私たちの生活に欠かすことのできない、インターネット。
たしかに、筆者の生まれた頃にはインターネットどころか、個人宅にパソコンすら存在していなかったはずであるが、今やパソコン通り越して電話線すっ飛ばしてWi-Fiでスマホの時代である。
もはや、インターネットがなければテーマパークのチケットも買えないし、ほしいアニメグッズの抽選すら申し込めない。なんなら授業すら受けられない場合もある。文字通り「ライフライン」そのものである。
だから「インターネットが好きか」と聞かれても、多くの人は「Like」の気持ちを答えるのではないだろうか。しかし世の中にはインターネットに「love」な人もいるらしい。インターネットが私たちの生活にもたらす便利さではなく、インターネットそのものを好きな人達である。
インターネットを好きな気持ちが、まさかの検証に挑戦させる!!
今回ツイートをご紹介させていただくID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんも、インターネットが趣味と公言されている方のお一人。
そのインターネットへの気持ちが生み出した、なんとも驚きの検証がこちらである。
なんと公衆電話を使ってWindows 11をダイヤルアップ接続することで、Twitterが更新できるかを検証しているのである。公衆電話もまさか自分自身でTwitterにつぶやくチャンスがやってくるとは、夢にも思っていなかったことであろう。
ID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんのツイートに対するリプライ欄も、「すげーっ!できるんだ……」や「もはや公衆電話すらレアな時代にこんな事ができるなんて……」「すごい!!こういうことが出来る人、憧れです!」など、驚きの検証に感動したという人からの称賛が相次いでいる。
今回の検証に使われた、「グレーの公衆電話」って知っている?
ID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんが検証に使った公衆電話は、「ディジタル公衆電話」と呼ばれる、1996年に誕生した公衆電話である。テレホンカードの挿入口や硬貨の投入口など懐かしの公衆電話特有の表記が並ぶ中、最下段にひっそりと端末接続口がついている。
今から四半世紀以上も昔に製造された公衆電話なので、当然、対応しているプラグの形がエモい。手持ちの電子機器に、この形状のプラグに対応している端末や、ISDN接続もしくはダイヤルアップ接続に対応した規格の端末がある人の方がレアかもしれない。
ID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんのツイートに対するリプライ欄では、「四半世紀前、夜に電話ボックスにメールをチェックしに行っていた」「20年ほど前に公衆電話からメールを送っていた」「ホテルのロビーで公衆電話に接続してプレゼン資料を仕上げた」など、平成を全力で生き抜いた先輩社会人からの体験談が寄せられていた。光回線もWi-Fiも、先人の苦労があってこその産物なのである。
令和の時代も、公衆電話からインターネットにアクセスできるのか!? 検証結果はいかに。
今回のID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんの検証では、ISDN接続ではなくダイヤルアップ接続を通して行われた。なお、この検証に挑戦するうえでは、先述の通りISDN接続かダイヤルアップ接続に対応したプロバイダ契約をしておく必要がある。この時点でかなりハードルは高いといえる。また現在、グレーの公衆電話は絶滅危惧種であり、そう簡単に見つけることはできない。
ID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんのツイートに対するリプライでは「元NTT日比谷ビルの玄関右端にまだあった」「浅草の近くにはあるらしい」など目撃情報が寄せられている。
さらに、公衆電話とPCをつなぐという非日常的な行動は、警察に通報される恐れもある。
ID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんは「通行人から怪しい目で見られた」程度の被害ですんでいるが、リプライ欄には「公衆電話に細工をしているやつがいると警察に通報されて、説明する羽目になった」「通報されてNTTに確認されるやつ」などのコメントが相次いでいる。
たしかに、平成生まれの警察官が駆け付けた場合、状況を理解してもらえない可能性が高い。インターネットへの強い愛を持って臨む必要がある検証だ。
さて、さまざまなハードルを乗り越えてのID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんによる検証であるが、今回は残念ながらTwitterに接続することは叶わなかったそうである。原因としては、「小銭が尽きたこと」「通信速度が遅すぎて、ほとんどのサイトでエラーが出てしまった」ということである。なお、公衆電話からインターネット接続を試みた場合、通話料と通信料が従量課金となるため、ちょこっと遊ぶ程度の場合は、1000円程度必要とのことである。
想像以上におもしろい「インターネット」の世界。あなたも趣味にしてみたら楽しいかも。
残念ながら今回のID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんの検証では、「公衆電話によるTwitter投稿」は叶わなかったが、十分におもしろい話を知れたという方も多いのではないだろうか。
ID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)さんによる次回の検証を心して待つとともに、「インターネットっておおもしろそう」「グレーの公衆電話なら近くにあるかも」という方は、一度ダイヤルアップ接続やISDN接続に挑戦してみてはいかがだろうか。
ちなみに、ISDN接続は2024年1月にサービスが修了することがアナウンスされているので、今がチャンスである。挑戦の際は、通行人の視線と通報に十分ご留意いただきたい。
※サムネイル画像(Image:「ID=AO@通信の猫(@ID_JAPAN_AO)」さん提供)