自動で会話を行うプログラムが組まれたコミュニケーションツール「チャットボット」。今、世間で話題の『ChatGPT』も、AI技術が搭載されたチャットボットだ。どのような文章でもサッと作成してくれる便利さから、ここ数年の間にチャットボットは生活のさまざまなシーンにおいて利用の幅が広がっている。
2023年3月20 日に投稿された、なまくらげ@コミティア144@rawjellyfishさんの「チャットボットに頼りすぎた話」というツイートには、ある漫画が添えられていた。この投稿には、1.8万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細とリプライ欄に寄せられたさまざまな反応を皆さんにご紹介します。
漫画「チャットボットに頼りすぎた話」
ツイートの漫画の主人公は、中学1年生の女の子だ。人と会話することがあまり得意ではない主人公は、好きな男の子からもらったメッセージにも、うまく返信できずに悩んでいた。女の子は広告で偶然見かけたチャットボットに、自身の恋の悩みを相談するようになり、次第に好きな男の子に送るメッセージの作成も、チャットボットにすべて頼るようになっていく……。
「自分の気持ちがなくったって、楽しく会話はできる」、最初はそう思いながら静観していた女の子だったが、盛り上がるチャットボットのやり取りを見て、「今までのチャットは本当に、わたしの会話だったの—?」と、徐々に疑問を感じるようになる。
チャットボットに「あなたに頼りきりで、自分を見失っています。どうすればいいでしょうか?」と、ふと問いかけた女の子は、チャットボットとの会話を通じて、少しずつ「自分らしさとは何か」「自分の本当の気持ち」に気が付いていく。
女の子は意を決し、実は今までのやり取りはチャットボットが作成していたということを、好きな男の子に打ち明ける。すると、相手の男の子からは意外な回答が———。
良い意味で裏切られたとの声が多数!!
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「どんなオチが待っているのかと戦々恐々してみれば、予想を裏切る温かいお話でした。素敵なお話、読ませていただきありがとうございました」「闇落ち展開になりそうな流れ…からのいい話でほんわかした気持ちになれました」と、良い意味で裏切られたとの声や、「チャットボットこれ中人間いるだろってなる()とてもおもしろかった」と、作品を絶賛する声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられている。
「チャットボットに頼りすぎた話」の漫画は、全6回にわけてツイートが投稿されているので、物語のオチはぜひ皆さんの目で見てたしかめてほしい。
嘘いつわりのない自分でいたい
今回ご紹介した漫画「チャットボットに頼り過ぎた話」は、投稿者のなまくらげさんが、先月のコミティア143で頒布したものだそうだ。
高クオリティな会話が可能なチャットボットが世の中に登場した現在、好きな人へ送るメッセージの作成を密かに手伝ってもらっているという人は、意外と多いかもしれない。
やり取りをする相手が自分の好きな人であれば、なるべく会話を続けたいと思うのは自然な気持ちである。筆者も昔、恋人とメッセージのやり取りをしていた時、短い文でもいちいちスマホのメモに下書きして、絵文字の挿入場所まで細かくチェックしてから送っていた。今思い返すと「なぜそこまで、こだわっていたのか?」といった感じだが、はじめて本気で好きになった相手だったので、少しでも、自分とのやり取りを楽しんでもらいたかったのである。
そのようなことにまで気を遣っていた相手は、後にも先にもその一人だけだが、主人公の女の子の気持ちに痛いほど共感してしまった。
ただでさえ恋は盲目だというのに、このような便利なツールまで世の中に登場してしまっては、つい自分を見失ってしまうこともあるかもしれないが、最終的には本当のことをきちんと打ち明けた主人公のように、大切な人には日頃から嘘いつわりのない自分でいたいものである。
※サムネイル画像(Image:「なまくらげ@コミティア144(@rawjellyfish)」さん提供)