皆さんはよくネットショッピングを利用されるだろうか。検索性もよく、さまざまなジャンルの商品を、家に居ながらにして購入できる便利さから、年々ネットでの買い物をする人は急増している。しかし、直接商品を手に取って購入するわけではないので、油断すると様子のおかしな品物が手元に届いてしまうこともあるのだ。
2022年6月21日に投稿された、氷雨✌@Exiceさんの「4TBのポータブルSSD認識しなくなったから分解したらUSBメモリ×2が刺さったHUBが出てきたわ」というツイートには、件のSSDの内部を撮影した画像が添えられている。このツイートには、5800件を超える「いいね」が押され、ツイッター上で大きな反響を呼んだ。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
SSDの中から謎のUSBハブ!?
まず始めに、SSDが何かご存じない方のために簡単に説明しておこう。SSDとは、「Solid State Drive」の略で、パソコンで使用する外付けの記録装置のことだ。同じような外部記録装置としてHDDというものがあるが、HDDは回転する円盤に磁気でデータを読み書きするのに対し、SSDは内蔵のメモリーチップでデータの読み書きをする。
しかし、投稿者の氷雨さんが分解したSSDの中には、何故かメモリーチップではなくUSBハブが押し込まれており、しかもそのハブの2か所に謎のUSBが刺さっているのだ。ちなみにUSBハブというのは、USBを複数接続するためにUSBポートを増設するためのものなので、使い方としては間違っていないのだが、SSDの中には本来あるはずのないものである。
この時点でとんでもない詐欺商品であることは間違いないのだが、さらに氷雨さんは先ほどのツイートに追記する形で、「ばっちり容量偽装でした。書き込みチェックした結果1つあたり30GB未満しか書き込めない(残りは書き込んでも消失する)ことがわかりました。」とも述べている。
購入時には4TBという話だったはずなのが、30GB未満しか書き込めないとは、一体どういうことなのだろうか。
名前も?容量も?説明書きも詐欺?
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「信用できるメーカーのもの以外は買っちゃダメ定期」と、日本人全員が知っているであろうド正論を語る声や、「SSDや4TBというモデル名、製品名であり、ストレージの種類や容量ではないと販売していたやつを最近見たことあるけど、それの実物かな?」と、サラッと怖い話にヤバい話を重ねてくるコメントなど、リプライ欄ではさまざまな意見が飛び交っていた。
この「SSDや4TBというモデル名、製品名でありストレージの種類や容量ではないと販売していたやつ」については、筆者も少し気になったので詳しく調べてみることにした。すると、ちょうど2か月ほど前に、ややこしい名前のSSDがネットショッピングサイトで出回っていることを、注意喚起しているツイートがバズっていたのを発見したのである。
ツイートによると、そのSSDは「外付けSSD 16TB」「外付けSSD 8TB」「外付けSSD 4TB」という商品名で売られているのだが、商品説明の注意事項の欄に『「○○TB」は型番で、実際のメモリは「10TB=320GB」「8TB=256GB」「4TB=158GB」』などと書かれていた。明らかに人を騙すことを想定して付けた商品名である。
この紛らわしい名前のSSDの商品画像として掲載されていたものが、なんと投稿者の氷雨さんが購入したSSDと同じだったのだ。
ノーブランドのパソコン周辺機器に注意!
もはや、中にUSBが詰まっている時点でSSDではないし、4TB=158GBだったとしても、30GB未満しか書き込めず、残りは書き込んでも消失するのであれば、もはや何一つ正しい情報がない。これを詐欺と言わずしてなんと呼べばいいのだろうか。
パソコンの周辺機器に関しては、パッと見では不具合や、容量詐欺に気が付きにくいので、皆さんも今一度、お家で使っているSSDやHDDを点検してみてはいかがだろうか。この記事を書き終わったら、筆者も家で使用しているノーブランドのパソコン周辺機器を一斉点検しようと思う。
サムネイル画像(Image:「氷雨(@Exice)さん」提供)
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