皆さんは「ファンアート」というものをご存じだろうか。ファンアートとは、他社が創作したキャラクターやストーリーなどをもとにした、その作品のファンによる二次創作のことである。一般的には、作品とは商業的に無関係なファンの創作物全般が、ファンアートと呼ばれることが多い。
ファンアートは通常、漫画やゲーム、小説を題材にしたものが多いのだが、ツイッター上では一風変わった対象物のファンアートが話題となっている。
2022年5月2日に投稿された、木林ききき@hageourzeeさんの「イオンのファンアートです」というツイートには、青空にそびえるイオンモールの看板を描いたイラストが添えられている。この投稿には、瞬く間に23.7万件を超える「いいね」がつき、多くのツイッターユーザーたちからの反響を呼んだ。
今日は、こちらのツイートの詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまなコメントをご紹介したい。
イオンのファンアートです❤️ pic.twitter.com/a50Khh8RrA
— 木林ききき (@hageourzee) May 1, 2022
SATY、JUSCOとは?
木林きききさんが描いたイオンのファンアートには、「AEON」の看板の下に、うっすらと「SATY」や「JUSCO」と書かれたロゴが透けている。この時点で、両スーパーを利用したことのある人は、懐かしさで悶絶しそうなのではないだろうか。
現在はもうなくなってしまったが、SATYはかつて株式会社マイカルが運営していた総合スーパーであり、筆者の地元でも2011年頃までは営業していた。JASCOは、もとからイオングループが展開していたスーパーだったが、先ほどのSATYと経営統合され、AEONへと屋号が変更されたそうである。統合後もしばらくの間は、JUSCOと名の付く看板が街中にあったが、2013年にはすべての店舗がAEONに統一されている。
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「北海道の地元はサティ→ポスフール→イオンでしたw」との声や、「地元にあった看板そっくり」、「懐かしいな…絵になるとまた感慨深いものがあるね」など、さまざまなコメントが寄せられている。
前の名称で呼んでしまうあるある
関西の実家に帰省すると、未だにイオンモールのことをうっかり「JUSCO」と呼んでしまう筆者としては、このリアルなファンアートを見ると、何とも言えないノスタルジックな気持ちになってしまった。
ちょうど経営統合がされた時期に、関西の実家を出て都会暮らしをはじめた筆者にとっては、子どもの頃によく母親と手をつないでSATYやJASCOへ買い物に行った、思い出深いスーパーである。元SATYや元JASCOの中には、時代の流れで完全に閉業した店舗もあるが、ほとんどがイオンモールに名称変更しただけで、そのまま同じ場所で営業してくれているので有難い。
ツイッター上では、「近い範囲内にサティとカルフールがあって、どちらも今はイオンと化しましたが、紛らわしいのでいまだに「サティ」「元カル」と呼んでいます」との声や、「〇〇イオンの…って言っても通じなくて、あの元カルフールの…って言いなおさなきゃいけないケースが多いので、結局ほとんど元の名前で呼んでいます」といったコメントも複数、寄せられている。
旧名で呼んでいるのが自分だけではないことに、密かにホッとした筆者であった
ショッピングモールのこれから
時代とともに、ショッピングモールの在り方もどんどん変わってきている。イオングループでは、地域の特性を生かした、独自のコンセプトを掲げたショッピングモールを多数、展開しているそうだ。
たとえば、京都らしい景観で、古き良き京町家の賑わいを意識した「イオンモール京都桂川」や、28.3万㎡の広大な敷地に、レジャー性の高い大型店舗を複数配置している「イオンモール木更津」、さまざまな世代がふれあうコミュニティの拠点として、緑を多く取り入れた「イオンモール多摩平の森」など、地域の特性をいかしたショッピングモールが続々と登場している。
懐かしのSATYやJASCOも、ショッピングモールの歴史においては、なくてはならない今と昔をつなぐ存在である。大人から子どもまで、一日中楽しむことができる大型ショッピングモールは、これからもさまざまな進化を遂げていくのではないだろうか。
※サムネイル画像(Image:「木林ききき(@hageourzee)さん」提供)