「置き配」とは、あらかじめ自分が指定した玄関前や車庫、宅配ボックスなどに、非対面で荷物などを届けてもらえるサービスのことだ。令和に入ってから実施された国土交通省の調査によると、宅配の再配達率はなんと約11.4%だったそうである。宅配を行う会社の負担を軽減するためにも、日本国内では「置き配」や「宅配BOX」の利用が推奨されている。
2022年5月4日に投稿された、青木ぼんろ@aobonroさんの「「置き配」がなかった頃のこと」というツイートには、当時を再現した漫画が添えられている。この投稿は、瞬く間に10.3万件を超える「いいね」がつき、多くのツイッターユーザーたちからの共感を呼んだ。
今日は、こちらのツイートに関する詳細と、さまざまなコメントをご紹介したい。
「置き配」がなかった頃のこと pic.twitter.com/0nKgcFZY6A
— 青木ぼんろ (@aobonro) May 4, 2022
あの頃の苦労に共感の声が続々!
投稿者の青木ぼんろさんが描いた、「置き配」がなかった頃の漫画は、下記のような内容だ。
ネクタイを締めたサラリーマンらしき風貌の男性が、全力ダッシュで家へと向かっているところから、この漫画は始まる。どうやら彼は、何らかの荷物を19:00~20:00の間に家に届くよう指定しているらしい。ギリギリ受け取れそうな時間帯のようで、「さあ、飛ばすぜッ!!」と気合を入れたものの、19:03という絶妙な時間に不在連絡票を入れられてしまい、愕然とする様子がオチとして描かれている。
19:03も指定時間内には違いないので、もちろん宅配会社を責めることはできない。むしろ、指定された時間に来たのに、不在であることから、「チッ!」と思ったのは宅配会社の方であろう。ただ、届けてもらう側からすると、急いで帰ってはみたものの、努力がすっかり水の泡になるという状況に、なんとも言えない悲しさのようなものが漂っている。
この漫画を読んだツイッターユーザーたちからは、「わかる…!私も01分で不在票入っていて「そんな…!!」と思ったことがあります」との声や、「一人暮らしあるあるな気がする。何回タイムアタックしたことか」などの共感のコメントが相次いだ。
筆者もひとり暮らしをしていた頃、まったく同じ状況に陥ってしまい、宅配の人に申し訳ないやら、報われなかった早帰りの努力が無念やらで、自宅マンションのポスト前で膝から崩れ落ちた経験があった。
置き配のメリットとデメリット
「置き配」というシステムが一般化してからは、不在時でも確実に荷物を受け取れるようになったほか、非対面の受け取りもできるので、コロナ禍において人との接触を極力避けたいという希望も同時に叶えられるようになった。
よく指定される場所は玄関前だが、置き配は場所を選ぶこともできるので、一軒家にお住いの場合は、雨天時でも雨に濡れない車庫や、床に直置きせずに済む自転車のカゴなどに、荷物を入れておいてほしいとも頼めるそうである。便利な世の中になったものだなぁとつくづく思う。
ツイッターユーザーからも、「コンビニ受け取りはありましたが、家から遠かったりすると意外と使いづらかったので、置き配や宅配ボックスが増えたのは超便利になったと実感しますね」など、置き配に対して肯定的なコメントが多数、寄せられている。
では、「置き配」はよいことばかりなのかというと、実はデメリットも存在するのだ。「置き配」において最大のデメリットは、やはり盗難される可能性があるということである。できれば、第三者からは直接見えないような場所に、置き配をしてもらうのが望ましいが、なかなか難しい。マンションの場合は特に隠せる場所が少なく、宅配ボックスがない場合は「苦肉の策としてガスのメーターボックスに入れてもらっている」という声もある。
宅配する側の意見も参考に
また、ツイッター上では、宅配を行う側の意見として、「荷物が少ない日に19:00~21:00とか20:00-21:00で再配いれられると、それ一件のために一時間ぐらい待たされたりするから、時間きたらそりゃすぐ行くよ」といった声もあった。受け取る側の事情もあれば、やはり届ける側にも事情があることを、きちんと知っておかなければいけない。
「置き配」が広く活用され始めたことによって、双方の負担が少なくなったのは事実だが、どうしても「置き配」ができない品物や、居住環境の関係で再配達を選択せざるを得ない人は、届ける側のことも考えて、指定した時間の10分前ぐらいからは、自宅で待機しておくのがよいかもしれない。
宅配は、見知らぬ人同士が、直接会って玄関前で会話をするという、考えてみれば意外と貴重な機会なので、もし対面での受け取りを行う場合は、なるべくお互いが気持ちの良いやり取りを行えるよう、届けてもらう側も「荷物」の代わりに相手への「気」を配りたいものである。
※サムネイル画像(Image:「青木ぼんろ(@aobonro)さん」提供)