テレワークでWeb会議を行う際、背景の部屋をカメラに映したくないという人は意外と多い。そういったユーザーの声に対応するため、Microsoft社が提供するウェブ会議システムのTeamsなどでは、バーチャル背景という機能が用意されている。バーチャル背景とは、Web会議中の自分の部屋の背景を、簡単に好きな画像に差し替えられるという優れものだ。
2023年3月29 日に投稿された、すん@製薬工場勤務@shin_gmpさんの「アラフォー世代の人とWeb会議するときは背景をこれにしておく」というツイートには、ある1枚の画像が添えられていた。この投稿には、8.7万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細とリプライ欄に寄せられたさまざまな反応を皆さんにご紹介します。
アラフォー世代の人とWeb会議するときは背景をこれにしておく pic.twitter.com/sX5Ri0NR2e
— すん@製薬工場勤務 (@shin_gmp) March 29, 2023
アラフォーに刺さる背景の正体は?
ツイートに添付されたこの画像、読者の皆さんの中にも思わず、懐かしいと感じた人がいらっしゃるのではなないだろうか。20代の皆さんにとっては、なんの変哲もないオシャレなデザイナーズマンションの一室のように見えるかもしれないが、実はこの画像の部屋は、1996年に大ヒットしたJamiroquaiの『Virtual Insanity』のMVに登場する、床が動く部屋なのだ。
曲のタイトルである『Virtual Insanity』は、直訳すると「仮想上の狂気」。「実在はしていないが、そこにある狂気」を歌ったこの楽曲のMVは、序盤から部屋の床がスーッとさまざまな方向にスライドし、置いてあるソファーなども当たり前のように流れていくという、見ていて妙な違和感を覚える、なんともセンセーショナルな内容となっている。
『Virtual Insanity』は、1997年のMTV Video Music Awardsにおいて10部門でノミネートされ、そのうちの4冠を達成しているという、世界的にも大きな話題となった作品だ。
『Virtual Insanity』のMVは奥が深い!
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「会議中、歩き続けなきゃ行けないじゃん…」「その会議の内容がお流れになりそうな背景」と、動く床をいろいろな角度から心配する声や、「画面奥から登場」と、MVと同じようにWeb会議に出席する際も、画面の奥の入り口から動く床に乗ってスーッと出てくるのではないかとの声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
なお、このMVは部屋の床が動くだけでなく、ゴキブリのような気持ち悪い虫や、カラスのような鳥も随所に登場するという、なかなか不気味な演出となっている。先ほど、『Virtual Insanity』は、直訳すると「仮想上の狂気」だと述べたが、歌詞の一節には「For Useless, twisting, other new technology(役に立たない、歪んだ、別の新しい技術へ)」とあるので、虫や鳥などの不穏な生き物たちはテクノロジーのバグを表現しているのかもしれない。
90年代に多くの音楽ファンを魅了した、なかなか奥が深いMVなので、まだ見たことがないという方は、歌詞の内容とMVの演出の意味を考察しながら、楽しんでみてはいかがだろうか。
『Virtual Insanity』のMVは、YouTubeで視聴可能
今回ご紹介した『Virtual Insanity』のMVは、Jamiroquaiの公式YouTubeチャンネルJamiroquai Officialで視聴することができる。ツイートを見て懐かしいと感じた方も、そうでない方も、よかったらチェックしてみてほしい。
先日、33歳の誕生日を迎えた平成初期生まれの筆者は『Virtual Insanity』と言えば、日清カップ麺のCMの替え歌のイメージの方が強いのだが、今回あらためて本家のMVを見たことで、そのカッコよさに思わず感動してしまった。
アラフォー世代に刺さるWeb背景として、『Virtual Insanity』のMVに登場する「床が動く部屋」の画像を紹介した今回のツイート。投稿者であるすん@製薬工場勤務さんの「家に居ながらも、画面の向こうの相手を楽しませたい」という素敵な心遣いは、筆者もぜひ見習いたいものである。
●Jamiroquai 公式YouTubeチャンネルJamiroquai Officialは→こちら
※サムネイル画像(Image:「すん@製薬工場勤務(@shin_gmp)」さん提供)