雨の日は憂鬱だ。
ましてや電車に乗らないと行けない予定があると、憂鬱度MAXである。ぶつかる傘、じめじめとした車内、乗客全員のイライラとした空気。考えただけで仮病を発症しそうなほど憂鬱になるのは、筆者だけではないはずだ。
だが、雨の日に気分が落ち込んでやさぐれた気持ちになっているのは筆者だけなのかもしれない。世の中の人は、雨の日でも丁寧な毎日を送っているのではと気づかせてくれる写真が、もきちさん(@TZH331029_Evae9)のツイートで紹介されているではないか。
それがこちら!
いかに日本人が律儀なのかがよくわかる写真
ヒント:外は雨 pic.twitter.com/GlrYhGgFEK
— もきち (@TZH331029_Evae) May 9, 2022
おわりだろうか?リプライ欄でも「どういうこと?」「???」などのコメントが確認されたが、あなたはこの写真で、日本人の律義さを理解できただろうか。
一枚の写真から伝わる日本人の律義さとは
もきちさん(@TZH331029_Evae9)のコメント返信からも確認できるように、この写真が撮影されたのは、東京メトロ千代田線の湯島駅とのこと。地下鉄の階段を地下から見上げて撮影した状態とのことだ。
ここまで状況がわかると、あの写真の意味がわかるだろうか。リプライ欄にも「外からくる人はみんな律義に「下る」を歩く=「上る」の場所はまったく濡れていないのか」「くだり側が濡れているということは、外から来た人はしっかりと下りの方を歩いてきているのか」などと、この写真の意味に気づいた人からの正解が多く書きこまれている。
また「これぞ日本人の民度を表している」「外国の人から見たら「日本人すごい」となる案件」「めちゃくちゃ治安がいい」「日本人の国民性が出ている」などと、感動の声が相次いでいる。
日本人の礼儀正しさに感動しつつも、残る違和感
どれほど憂鬱な通勤でも、楽しいデートの途中でも、日本人は標識に従って1列で上り下りしていることに感動しつつも、この写真には若干違和感が残る。リプライ欄でも指摘が相次いでいるが「違和感あると思ったら、右側通行」「元々日本は左側通行なのでは」という点である。長きにわたって論争が続いている、どっち側通行問題(筆者命名)である。
筆者が調べたところ、日本ではその昔、腰の左側に刀を差していたので刀がぶつからないように左側通行が基本であった流れで、対人同士では左側通行が基本のようである。しかしながら、第二次世界大戦後のGHQの指導により、車が左側通行になったのに合わせて、車のそばを通る場合は右側通行が推奨されることになったという歴史があるようだ。
今回の階段は基本的に人同士のすれ違う道のはずなので、やはり階段の右側を歩く設計に違和感を覚えるのは正常な反応だ。かと思えば、歩行者は右を歩くものという考えが浸透しきっており、どのような道でも右側通行が当たり前という考え方もあるようだ。本当にどっち側通行問題は奥深い。
明確なルールはなし! 律義な日本人に従うべし!
なお、このどっち側通行問題だが、明確に定めた法律はないということがわかった。交通ルールにより、歩行者は右側通行、自動車や自転車は左側を通行することが定められているが、法的に歩行者は左右のどちら側を歩いても問題はないらしい。
もきちさん(@TZH331029_Evae9)のツイートに対するリプライ欄では、「右利きの人が手すりをつかみやすいように、右側通行なのか?」との考察も確認されていて、なるほど駅の階段の設計にも深い考え方があるのだと感心してしまう。
いずれにしても、地域や法律によって明確なルールが定められていないどっち側通行問題で大きな事故が起こらないのは、日本人がきちんと表示を確認しながら通行しているからに他ならない。どれほど雨が嫌でも、会社に行きたくなくても、1分後の電車に乗りたくとも、きちんとルールを守ることで日本の平和が守られているのであれば、自分もきちんと人の流れに乗り、律義な日本人の一員を目指したい。
みなさんも雨の日の階段や電車には十分お気をつけていただきたい。
※サムネイル画像(Image:「もきち(@TZH331029_Evae)さん」提供)