「Internet Explorer」とはMicrosoft社が開発した、かつて、一世を風靡したウェブブラウザのことである。残念ながら「Internet Explorer」は、今年の6月にサポートが終了したため、やむを得ず、最新版のウェブブラウザ「Microsoft Edge」に乗り換えたという人も多いのではないだろうか。
2022年8月13日に投稿された、寺西大地(65.6kg)@dt_palさんの「IEさんが亡くなってから60日、初盆とのことです」というツイートには、擬人化された「Microsoft Edge」が「Internet Explorer」の遺影を手にコミケ会場でたたずむ姿が激写されている。この投稿には、8.6万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となった。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
コミケの開催は今回で100回目！
ツイートには「#C100」というタグが付いていることから、Internet Explorerの遺影を持つMicrosoft Edgeは、今回で100回目の節目を迎えるコミックマーケットに出没していたようである。
ちなみに、コミックマーケットとは、日本最大級の同人即売会のことで、しばしば「コミケ」と略されているイベントのことだ。会場は東京ビッグサイトで、夏と冬の年2回行われている。
参加者たちは、暑さや台風などには屈することなく長蛇の列に並び、お目当ての作品の購入や、思い思いのコスプレを楽しんでいるようだ。コロナ禍においてのコミケは、延期や中止の時期もあったため、今回は満を持しての開催だったようである。
コミケの初日は台風による雨風で、参加者は例年よりも過酷な環境に身を投じたわけだが、それでも大盛り上がりだったので、それだけ多くの人に愛されるイベントなのだろう。寂しそうに遺影を持つMicrosoft Edgeも、Internet Explorerの初盆を、陽気なコミケ参加者のみんなと一緒に迎えたかったのかもしれない。
初盆は四十九日が過ぎて、初めて迎えるお盆
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「ショボーン(初盆)みたいな感じでしたか？(´・ω・｀)」と、初盆とショボーンをかける絶妙なコメントや、「edgeが喪主なんだｗｗ」とMicrosoft Edgeがまさかの遺族代表であったことに笑ってしまったという声など、さまざまなコメントが寄せられていた。
（Image:「寺西大地(65.6kg)（@dt_pal）」さん提供）
初盆とは、故人が亡くなってから四十九日が過ぎ、初めて迎えるお盆のことを指す。Internet Explorerのサポート終了は2022年の6月15 日なので、たしかに、このお盆休み中がInternet Explorerの初盆で間違いないだろう。お盆は亡くなったご先祖様の霊が、家族の元に帰ってくる日だと言われているので、後続ブラウザであるMicrosoft Edgeのところへ、Internet Explorerもこっそり会いに来ているはずだ。
お盆の期間中にやってはいけないこと
お盆の期間中というのは、一応タブーとされることがいくつかある。皆さんも聞いたことがあるかもしれないが、お盆の間はむやみに水辺へと遊びに行ったり、無駄な殺生をしてはいけない。
水のある場所は、三途の川のような「あの世とこの世の間」とされているため、お盆に水辺に行くと霊に足を引っ張られてしまうという言い伝えがあるのだ。実際のところ、お盆は帰省などで大人たちが集まってお酒を飲む機会が多いため、万が一、子どもたちだけで水遊びをして何かトラブルがあっても、助けに行くのが遅くなることから、こうした言い伝えができたらしい。
無駄な殺生に関しては、そもそも、ウェブブラウザであるInternet Explorerを擬人化して遺影にしている時点で、無駄な殺生の極みとも言えなくもないが、そこはまあ触れないでおこう。この場合の「無駄な殺生をしない」とは、虫取りや釣りを控えることだ。虫取り少年たちにとっては、今がカブトムシやセミ、クワガタのシーズンだが、虫はご先祖様があの世に帰っていく時の乗り物にもなるので、お盆の期間中だけは捕まえるのをやめよう。
日本の伝統行事として、誰もが意識する「お盆」。よくよく考えれば、Internet Explorerを開発したMicrosoft社はアメリカの会社なので、弔い方がこれで合っているかどうかは不明だが、Internet Explorerも古くから伝わる日本のおもてなしを受けたことで、よい初盆になったのではないだろうか。
※サムネイル画像（Image:「寺西大地(65.6kg)（@dt_pal）」さん提供）