういった古本をお店側が選んで、ランダムで自動販売機に入れて売ってもらえると、とても面白そうだなと感じた。
筆者は基本的にジャンルを問わず読むタイプなので、読み切りものであれば、どんな本でも楽しめる自信がある。ましてや、これだけ本を愛しているお店の方がチョイスした作品であればなおさらだ。
本の自動販売機の目撃情報
ツイッター上で、本の自動販売機についていろいろな意見が集まりはじめると、「どこかの駅で、ロッカーみたいになっている方式の自販機があった記憶がある」との情報や、「むかし原宿と品川の駅に、ビジネス書がメインの自動販売機があった」という声があがった。
筆者はまだ見かけたことがないが、本の自動販売機というものは、場所によってはすでに設置されているようである。本の町として有名な神田神保町あたりに行けば、もしかすると見つかるかもしれない。
このほか、「数年前、恵比寿駅のホームに文庫本の自動販売機があった」との声や、「空港で本の自動販売機を見た」というような目撃情報も寄せられた。やはり一定の需要があるものは、すでに世の中に存在するのだな、と感心せずにはいられない。
中には「成人向けのビニ本を売っていた自動販売機を流用できないのか」という攻めた意見もあり、「そういえば、そんなのあったなぁ」と、今の今まですっかり忘れていた、緑色の昭和レトロな成人向け自動販売機の存在を思い出し、遠い目をする筆者だった。
また、本の自動販売機を設置するなら、隣にカフェも併設してほしいとの要望もあがり、これには本と羊さんも大変乗り気で「本の自販機がスタンドカフェの隣にあったら、これがほんとのブックカフェ」とコメントしている。
本の自動販売機実現へと向けて
多くの期待の声があがった本の自動販売機だが、投稿者の本と羊さんは「本の自販機案について、多くのお返事や意見、情報をいただき本当にありがとうございました。もちろんすぐ実現出来るわけでもないし、課題も多いですが本のある場所を増やすための可能性を感じました。前向きに考えて一台作れるようにしてみたいです。」と締めくくった。
詳細はまだ未定だが、クラウドファンディングなどで実現していきたいとの意気込みも語っているので、気になる人はぜひ続報をチェックしてみてほしい。
本と羊オンラインショップは→こちら
※サムネイル画像(Image:「本と羊(@hon_to_hitsuji)さん」提供)