時代の流れとともに、言葉はどんどん変化していく。少し前までは普通に通じた言葉も、ふと気づくと、いつの間にか時代遅れになっていることがある。かつては使用されていたが、今となっては使わなくなってしまった言葉たちは「死語」と呼ばれ、しだいに人々の記憶から遠のいていくものだ。
2022年10月14日に投稿された、けんたろ@kenlife202010さんの「最新の国語辞典(三省堂)では約1,100語が消え、約3,500語が追加されました。その一部がこちら。消えた言葉は全部知ってるけど、追加された言葉は全然知らないあなたはおじさn…」というツイートには、国語辞典から消えた言葉と、新たに加わった言葉の一覧表が添えられている。
この投稿には、2300件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で話題となった。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
消えた平成を代表する言葉たち!
国語辞典から消えた言葉には、「テレカ」や「着メロ」、「コギャル」などの平成の時代を代表する単語が並んでいる。40代以上の皆さんであれば、昔どこかで聞いたことがある言葉ばかりだが、令和の今となっては、日常で使っている人は少なくなったかもしれない。
筆者は高校時代に、よくMDプレーヤーを活用して音楽を聴いていたのだが、「ミニディスク(MD)」も消えた言葉の一覧に入っており、思わずなんとも言えないノスタルジックな気持ちになってしまった。今の若い人はきっと、MDや8cmのミニCDの存在など、知らないのではないだろうか。恐らく音楽はサブスクで十分だという人が、令和の高校生では大半を占めるはずだ。
辞典の改定に伴い、新たに追加された語句は「ソーシャルディスタンス」や「黙食」などのコロナに関連するものから、「ポチる」や「置き配」などの現代のネットショッピング事情を反映するものなど、見事なラインナップとなっている。
残念ながら、筆者は「ウェビナー」と「バインミー」の2つだけ、この一覧表の中では意味がわからなかったのだが、全体を見ると、やはり追加された言葉の方が日常ではよく出てくる単語ばかりだ。なお、ウェビナーはWEB配信するセミナーのことで、バインミーはベトナムのサンドイッチのことらしい。
若い世代は、消えた言葉を知らない?
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「消えた言葉に、いまだ使ってるやついっぱいあるんですが…」と、嘆く声や、「加わった言葉の中にもすでに使われなくなっている言葉が入っている」と、改訂版にもすでに消えかけの言葉があるという声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
比較的若い世代のユーザーからは、「ぴえんまで入ってるんですね!意外と消えた言葉で知らないの多いです」「消えた言葉、何一つとして意味知らんのだが」「追加された言葉はチル以外知ってた。むしろ消えた言葉の方が知らないの多かったよw」といった声も多く上がっており、消えた言葉のラインナップがいかに「死語」であるかがよくわかる。
この一覧表に乗っている言葉は、どれも一世を風靡したものばかりだが、いつかは今回加わった言葉も、ラインナップから消されてしまう日が来るのだろう。
一年前の言葉ですら懐かしい!
時代の流れや生活様式の変化によって、次々と新しい言葉が生まれる。毎年、年末になると、その年の新語・流行語大賞が発表されるが、たった1年前の流行語ですら、久しぶりに聞くと、「そういえば、そんなのあったな~」と、どこか懐かしさを感じる人も多いはずだ。
近年ではインターネットやSNSの発達により、流行の移り変りが目まぐるしいスピードになっている。辞書の編集に必要な時間を計算すると、「加わった言葉の中に、すでに使われなくなっている言葉が入っている」のは、ある意味仕方のないことなのかもしれない。
ライターというダイレクトに言葉を扱う仕事をしている筆者としては、無意識のうちに死語を多用してしまわないよう、なるべく気を付けていきたいところである。
※サムネイル画像(Image:「けんたろ(@kenlife202010)」さん提供)