世の中にインターネットが普及し、大人から子どもまで幅広い世代が利用するようになった令和の今、SNSでは顔の見えない相手とのやり取りが当たり前になっている。一昔前であれば、インターネットは「便利だけれど怖いもの」という認識が多くの人にあったものだが、今の若い世代の目には、どのように映っているのだろうか。
2023年2月7日に投稿された、ささみ@torisan_oishiiさんの「先日、小5息子にSNSで気をつけるべき事は何かを聞かれたから「誹謗中傷受けたら反論するな、とにかく全部スクショ撮れ」「フォロワー数=自分に向けられた銃口の数だと思え」「500RT超えたらクソリプラインだから覚悟しろ」って答えたんだけど宿題だったらしくクラスのみんなの前で発表したらしい。」というツイートには、なんと20.3万件もの「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
先日、小5息子にSNSで気をつけるべき事は何かを聞かれたから「誹謗中傷受けたら反論するな、とにかく全部スクショ撮れ」「フォロワー数=自分に向けられた銃口の数だと思え」「500RT超えたらクソリプラインだから覚悟しろ」って答えたんだけど宿題だったらしくクラスのみんなの前で発表したらしい。
— ささみ (@torisan_oishii) February 7, 2023
名誉棄損罪の公訴時効は3年!!
投稿者のささみさんは、SNSを楽しむうえで気を付けるべき事として、「誹謗中傷受けたら反論するな、とにかく全部スクショ撮れ」「フォロワー数=自分に向けられた銃口の数だと思え」「500RT超えたらクソリプラインだから覚悟しろ」と、3つの注意事項をツイート内で述べている。
それでは、一つずつ詳しく解説していこう。
まず、誹謗中傷を受けた場合の対応策として「スクショを撮れ」とは、どういうことなのだろうか。実はインターネット上の誹謗中傷というものには、名誉棄損罪が適応される。名誉棄損罪の公訴時効は投稿日から3年なので、消される前にスクショで証拠を押さえれば、刑事上の責任追及が出来、民事上では慰謝料も請求することが可能なのだ。
この知識を覚えておけば、自分が誹謗中傷の被害者になった時の対処法だけでなく、うっかり加害者側になることの抑止力にもなるのではないだろうか。
500RT超えたらクソリプライン!?
そして、二つ目の二つ目の「フォロワー数=自分に向けられた銃口の数」というのも、まさに言い得て妙である。
ツイッターの場合であれば、「いいね!」ボタンをユーザーが本当に「良い」と思って押しているかというのは未知数だ。時折、とんでもない炎上ツイートに大量の「いいね!」が押されているのを見かけるので、そういった場合は誰も「良い」と思ってボタンを押していないのは明確である。
猫ちゃんのほのぼの写真なんかは、正真正銘の「いいね!」で間違いないが、痴漢の犯行現場を捉えた動画に寄せられた大量の「いいね!」は、正直ただの銃口で間違いないだろう。
ラストの「500RT超えたらクソリプラインだから覚悟しろ」に関しても、ツイッターを利用している人であればなんとなくわかる、賛否両論が入り混じるラインで間違いない。
今回のツイートは500RTを遥かに超える3.9万件のRTを獲得したため、投稿者のささみさんは、「起きたらクソリプライン超えて銃口が増えてました。皆さん仲良くしましょうね。」と、先ほどのツイートに追記する形でユーモアを交えてユーザーに呼びかけている。
このツイートを見たユーザーたちの声
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「500RT超えて本当にクソリプが飛んできているのが、めちゃくちゃ芸術点高くていいと思います」と、ささみさんの完璧な読みを評価する声や、「最高です!! 名乗らない卑怯な相手に、大切な子ども達がまともにとりあって傷ついてしまわぬように。心が守られるように。超リアル、かつ、最高に端的で勉強になります!」と、紹介された「気を付けるべきこと」の的確さに思わず感激する声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
令和のキッズたちが、SNSを楽しむ上で必ず気を付けるべきこと3つ。
SNS上にはさまざまな意見があり、いろいろな考え方の人がいる。しかし、それが他人を傷つけていい理由には決してならない。筆者もライターという文字を扱う職業についているからこそわかるが、言葉は直接的な暴力よりも遥かに心に影響力があるものだ。
今回のツイートで紹介された内容を覚えておくことで、ツイッターなどのSNSのやり取りにおいて、無駄に傷ついたり悲しんだりする人が少しでも減ることを祈っている。
※サムネイル画像(Image:Sattalat Phukkum / Shutterstock.com)