読者の皆さんは、Microsoft社が開発した表計算ソフトの「Excel」を使ったことがあるだろうか。データの集計や分析などでおなじみのソフトなので、日々の業務ではExcelが手放せないという人も多いだろう。そのような便利なExcelだが、印刷に関してだけは、昔からちょっとした難点を抱えている。
2022年7月28日に投稿された、筒井.xls@Excel関数擬人化マンガを描く経理@Tsutsui0524さんの「Excelは表示通りに印刷されないのではなく印刷される通りに表示できていないのでは…？」というツイートには、失敗したExcelの印刷物のイラストが添えられていた。このツイートには、2100件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
この現象、Excelあるある!?
画面の表示通りにExcelが印刷されないという問題は、Excelを使う人にとってはあるあるなのだが、Excelを触ったことがないという人のために、もう少し詳しく解説しておこう。Excelは表を入力するのに特化したソフトだが、画面上で入力したセルの文字が、印刷すると欠けていたり、改行されていたりすることが時々あるのだ。
何も知らない人からすると、「ちゃんと印刷前にチェックしろよ」と、ッコミを入れたくなる話かもしれない。しかし、パソコンのモニター上ではきちんと文字が表示されているのである。
一文字だけ次ページへおくってしまったときは、叫びたくなる（I画像は筒井.xls@Excel関数擬人化マンガを描く経理（@Tsutsui0524）さん」提供）
そのため、印刷するまで、どういった見え方になるのかがわからない場合が多く、「これで資料は完璧だ!!」と、いざ喜び勇んで印刷しても、プリントされたものを見て、コピー機の前で膝から崩れ落ちるという新入社員の姿が、春先にはたびたび観測されるのだ。
投稿者の筒井.xls@Excel関数擬人化マンガを描く経理さんが、「表示通りに印刷されないのではなく、印刷される通りに表示できていないのでは？」と、Excelの仕様そのものに疑いの目を向けるのもわからない話ではない。
表示通りに印刷されるかを確認する方法！
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「ドキュメントを紙で出さなくてはいけなくて、多量に印刷したあとに発覚して、奇声あげた日を思い出した」との悲痛なコメントや、「EXCELがMSDOSで動いていた時代から40年も受け継がれし伝統芸」と、長年Excelを見守ってきたものの改善されていないことを皮肉る声など、さまざまなコメントが寄せられている。
また、画面表示と印刷で相違があることを事前に避けるための手段として、「だからあれほど印刷するものは一回PDFにしろと」など、Excelガチ勢による忠告もあがっていた。
では、こういった事態を避けるために、一番手っ取り早い方法はどうすればいいのだろうか。PDFにするのもひとつの手だが、何度も調整し直すのが面倒なので、筆者は以下の方法で印刷を行っている。
「表示」から「ページレイアウト」で、印刷したときの見え方が確認できる（編集部撮影）
まず、作りたい表が仕上がった段階で、上部にある「表示」タブを選択。すると、左から3つめに「ページレイアウト」が出てくるので、そちらをクリックする。そうすれば印刷した時の見え方がそのまま表示されるので、これで様子がおかしければ、折り返して全体を表示するなり、セルの大きさを変えるなりすれば解決だ。
ぜひ、困っている人に教えてあげよう！
PDF化して確認するのもアリだが、そうすると、いちいち保存しなければいけないことに加え、何度も開いたり閉じたりしながら正しい印刷になるかをチェックしなくてはならないため、時間のロスにもつながってしまう。貴重なコピー用紙をロスするよりは、はるかにマシだが、あなたの時間もそれ以上に貴重なものである。
この夏、Excelが表示通りに印刷されない問題で悩める新入社員が身近にいれば、ぜひ「表示」タブの「ページレイアウト」で確認する方法を伝授して、生暖かい先輩風をビュウビュウ吹かせてみてはいかがだろうか。
※サムネイル画像（Image:筒井.xls@Excel関数擬人化マンガを描く経理（@Tsutsui0524）さん」提供）