さまざまなジャンルのSNSが普及し、コミュニケーションを取る上では便利な世の中になったわけだが、使用するSNSによっては、やり取りのハードルがかなり違ってくる。手軽に自分の思いを世界中に発信できるようになった分、個人同士でのメッセージのやり取りには、今まで以上に注意を払っているという人も多いかもしれない。
2022年4月28日に投稿された、りかたこ@tan142857さんの「使用する精神力にはこのくらいの差があるめん」というツイートには、LINEとTwitterを使用する際の精神力の差を比較する画像が添付されている。この投稿には、瞬く間に2.5万件を超える「いいね」がつき、多くのツイッターユーザーたちからの共感を呼んだ。
今日は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまなコメントをご紹介したい。
LINEにはかなりの精神力が必要!?
Twitterのハードルはたしかに低い。投稿者のりかたこさんも、Twitterをひらき、ツイートするところまでは、やはり坂道を転げ落ちるかのようなスピード感があるという認識のようだ。思ったことや、感じたことをストレートに発信できるTwitterは、文字数制限こそあるものの、内容はどれも個人的な「つぶやき」なので、いうなればひとり言のようなものである。特定の誰かに向けた言葉ではないので、モラルに反してさえいなければ、基本的には変な気をつかう必要がない。
一方、LINEに関しては、まずLINEのトーク画面をひらくだけで、すでに一段目のハードルがあり、さらに既読をつけるとなると二段目のハードルがあり、文面を考えるところに到達しても、三段目のハードルがあるとしている。最後の返信に至るまでには、高い壁がそびえ立っており、りかたこさんの投稿した画像では、LINEにおける精神力がいかに必要であるかが、とてもわかりやすく表現されていた。
この投稿を見たツイッターユーザーたちは、「雑な返事できない相手ほどこんな感じになる」との声や、「最近どうでもいいLINEの返事ためるようになってきちゃった」などのさまざまなコメントが寄せられた。
気をつかい過ぎて、面倒に……
たしかに上司や先輩、好きな人にLINEをする時は、家族や友達には恥ずかし気もなく気味の悪いスタンプを頻繁に送り付ける筆者ですら、かなり気をつかって対応している。「既読」という機能があるせいで、すぐに返信ができない時は、投稿者のりかたこさんと同じく、LINEを開くことすらためらってしまう。
変な時間に送らないように気をつけるのは当たり前として、自分が落ち着いて返信できるタイミングを見計らうなどしていると、いつの間にか日付が変わってしまい、悪気はないのに、未読スルーのような最悪の状況を生み出していることすらある。
リプライ欄には、「LINEを使いはじめた頃はみんなメールより楽で便利! とか言っていたのになぁ」というコメントも見受けられた。LINEが普及したての頃は、筆者も同じことを思っていたが、いつの頃からかメールの比ではないぐらい、気をつかって返信を送るようになってしまったのである。
こうなってくると、もう「面倒臭い」の一言に尽きるのだ。あまりに返信が遅いせいで、恐らく筆者は好きな人から、自由な時間にフラッと連絡してくる気ままなやつと思われているに違いない。
デジタルデトックスで精神力の回復を!
また、ツイッター上では、「同じTwitterでもDMになるとLINE型精神力消費になる」といった意見や、「ついったもコメントつけたりはかなり気をつかう」などの一対一のやり取りになることで、精神力を消耗するというコメントが数多くあがった。
たしかに、Twitterは顔の見えない相手だからこそ、何か失礼がないかと心配になったり、思わぬ地雷を踏まないかと過敏になる気持ちはよくわかる。自分好みのツイートを投稿している人に、わざわざDMを送ったり、あえてコメントしたくなるということは、深層心理では自分がなんらかの好意を持っている相手に違いないのだから、気をつかわないはずがない。
SNSの普及によって人と人がつながることは、とても簡単な世の中になったが、その距離の近さゆえに、気をつかい過ぎて疲れてしまわないよう注意が必要だ。せっかく便利な世の中になったというのに、以前よりも人付き合いが楽しくなくなってしまっては元も子もない。
たとえば、1日の中でまったくくスマホに触れない時間を作り、デジタルデトックスを行うなどして、自分自身の精神力のバランスを上手にとるのも大切である。現代人に必要なのは、過度な便利さや、誰とでもつながれる環境ではなく、ほどよい距離感と、心の底から信頼できる相手なのではないだろうか。
※サムネイル画像(Image:「りかたこ(@tan142857)さん」提供)