皆さんは「ガラケー」とは何かご存じだろうか。「ガラケー」は「ガラパゴス携帯」の略で、着うたや着メロディー、ワンセグなどの日本独自の機能を搭載した携帯電話のことである。世界とは隔離され、独自の進化を遂げた「ガラパゴス諸島」になぞらえて、この名前が付いた。2010年頃までは、ガラケーが日本のケータイ市場のメインとなっていたので、読者の皆さんの中にもガラケーを愛用していた人が多いかもしれない。
2022年10月5日に投稿された、平安急行@heian_exさんの「今の若者には理解できないと思うが20年ぐらい前のガラケー時代は、充電器のコネクターが端末のメーカー毎に「微妙に」形状が変えてあり互換性がなかった。「充電器貸してよ。同じドコモでしょ?」「お前富士通やろ?俺三菱やから無理」みたいなのは当たり前だった。2種類で大抵充電できる今は天国」というツイートには、6800件以上の「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
今の若者には理解できないと思うが20年ぐらい前のガラケー時代は、充電器のコネクターが端末のメーカー毎に「微妙に」形状が変えてあり互換性が無かった。
「充電器貸してよ。同じドコモでしょ?」
「お前富士通やろ?俺三菱やから無理」
みたいなのは当たり前だった。
2種類で大抵充電できる今は天国— 平安急行 (@heian_ex) October 5, 2022
充電器の種類が多かった時代
ツイートにもある通り、当時は充電器のコネクタがメーカーによってバラバラだった。パッと見は同じように見えても、いざ使おうとすると微妙に合わなかったりして、家電量販店で充電器を買いなおす際には、形を間違えないようにと、かなり気を付けていたのを覚えている。
当時、なぜ充電器がメーカーごとに独自規格を貫いていたのか、詳しい理由はわからない。しかし、そもそもガラパゴス携帯自体が、多くの家電メーカーの激しい競争によって、過剰なほどに機能が多様化したものなので、常にメーカーは他社よりも使いやすい充電器の開発を目指していたのだろう。その結果、やたら充電器の種類が多くなってしまい、混乱する人も増えてしまったのだ。
スマホが主流となった令和の今では、充電器はAndroid用のType-Cケーブルか、iPhone用のLightningケーブルの2種類で完結している。購入時についてきたものが断線し、万が一、買い直すことになった場合、自分の端末に合った充電器を探す手間がなくなっただけでなく、価格もかなり安価になった。
ガラケーの充電器は「削る」と互換性が出る?
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「そうでしたね。同じキャリア同士でも全く互換性が無かった」と、当時の充電器事情を懐かしむ声や、「ちょっと削ると、だいたい使い回せた記憶が」といった、ライフハックという名の改造について語る声、また「DSの充電器もやん…無印DSとDSliteとDSiで、何故か端子形状が違うし()」と、同じ任天堂製のゲーム機ですらも、充電器が本体の種類によって違っていたという声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられている。
たしかに、当時は筆者も、充電器をネイル用のやすりで削って、家へ泊まりに来た友達の携帯も充電できるように加工していた。削ると言ってもそのような大変な作業ではなく、充電器の先端にある凹凸部分を平らにしてしまうだけの話である。そうすることで、力技で互換性が確保できるのだ。
いまさら削る人はいないと思うが、念のため断っておくと、改造した充電器が端末から抜けなくなったり、さしたまま折れたりすると、壊れてもメーカーの保証対象外になるので注意が必要である。
使っていないガラケーはどうしている?
過去に使っていた懐かしのガラケーは、今も記念に端末を取っておいているという人が多いのではないだろうか。筆者も中学生の頃に買ってもらった初代のガラケーから、スマホに切り替わる最後の端末まで、捨てずに保管している。なんとなく当時の思い出が蘇るため、なかなか手放せなかったのだ。しかし、最近になって手に取って見てみると、電池パックが異様なほどに膨らんでいるものもあり、爆発の危険を感じたので、一部の電池のみ外して、電気屋さんに回収してもらった。
もう改造した充電器も手元にないので、電池があっても電源を入れることはできないが、残った当時のガラケーは今も宝物である。
※サムネイル画像(Image:amazon.co.jp)