つい先日、度重なる延期の末にサポートが終了し、27年の歴史に幕を閉じたMicrosoft開発のインターネットブラウザ「Internet Explorer」。通称「IE」と呼ばれているこちらのブラウザは、多くのユーザーに愛されていた。……いや、愛されていたのは過去形ではない。サポートが終了した今もなお、IEは非公式の着ぐるみとして擬人化され、都内を練り歩いているとの噂が、連日ツイッター上で囁かれている。
2022年6月18日に投稿された、Internet Explorer Tokyo インターネットエクスプローラ@VeryFastBrowserさんの「アップルストア、かっこいいねぇ。憧れるねぇ。」というツイートには、着ぐるみになったIEと、Googleのドロイド君らしき生き物が、アップルストアを楽しむ様子の画像が添えられている。このツイートには、6万件を超える「いいね」が押され、ツイッター上で大きな反響を呼んだ。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
謎の擬人化IE現る……!
着ぐるみのIEは、ツイート内の画像で楽し気にMacBookを触り、アップルストアの前で記念撮影まで行っている。まるで、田舎から都会へと遊びに出てきた、中学生男子のような雰囲気だ。隣には親友のような距離感でドロイド君が佇んでおり、この二人の関係性が非常に気になるところである。
ちなみに、ご存じない方のために説明すると、ドロイド君とはGoogle社のマスコットキャラクターだ。写真では、人間の鼻的なモノが見え隠れしているが、呼吸は大事なので見なかったことにしよう。細かいことは置いておいて、恐らくこの世界線におけるIEと、ドロイド君はきっと仲良しなのだ。
この投稿をみたツイッターユーザーたちからは、「店からつまみ出されそうw」「よく入店させてくれたなw」などの辛辣な意見や、Androidスマホの看板を背負うドロイド君に対して「スパイだ」「スパイがいる!」などと、Appleへ敵情視察に来たのではないかと指摘する声が相次いでいる。
謎の多い擬人化IEだが、ツイッター上では知名度が高いらしく、「あ、品川駅で捕まっていたやつだ」「これ品川にてってツイートされてた人じゃん笑」などの声もあがっていた。
気になったので筆者も調べてみたところ、品川駅構内らしき場所で、警察官に囲まれているIEの着ぐるみの写真がツイッター上で拡散されている。日本のMicrosoft社は、たしか品川グランドセントラルタワーにあるので、出没する場所としては間違っていないのだが、まさか職質を受けることになるとは思ってもいなかったであろう。
件の写真は、少し情報量が多すぎるので、この文章で皆さんに伝わるか非常に不安なのだが、警察官に職質されているIEの着ぐるみは、なぜか手にIEのロゴの遺影まで持っている。自分で自分を弔うつもりなのだろうか、ツッコミどころ満載である。
このあと、やはりIEの着ぐるみはMicrosoft社へ移動したようで、会社の入り口の前で力尽きる様子が写真に残されていた。冒頭のツイートにも登場した友人のドロイド君が、IEが倒れた現場に花を手向けるなどしており、誰も得しない悲しい景色が映し出されている。社員や取引先の人間が鉢合わせたら、思わず二度見するに違いない。
擬人化IEのツイートをさかのぼってみた
勝手にツイートを遡ってみると、このIEを擬人化した着ぐるみは、2018年から活動をはじめたようである。今回、IEのサポートが終了することによって、時空が歪んで出てきたのかと思ったが、どうやらそういうわけではないらしい。理由はわからないが、もう5年も前から存在しているのだ。
2018年の10月31日時点では、「ハッピーハロウィン! ブラウザしちゃうぞ」などと、キレッキレのIEギャグを飛ばしていたが、そこからしばらくは音沙汰がなく、つい先日ツイッターの投稿を再開したようである。
擬人化された着ぐるみIEの目撃談は、そのほとんどが今のところ品川駅だが、活動拠点が品川かというと、そういうわけでもなさそうなので、運よく彼(彼女?)に出会えた人はラッキーかもしれない。今後、どのようなドタバタ劇がツイートされるのか非常に楽しみである。
※サムネイル画像(Image:「Internet Explorer Tokyo インターネットエクスプローラ(@VeryFastBrowser)さん」提供)