なかなか眠れない時、多くの人はどういうわけか羊を数える。皆さんも幼い頃、親や祖父母、保育園の先生たちから、この真意不明の「おまじない」を教えてもらったことがあるはずだ。
2022年10月23日に投稿された、柳葉@dome3sakamotoさんの「効率的に寝ようとしている人」というツイートには、Excelの表で羊の数を記録する謎の画像が添えられていた。この投稿には、7.8万 件を越える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
Excelを使った羊の数え方!!
寝るために羊を数える場合は、1匹1匹声に出すことで、眠気が誘発されるという仕組みのはずなのだが、ツイートの画像に登場している「効率的に寝ようとしている人」は、Microsoft社のExcelを活用して手際重視で羊のカウントを行っているようである。
Excelには、オートフィルと呼ばれる機能が備わっており、1つのセルに入れた数字を連番として入力してくれるのだ。
やり方は非常に簡単で、セルになんらかの数字を入力し、入力したセルの右下にマウスポインターを合わせて引っ張れば、ドラッグしたセルに同じ数字が入力される。選択したまま、オートフィルのオプションで「連続データ」を選ぶと、数字が連番になるというシステムだ。
さらに簡単に連番を入力するには、「1」「2」と2つのセルに入力し、両方を範囲選択したまま同じようにドラッグすればOKである。
羊を数える人も数えない人も、Excelを使う際は非常に便利な機能なので、覚えておいて損はない。
そもそも、羊を数える理由は?
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「印刷すると10匹が入らなそう」と、まさかの印刷範囲を心配する声や、「1048575匹までしか数えられませんでした」と、Excelのセルの限界を探った人の声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
そもそも、なぜ羊を数えると眠れるのだろうか。実は、この言い伝えは日本発祥のものではないのだ。由来は諸説あるようだが、最も有力なのは英語圏の「sheep(羊)」と「sleep(眠り)」が似ていることから、眠りたい時に羊を数えるようになったそうである。
催眠術と言えば「あなたはだんだん眠くな~る……」という、怪し気なフレーズを思い浮かべる人が多いかもしれないが、上記でご紹介した羊を数えるという行為も、実はこれと同じようなものなのだ。直接的に脳に「眠る」という単語を刷り込むことで、無意識のうちに眠気が誘発されるらしい。
「あなたはだんだん、眠くな~る……」の方は、五円玉に紐を通してプラプラと揺らすという芸がプラスされるが、これにも一応、意味がある。実はユラユラと揺れるものをボーっと眺めると、人は瞑想状態に入りやすいそうだ。
眠気が訪れるとされるメカニズムは多様なので、一見ただのギャグのように見えても、一応、理にかなっているらしい。
変換をミスると、まさかの干支に!!
リプライ欄では、「羊」を「未」と入力したらExcelが干支と勘違いしてしまい、「未」の後に「申・酉・戌・亥・丑・寅・卯・辰・巳・午・……」と続いてしまったとの声など、なかなかカオスな投稿が相次いでいる。
さすがに、こうなってしまっては、何を何匹数えているのか、まったくもって意味不明だ。もはや眠る気などさらさらなく、動物園のくせが強めな展示リストのようになってしまっている。
Excelのオートフィルは、たしかに便利な機能だが、Excel側の認識によっては、こちらの思い通りにいかないこともあるので注意が必要だ。とはいえ、Excelもまさか眠るための羊を数えるために利用されるとは想定していなかったはずなので、人の発想力もExcelの常識をはるかに超えているのかもしれない……。
※サムネイル画像(Image:「柳葉(@dome3sakamoto)」さん提供)