今や働くサラリーマンの必須スキルと言っても過言ではない「Microsoft Office」。Officeシリーズの全ソフトを使いこなせる人は少ないかもしれないが、ワープロソフトの「Word」、表計算に特化した「Excel」、プレゼンテーションでおなじみの「PowerPoint」あたりであれば、誰しも触ったことがあるのではないだろうか。
ビジネス分野で利用頻度の高いこれらのソフトは、データの作成中にアプリが急に終了したり、思わぬトラブルでパソコンの電源が落ちてしまったりすると大変なので、作業中にはこまめな保存を行うことが望ましい。
2022年5月10日に投稿された、
筒井.xls@Excel関数擬人化マンガを描く経理@Tsutsui0524さんの
先輩「Excelを一旦保存しましょう」
後輩「はい」
先輩「なんで閉じるの!?」
後輩「ここ以外で保存できるんですか?」
……というツイートには、2万件を超える「いいね」がつき、多くのツイッターユーザーたちからの反響を呼んだ。
今回は、こちらのツイートの詳細と、コメント欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
先輩「Excelを一旦保存しましょう」
後輩「はい」先輩「なんで閉じるの!?」
後輩「ここ以外で保存できるんですか?」 pic.twitter.com/tiyWPjQjiF— 筒井.xls@Excel関数擬人化マンガを描く経理 (@Tsutsui0524) May 10, 2022
閉じる時にのみ保存は危険!
このツイートを少し詳しく解説すると、Microsoft OfficeのExcelソフトは終了時に必ず「(ファイル名)の変更内容を保存しますか?」というポップアップが出るようになっている。もちろん、そこで「はい」と答えれば保存はできるのだが、そもそもExcel画面の左端にあるフロッピーディスクマークをクリックすれば、いつでも上書き保存が可能なのだ。長時間にわたる作業でもしも何かあった時には、取り返しのつかないことになるので、閉じる時にのみ保存というのは可能な限り避けたいものである。
先輩の「一旦保存しましょう」という声に対して、画面を閉じることで保存をするという選択をしているということは、後輩は保存マークの存在を知らなかったわけである。先輩の「なんで閉じるの!?」という驚きに対しても、「ここ以外で保存できるんですか?」と逆に聞き返しているので、冗談やギャグではなく、本当に他の保存方法がわからなかったのだろう。
このツイートを読んだツイッターユーザーたちからは、「笑い話ですが、実際、こんなレベルの人がいるんすよねぇ…」との声や、「これ、わからないといつか作業中にExcelがクラッシュしてデータが消えるという地獄をみる事に…」など、後輩の挙動に不安を覚えたらしいコメントが相次いでいる。
また、中には「10秒おきにCtrl+Sを連打するやで」と、そもそも普通の保存方法さえ知らなかった後輩にとっては、難易度高めではないかと思われる、保存のショートカットキーを教えたがるユーザーまで現れていた。
フロッピーディスクって知っている?
Microsoft Officeで上書き保存を行う際にクリックするマークは、先ほども少しお話したが「フロッピーディスク」というものを模している。読者の皆さんは、「フロッピーディスク」自体はご存じだろうか。ちなみに1990年代生まれの筆者は、ギリギリ存在を知っているが、実際に使ったことは一度もない。2000年代生まれの方は、もはやその存在すら知らないかもしれない。
念のため解説しておくと、フロッピーディスクとは磁気ディスクの一種で、簡単に言えば外部記録端末だ。生産数は2000年頃にピークに達したが、その後はコンピューターの情報を記録できるDVDやUSB、ハードディスクドライブなどが普及したため、企業が生産から撤退したそうである。
「保存=フロッピーディスク」という時代は昔のこととなり、今はさまざまなツールにおいて、保存マークが別のものにアップデートされていっているそうである。Microsoft Officeは、かろうじてまだフロッピーディスクマークが保存マークとして採用されているが、どこかのタイミングで切り替わる日が来るかもしれない。
ちなみに、このMicrosoft Officeの保存マークは、フロッピーディスクを知らない世代からすると「なぜ保存は自販機のマークなのか」と話題になっていたことさえある。
データの保存はこまめに!
Excelでデータを保存する際は、フロッピーディスクマークをクリックする他にも、ファイルから「上書き保存」「名前を付けて保存」などの方法もあるので、覚えておいて損はないだろう。先ほど出たショートカットキー「Ctrl+S」の他に、F12のキーを押すことで「名前を付けて保存」も可能なので、自分が一番やりやすい方法で、こまめな保存を行うのがオススメだ。
人力で保存せずとも、最近では勝手に自動保存を行ってくれるソフトも増えてきているので、データ制作ソフトにおける保存マーク自体が消滅する日は近いかもしれない。その日が来るまでは、ショートカットキーなどを駆使して、筆者も息を吸うように保存を行うよう心がけていこうと思っている。
※サムネイル画像(Image:「筒井.xls@Excel関数擬人化マンガを描く経理(@Tsutsui0524)さん」提供)