スマホが幅広い世代に普及した令和の今、ちょっとしたことはすべて、ネット上で行う機会が多くなっている。筆者が毎年、通っているお寺の厄除け祈願のご祈祷受付でさえも、2年前からネット上での予約のみに切り替わった。わざわざ電話で予約を取る必要がなくなったため、個人的には便利になったのだが、お寺の関係者の方いわく、一部の利用者の間では不満の声も多く上がっているそうである。
2023年1月30日に投稿された、ANA【公式】@ANA_travel_infoさんの「【ご案内】羽田空港第2ターミナルの保安検査場上部に設置していた大型デジタルサイネージは、2023年2月9日を持って撤去いたします。今後は、お客様のモバイルデバイスへ必要な情報をお届けしていきます。ぜひ #ANAアプリ をご活用ください。」というツイートには、スマホ用「ANAアプリ」のリンクが添えられていた。この投稿には、4700件の「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
【ご案内】
羽田空港第2ターミナルの保安検査場上部に設置していた大型デジタルサイネージは、2023年2月9日を持って撤去いたします。今後は、お客様のモバイルデバイスへ必要な情報をお届けしていきます。
ぜひ #ANAアプリ をご活用ください。https://t.co/GOHh8kcEdv#ANA #ANASmartTravel pic.twitter.com/b9r56HFykq— ANA【公式】 (@ANA_travel_info) January 29, 2023
発着時刻表の確認はANAアプリが必須に!
デジタルサイネージとは、情報を発信するために用いられる大型の電子掲示板のことである。主に空港や駅などの交通機関でよく見かける人が多いのではないだろうか。
今回のANAのツイートによると、羽田空港第2ターミナルの保安検査場上部に設置していたデジタルサイネージを、2月9日に撤去するそうである。今までデジタルサイネージに表示されていた発着時刻表は、今後、スマホのANAアプリで配信されるそうだ。
つまり、ANAの発着時刻表をこの場所で確認したい場合は、必ず自分のスマホにANAアプリをダウンロードする必要があるというわけである。筆者もよくANAの飛行機を利用するのだが、いちいち、鞄からスマホを取り出して情報をチェックしなければならないのは、率直な意見として少し面倒だなと感じてしまった。
●ANAアプリ→こちら
利用者から撤去反対の声が数多く寄せられる!
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「ただでさえスマホ見て挙動不審者が多いのに、出発便の表示までスマホ任せにするのは、手放しに賛成できませんね」と、撤去反対の異見を唱える声や、「ANAをよく使わせて頂いていて、アプリも使っていますが、デジタルサイネージはぜひ、継続をご検討下さい。やはりアプリで見なくちゃいけないの不便です」と、アプリの利用もしているがデジタルサイネージは残しておいてほしいとの声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられている。
また、中には「国内線は海外の人は利用しないのでしょうか? また、海外でも国内線の情報は、モバイルデバイスで情報提供しているのですかねえ? この手の情報は目立つ所に掲げるのが普通かと思うのですが」「航空券の値段はどんどん上がっていて、サービスはどんどん下がっていますね。「客の端末でどうにかしろ」とは、貴社はLCCでしたっけ? 併用できるのがサービス向上であって、現状便利なサービスまで廃止して、何がFSCか」などといった、かなり厳しい意見も上がっていた。
すべてのデジタルサイネージが撤去されるわけではない!
ツイッター上では、予想以上にデジタルサイネージ撤去反対の意見が相次いでいるが、ANAは先ほどのツイートに追記する形で以下のようにも述べている。
「なお、出発フロア中央左右のデジタルサイネージや各所小型モニターはございますので、そちらにて情報は確認いただけます。」
つまり、今すぐ空港内にあるすべてのデジタルサイネージを撤去するというわけではないようだ。しかし、今回のツイートで利用者からの大きな反発がなければ、発着時刻表は徐々にスマホアプリへ集約していきたいというのが、ANAの隠れた本音なのかもしれない。どの企業も経費削減が叫ばれる今、デジタルサイネージの維持にも、それなりのコストがかかるのだろう。
デジタルサイネージの撤去に対して、否定的な意見が相次いだ今回のツイート。ANAは格安を売りにした航空会社ではないので、今後も可能な限り、利用者の声に寄り添った運営を行ってほしいところである。
※サムネイル画像(Image:「ANA【公式】(@ANA_travel_info)」より引用)