日々の暮らしの中で、生活にかかわるお金の制度を知ることは非常に大切だ。しかし、制度や仕組みは、世の中の流れで改定になることも多いため、われわれ自身がこまめな情報のアップデートをしていかなければいけない。
2022年10月16日に投稿された、ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ@Tomojidienさんの「まったく話題になっていませんが、10月に「お金の制度」はシレッと変わっています。大半が”改悪”です。改悪は悔しいですが、お金の仕組みを知る絶好の機会でもあります。」というツイートには、2022年10月に改訂された4つの制度を紹介した画像が添えられていた。
この投稿には、2.6万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
雇用保険料の値上げの理由は?
10月から変わったお金の制度の一つ目は、「雇用保険料の値上げ」だ。一部のパートやアルバイトにも、社会保険の加入が義務化されたのである。今年の3月に「雇用保険法などの一部を改訂する法律案」が国会で成立したのをきっかけに、今月から保険料率が引き上げられることになり、給料やボーナスの手取りが減るという形になってしまった。
保険料引き上げとなった背景には、コロナウイルスによる失業などで、雇用保険を利用する人が急増したことが影響している。
続いて二つ目は、「社会保険の加入対象が拡大」したことだ。社会保険に加入すれば、保険料は給料天引きとなるので、その分の手取りが減ってしまう。これはショックだった人も多いのではないだろうか。
現行の法律では、社会保険の被保険者が500人を越える事業所が対象となっていたのだが、10月からは100人を超える事業所も対象となったそうだ。なお、学生はいくつかの条件に該当する人を除けば、社会保険の適用対象外なので、安心してアルバイトに勤しんでほしい。
火災保険料は、最長5年契約に!?
気になる三つ目は、「火災保険料の値上げ」だ。こちらは、ストレートに「値上げ」と言っているだけあり、都道府県などにばらつきはあるが、平均して、10.9%の引き上げ率となっている。長期契約になるほど保険料は割安だが、今回の改定で最長契約期間も10年から5年に短縮されてしまった。
なお、火災保険は火災だけが対象ではない。自然災害が多い日本では、住宅を守る上でさまざまな損害を保証してくれる、頼りになる保険である。かなりの値上げが行われてしまった後ではあるが、将来的なリスク回避のためにも入っておくのがオススメだ。
ラストの四つ目は、「高所得世帯の児童手当の廃止」だ。夫婦どちらかの年収が1200万円以上の世帯は、児童手当の支給が停止されたのである。この改定には賛否両論あるので、あえてここでは良し悪しには触れないが、一度、制度の支給対象から外れると、児童手当の受給資格を喪失してしまうので注意が必要だ。翌年の年収が下がった場合などには、再度申請が必要となるため、手続きを忘れると損してしまうので気を付けよう。
思いがけず損をしないために!
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「いろいろ変わっていますよね。①は給料明細見て収入下がってて実感しました」と、実際の給料明細で改定を実感したとの声や、「どんどんいろんなものが改悪されてますね。でも、これを勉強の好機ととらえれば、未来は変わると思います。知識スキルで、格差がどんどん開く時代ですね」といった前向きな声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
どのような制度の改定も、事前に自分自身できちんと調べておかなければ、思わぬ損をしてしまうことも多い。ややこしい話や小難しい話は、誰でもつい目を背けてしまいたくなるものだが、日本に住んでいるわれわれは、常に新しい制度がどのようなものかを学び続けなければいけない。
今後もオトナライフでは、さまざまな制度や法律の改定について、なるべくわかりやすく皆さんにご紹介していきたいと考えている。
※サムネイル画像(Image:「ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ(@Tomojidien)」さん提供)