世代間ギャップは、あらゆる場面に存在する。何気なくふと発した言葉が、自分よりも下の世代には通じず、ぽかんとした表情をされるような経験をした人も、少なくないはずだ。現在30代前半の筆者は、社会人としては決して若くもないが、重鎮と呼べるほどの年齢でもないので、両者の間に挟まれた結果、表現の変換役に回ることが多く、こうした世代間ギャップが起きている場面を多々目にすることがある。
2022年5月17日に投稿された、良月一成 今日の物語ちゃんねる@1sei_44moonさんの、
会社の老人が新社会人に
「このデータ、フロッピーしといて」
なんて指示を出した。
頭を傾げる新人君。
フロッピーディスクなんて言葉、新社会人が分かる訳ねぇだろ。これが世代間の壁ってやつか。
俺はやれやれと思いながらも新人君に伝える。
「CDに焼いといてって事だよ」
「CDに…焼く…?」
……というツイートには、11.9万件以上の「いいね」がつき、多くのツイッターユーザーたちからの反響を呼んでいる。
今回は、このツイートに関する詳細と、ツイッター上に寄せられたさまざまなコメントを皆さんにご紹介したい。
会社の老人が新社会人に
「このデータ、フロッピーしといて」
なんて指示を出した。
頭を傾げる新人君。
フロッピーディスクなんて言葉、新社会人が分かる訳ねぇだろ。これが世代間の壁ってやつか。
俺はやれやれと思いながらも新人君に伝える。
「CDに焼いといてって事だよ」
「CDに…焼く…?」— 良月一成🌓今日の物語ちゃんねる (@1sei_44moon) May 17, 2022
ミレニアム生まれは知らなくて当然!?
ご存じない方の為に念のため説明すると、「フロッピーディスク」というのは、過去に一世を風靡したパソコンの外部記憶装置である。生産数は2000年頃にピークを迎え、その後は徐々に失速。DVDやHDDの普及により、2022年現在ではほとんどの企業が生産から撤退したそうだ。新卒に「フロッピーしといて」などという指示を出せば、頭を傾げてしまうのも頷ける話である。
大学をストレートで卒業し、2022年に新卒として就職している人は1999年~2000年代生まれがメイン層だ。ミレニアム生まれがフロッピーディスクに詳しい方が不思議である。
さらに「フロッピーしといて」を言い換える形で、作中では「CDに焼いといてってことだよ」と伝えているが、「CDを焼く」というのも、最近では使わなくなった表現の一つかもしれない。
この投稿を見たツイッターユーザーたちからは、「まあフロッピーのアイコンは現役で使われているんですけどね、上書き保存とか」といった、フロッピーディスクの概念的なものは、今もなお存在しているとの声や、「フロッピーしといては初耳ですが、紙の書類のコピーをとることを「焼く」という人がいたことを思い出しました」など、さまざまなコメントが寄せられている。
どうして「焼く」と表現するの?
そもそも、どうして「焼く」と表現するのかというと、CD-RやCD-RWにデータを書き込む際には、レーザーの照射によって記録層を変質させることで、書き込みを行っているからだ。そこから、「焼く」という表現が使われるようになったのである。この説明がきちんとできなければ、疑問は疑問のままだ。「理由は知らないけど、とにかくCDを焼いといて!」では、新人がCDを物理的に燃やしてしまわないことを祈るしかない。
普通に音楽を聴くときでさえ、相当なファンでもない限りは、CDではなくネットからのダウンロードが主流となってしまった令和の今では、数十年先には「CD…とは…?」となる時代が来る可能性も大いにある。
ツイッター上では別の視点から、「昔のPCを使った人は、PCの終わりがデータの終わりだったので、外部に書き出さないと不安という感覚が消えないのだと思います」という、現在は会社内で取り扱うデータのほとんどが、外部ないし自社サーバーにてクラウド化されていることに対する鋭い指摘もあがっていた。
世代間ギャップは回避のしようがない!
ちなみにだが、ここでいうCDに関しては、医療機関などでは現役で使われていることが多いので、筆者としてはCD自体がそこまで古い物だという感覚はない。しかし、一般的に言えば、もはやCDはHDDやクラウドに置き換わるものなのだろうなとも思う。
どう頑張ったって、世代間ギャップにはぶつかるのだから、自分が今よりさらに年を重ねた際には、出来る限り時代の波に乗り遅れないよう努力し、自分よりも下の世代とのディスコミュニケーションが発生しないよう、なるべく気を付けたいものである。
今回のツイートを投稿した、良月一成 今日の物語ちゃんねるさんは、毎日140文字の小説をtwitterで発信しているので、気になる人はぜひチェックしてみてはいかがだろうか。忙しい人も、電車の通勤時間や、ちょっとした勉強の合間などに、ハッとするようなすてきな物語に出合えるかもしれない。