日本語は、歴史の流れの中で日々変化している。もちろん、昔からずっと変わらない言葉もあるが、わずか十年ほどの間で呼び方がガラリと変わったものが複数存在するのだ。ひと世代前に用いられていた言葉は「死語」と呼ばれ、何気に使うといきなり年齢がバレてしまうなんてことも起こる。
2022年4月29日に投稿された、けんたろ | ことば図解@kenlife202010さんの「いつの間にか呼び方が変わっていたものをまとめてみました。」というツイートには、今と昔で呼び方が変わった言葉の一覧表が添えられている。このツイートには、5.3万件を超える「いいね」がつき、多くのツイッターユーザーたちからの反響を呼んだ。
今日は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまなコメントをご紹介したい。
いつの間にか呼び方が変わっていたものをまとめてみました。 pic.twitter.com/2Nm9mdNgNk
— けんたろ | ことば図解 (@kenlife202010) April 28, 2022
「スパゲッティ」はもう古い……
けんたろ | ことば図解さんのツイートには、「いつの間にか呼び方がかわったもの」と題して、さまざまな単語の今と昔の呼び方を比較している。たとえば、昔は「ハンサム」と言っていた単語が、今では「イケメン」になったことを始め、「プータロー」は「ニート」と呼ぶようになり、「デキ婚」は「授かり婚」などの柔らかな表現に代わっているのだ。こうして一覧で見ると、言葉は時代とともに変化していることに気付かされる。
このツイートを読んだツイッターユーザーたちからは、「何となくオブラートに包んだ表現になった気がしますね」との声や、「ポジティブな表現になったものもあれば、内容に反して軽い感じになったものもありますね」などの、さまざまなコメントが寄せられた。
ちなみに筆者は、今でも普通に「スパゲッティを食べよう」などと言ってしまうが、どうやらもう「スパゲッティ」という呼び方は古いらしく、今は「パスタ」と呼ぶそうである。リプライ欄には「スパゲッティって言われたらたしかに笑いそうw」というコメントもあり、知らず知らずのうちに自分が死語を使っていたという現実を、思わぬタイミングで突き付けられてしまった筆者だった。
「タンバリン」が「タンブリン」に!?
中でも一番驚いたのが、筆者の小学生時代は「タンバリン」と呼んでいた楽器が、今は「タンブリン」と呼ばれていることである。「ジャスコ」が「イオン」になったり、「ソニプラ」が「プラザ」になったのは、経営統合の結果なので仕方ないが、楽器の名称が変わるのは、どう考えても不思議で仕方ない。
けんたろ | ことば図解さんは、「タンブリン」の補足として、小学校で使われる教科書に「タンブリン」と記載されていることを追記している。筆者も調べてみたところ、たしかに「タンブリン」で間違いなさそうだが、英語表記が「Tambourine」なので、これは単純に「カタカナにした時にどう表現するか」といったことなのかもしれない。
小学校で取り扱う楽器の名称は、文部科学省から発行されている「教育用音楽用語」において、統一されているそうである。そのため、どこかのタイミングで文部省が「タンバリンはダサいから、これからはタンブリンで行きましょう!」と言えば、その時点で「タンバリン」ではなく「タンブリン」になるのだ。
ちなみに、「Tambourine」を本場のイギリス人に発音してもらったところ、「タァンバァリィーン」と聞こえたので、やはり「タンブリン」は腑に落ちない筆者である。
ほかにもさまざまなモノの名称が変わっている!
ツイッター上では、けんたろ | ことば図解さんが紹介した言葉のほかに、「デザート→スイーツ」や、「ビラ配り→ポスティング」、「とっくり→タートルネック」などの、いつの間にか変わった言葉たちが、ここでは紹介しきれないほど多数寄せられた。恥ずかしながら、筆者はまだ古い方の言葉で呼んでいるものが多く、ジェネーレションギャップというものを肌で感じた次第である。
タイムリーなことに、「最近、薬局に行っても「リンス」ってあまり見かけないな」とつい先日ふと思っていたのだが、けんたろ | ことば図解さんの表によると、「コンディショナー」と「リンス」は同じもののようである。人によっては「何を今さら」と笑うかもしれないが、今の今まで全く別のものだと思っていたのだ。
皆さんの身近にも、「そういえば最近は売っていないな?」と思うものがあれば、もしかすると全く違う名称で店頭に並んでいるかもしれない。「懐かしのアレは、コレに変わったのか!」と、いきなり点と点が繋がるアハ体験が出来るかもしれないので、時間のある時に調べてみてはいかがだろうか。
※サムネイル画像(Image:「けんたろ | ことば図解(@kenlife202010)さん」提供)