片付けをしていると、身に覚えのない謎の部品や、用途不明のネジやパーツ、どの服についてきたのか分からないボタンの予備などが、いたるところから出てくる。何かの理由で取っておいたのは明確だが、それが一体どこで使うものなのかをパッと思い出せず、捨てようにも捨てられないといった、困った経験がある人は意外と多いはずだ。
2022年4月26日に投稿された、麟閣@rinkaku89さんの「これが何かわかる人はだいたいトモダチ」というツイートには、謎の赤いパーツの画像が添えられている。しかも、この赤いパーツに、どうやら身に覚えがあるらしいユーザーたちから、なんと短時間で1300件を超える「いいね」がついているのだ。
今日は、謎の赤いパーツの正体と、リプライ欄に寄せられたさまざまなコメントをご紹介したい。
謎の赤いパーツの正体は?
開始早々の答え合わせとなってしまい恐縮だが、謎の赤いパーツの正体は、ファミコンの拡張コネクタの端子カバーである。
ファミコンとは、任天堂が1983年に発売した家庭用ゲーム機のことだ。皆さんご存じの通り、正式名称は『ファミリーコンピュータ』だが、略して『ファミコン』と呼ばれ、昭和を代表するゲーム機としても有名である。このパーツの色を見た瞬間に、ゲーム好きであれば、すぐにピンと来たのではないだろうか。
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「あー、ファミコンの拡張端子のカバーか……。なつかし」との声や、「ファミコンの正面についてるヤツ」など、パーツを一目見ただけで、何に使うものなのかをピタリと言い当てるコメントが相次いだ。当時、現役でファミコンをプレイしていた世代からすると、意外と覚えているものなのかも知れない。
恐ろしすぎる当時の裏技
また、リプライ欄には、「これ外して中をハサミなんかでカチャカチャすると魔球がね」との声や、「「ミラクル電磁誘導」を発端に対策された拡張端子のキャップですな」などの『ベースボール』ガチ勢によるコメントも、多数見受けられた。
この魔球の件に関しては、せっかくなので少し詳しく解説しようと思うが、カセットや本体が物理的に破損する可能性のある裏技なので、読者の皆さんは絶対にマネはしないで欲しい。
簡単に言うと、ファミコンソフトの野球ゲームである『ベースボール』をプレイする際、球を投げるタイミングで、端子部分にハサミや鍵、スプーンなどの金属類を突っ込むと、物理的にショートし、ぐにゃぐにゃに曲がる魔球が投げられるというものだ。
なぜこのような危険な裏技が流行ったのかは不明だが、当時は「ミラクル電磁誘導」という名前で、コロコロコミックに掲載されていたらしい。火薬を使った巻玉鉄砲や、ジャンプ弾などの危険極まりないオモチャが流行っていた昭和の時代のことだ。
令和の今となっては信じがたい話だが、小学生のチビっ子たちが、我先にとこの裏技を試していたそうである。感電死などの事故に繋がらなくて、本当に良かった。
ファミコンはロットによって仕様が違う!?
また、この拡張コネクタの端子カバーについて、ツイッター上では「86年の正月に買ったやつにはついてなかったな」という声や、「四角ボタン時代は注意書きのステッカーも無かったと思う」などのコメントも寄せられている。
上記で紹介したような無茶な遊び方をする人がいるため、後に製造されたロットのファミコンには、端子カバーを付ける仕様に順次変更を加えているのだろう。任天堂、グッジョブである。四角ボタン時代というのは、ファミコンの初期の初期に製造されたロットにおいて、ABボタンにゴム製の四角い形のボタンが採用されていた仕様の時代のことだ。四角ボタン仕様のファミコンは、今となっては結構レアである。
実はファミコンはロットによって、基盤や説明書、コードの色、素材などが微妙に違うので、皆さんの自宅に眠っているファミコンもレアなものが存在するかもしれない。こういったロットによる希少性の高いファミコンは、オークションなどでは高値で取引されることもあるので、ぜひ今一度チェックしてみてはいかがだろうか。
※サムネイル画像(Image:「麟閣(@rinkaku89)さん」提供)