「電子マネー」とは、電子データのやりとりで決済を行うサービスのことである。現金を持ち歩かずに済むことが、スムーズな決済につながるだけでなく、衛生的であるとも評価されており、コロナ禍においても需要が拡大しているそうだ。さまざまな種類の電子マネーが登場した昨今、中には「思いがけず名称の発音が似てしまった」という電子マネーも存在する。
2022年5月7日に投稿された、かびかび@Not_kabipuさんの「EdyとiDの対処法」というツイートには、1枚の写真が添えられている。この投稿には、2500件近い「いいね」がつき、多くのツイッターユーザーからの反響を呼んだ。
今回は、こちらのツイートの詳細と、コメント欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
聞き間違いの多い楽天EdyとiD
ネット上では、電子マネーの「楽天Edy」と「iD」について、いざ、レジ前でどちらを使うか伝える時に、聞き間違いが多いことが、たびたび話題に上がっていた。カタカナに直すと、語尾の「ディ」という発音が同じなので、自分で呟いてみても、たしかに違いがわかりにくい。
最近は感染対策のために、マスクを着用したり、レジ前がビニールで仕切られているお店も多いので、聞き取りにくさも倍増だ。
多くの人がこの「楽天EdyとiDがわかりにくい問題」にぶつかる中、埼玉・群馬を中心に関東で展開しているスーパーマーケット「ベルク」では、かびかびさんが投稿した画像の形式で、楽天EdyとiDをわかりやすく区別している。
具体的には、楽天Edyを使いたい人は「1番」、iDを使いたい人は「2番」と答えてくれ、というポップをレジ前に掲示したのだ。何度も聞き返したり、聞き間違いがあったりした末、最終的にこの方法に落ち着いたのだろう。これもひとつの企業努力である。
技術革新の成果である電子マネーに関することを、まさかの紙の掲示物で古典的に注意喚起するというのは、なんだか、少しおもしろい話だ。しかし、これならば声に出さずとも、指で1や2の形を作ればいいし、客側も店員側もスムーズにレジを通すことができるので、双方のストレスは確実に減ったのではないだろうか。
支払方法が溢れ過ぎている
かびかびさんの投稿した画像を見たツイッターユーザーたちからは、「これは有能」との声や、「これ、うちの近所のスーパーも書いてあります!」「天才おる」などの絶賛の声が相次いでいる。
そもそもの問題は、電子マネーの種類が多く、支払方法が世の中に溢れ過ぎていることだ。現金やクレジットのほか、先ほどの楽天Edy、iD、QUICPay、LINEPay、交通系IC、WAON、PayPayなど、パッと思いつくものを適当に並べただけでも結構な数があり、上記以外にも、まだまだ沢山の支払い方法が存在する。もしも自分が店員側であれば、「さっさとキャッシュレス自体を一種類に統一してくれ」と、思わずにはいられない。
セブン‐イレブンでは、客側に設置されたモニター画面に、お店で使える決済方法が一覧で掲載されており、それを客が各自タッチして選ぶスタイルを取っている。すべての店がこの方法を導入してくれるのが理想だが、まだまだ時間はかかりそうだ。
電子マネーのメリット
店員サイドは、日々複雑化する電子マネーでの決済対応に追われているが、使う側としてはメリットもたくさんある。
たとえば、冒頭にも述べたように、決済が簡単であることがスムーズな買い物につながり、お釣りや現金の確認などの手間が省けること。また電子マネーの種類によってはポイントサービスが充実しているので、普通に買い物をするよりも、ポイントを貯められるというメリットがある。このほか、履歴がデータとして残る電子マネーは、いつでも支払い履歴を確認することも可能だ。
もちろん、事前チャージの面倒臭さなど、いざはじめるとなると、少しハードルはあるが、一度使い始めると、このスムーズさは何にも代えがたい。チラッと近所のコンビニへ行くぐらいなら、重い財布は家に置いておいて、スマホさえ持って出ればいいというのも嬉しいポイントだ。
近年、急速に普及した電子マネーは、まだまだ進化の過程であると言える。技術的にも、これからどんどん新しいものが登場すると思うので、今後に期待したい。その時はぜひ、現時点で稼働しているものと、似たようなネーミングを付けるのだけは、避けてもらいたいところである。
※サムネイル画像(Image:「かびかび(@Not_kabipu)さん」提供)