日頃からネットショッピングを利用していると、時折、信じられないぐらいの破格で売られている商品を目にすることがある。そういった激安商品の場合、たいていは偽物だったり、詐欺だったりするのだが、時にはサイト側の値段設定のミスで、本物なのに激安価格で販売されることもあるのだ。
2022年10月25日に投稿された、tokkyo@tokkyoさんの「Windows 開発キット2023、よくわからんけど100円だったからポチった」というツイートには、Microsoft社の「Windows 開発キット2023」を100円で注文したという画像が添えられていた。この投稿には、5000件を越える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
Windows 開発キット2023、よくわからんけど100円だったからポチった🐮 pic.twitter.com/Zu97rjUmnN
— tokkyo (@tokkyo) October 25, 2022
「Windows 開発キット2023」とは?
そもそも、投稿者のtokkyoさんが注文した「Windows 開発キット2023」とは、一体どのようなものなのだろうか。
あまり聞き慣れないネーミングだが、実は「Windows 開発キット2023」は開発者向けのパソコンである。主にアプリなどの開発に使用することを想定したパソコンだ。小型でありながらも「Snapdragon 8cx Gen 3」CPUを搭載しているだけでなく、外部モニターを3台同時に表示できるなど、申し分ないスペックである。
米国では先日の10月24日から発売になり、日本のMicrosoft Storeでも翌日の10月25日から販売がスタートした。通常の価格では、99,880円(税込み)で販売されているので、99円で注文ができてしまったとは驚きである。
「よくわからん」と言いつつも、5個おかわり注文をしたtokkyoさんだったが、残念ながら、サイト側の価格の設定ミスによるものだったため、強制キャンセルになってしまったようだ。
どのようにして100円になったのか?
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「99,800円で在庫切れ。お祭り2回目はない模様」と、定価に戻ったものの在庫切れになったとの報告や、「個人情報抜かれる奴とかでないん?」と、あまりの安さに投稿者のプライバシーを心配する声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられている。
しかし、一体どういう流れで、100円と誤表記されてしまったのだろうか。サイトの担当者は、恐らく冷や汗ものだったに違いない。
コメント欄では「もしかして$1,000- 元値→$1.00- 誤読→100円 そのまま1ドル100円で換金計算 で本来この為替なら1個15万円相当のものが、まさかの100円販売&購入×(1個+おかわり5個)という事案かな?」といった声や、「9万くらいということならシンプルに¥100,000- 元値→¥100.000- 誤読→100円ということでよいのでないでしょうか」など、料金の記入ミスが起きた経緯に関しても、いろいろな考察が飛び交っていた。
価格の誤表記はよくある事案?
価格の表示をミスして商品を販売してしまう。こうした事案は、実はよくあることなのだ。
過去、大手のネット直販サイトでも、19万8000円のパソコンを1万9800円で販売してしまうというミスが起きている。サイト側はキャンセルを発表したものの、ユーザーからの反発によって収集が付かず、結局、誤表記のままの価格で販売を続行したそうだ。なんとも、太っ腹な判断だが、この時の負債が痛手となったのか、翌年そのサイトは閉鎖になってしまっている。
ユーザーとしては偶然のラッキーだが、企業としてはヒヤリとしてしまう今回のツイート。筆者も以前、大手のECサイトで異様に安い商品を購入したことがあり、後日、見ると価格の桁が二桁ほど変わっていたことがあった。とくに何事もなかったかのように商品は発送されてきたが、あれも恐らく価格の誤表記だったのだろう。
Microsoft社でさえも、こうしたうっかりミスが起こっているところを見ると、われわれにとって身近なフリマアプリの値段設定などでも、価格の誤表記は起こりうる可能性がある。今回のことを教訓として、読者の皆さんも出品側として商品を販売する際は、価格設定に関する部分のダブルチェックを徹底するようにしよう。
※サムネイル画像(Image:「tokkyo(@tokkyo)」さん提供)