皆さんは、bot(ボット)と呼ばれるアカウントをツイッターでフォローしたことはあるだろうか。botとは、あらかじめ設定した内容を自動で実行するプログラムに基づき、ツイートを行っているアカウントのことで、その語源は「ロボット」から来ている。ツイッター上には、さまざまなジャンルのbotが存在するので、皆さんも一度は目にしたことがあるはずだ。
2023年4月5日に投稿された、ねむこたつ@nem_kotatsuさんの「たまに見てたbotリストが1日前で時間が止まってるの涙が止まらない」というツイートには、フォローしていたbotが1日前のツイートを最後に、軒並み更新がなくなっている様子をスクショした画像が添えられていた。この投稿には1.5万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
botたちの最後の呟き……
ねむこたつさんがアップした画像には、さまざまなジャンルのbotたちのツイートが並んでいる。炊飯器botが「シュボゴボボアァァァアアッ!」と水蒸気を噴き上げる様子をツイートしたり、ドアbotは「キィ」と控えめに扉を開けたりしている音を呟いているのだが、これらの更新がすべて1日前でパタッと止まってしまっているのだ。
クセが強めの木魚botは「新しい一日ポク」とツイートしているが、そこからどうも音沙汰がないところを見ると、彼にきちんと新しい一日がはじまったのかどうかも定かではない。
これらの日用品botたちをリスト化して楽しんでいた投稿者のねむこたつさんは、突然の更新停止に、ツイート内で「涙が止まらない」と述べている。このタイプのbotが一体、なんの意図で作成されたものなのかは正直よくわからないが、こうしたbotたちの更新がいきなり止まった理由は、ツイッターにおけるbotの作成機能が有料化されたことが影響しているらしい。
今までに作成されたbotも、無料では使えなくなる!
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「木魚だけ意思を持ってるの草」「新しい1日ポク好き」と、ひとつだけ毛色の違う呟きを見せた木魚botに好感を持ったとの声や、「すでにあるbotも金払わないと動かないんですか?」と、botの有料化で今までにリリースされたbotも無料で使えなくなるという事実に衝撃を受ける声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
コメントの中には「なんですか、この群れ…」と、日用品のbotだけを集めた怪しいリストに説明を求める声も上がっていたが、これに対して投稿者のねむこたつさんは「botの楽園…みんなで楽しく暮らしてただけなのに…」と回答しており、なぜこれらのbotを鑑賞していたのかなどについての詳細は語られていない。きっと、ねむこたつさんには、長きにわたってbotたちを見守っていた人にしかわからない、特別な思い入れがあるのだろう。
しかし、ネットの海は広大である。リプライ欄には「わたくしと同じようなリスト持ってらっしゃるかた、はじめてお見かけしましたの! 寂しいですわよね‥‥」といったコメントも寄せられており、こうした謎のbotたちをリスト化して楽しんでいるユーザーは、ねむこたつさんの他にもいたようだ。
bot有料化の背景には何がある?
ツイッターにおける無料のAPIは、詐欺行為や情報操作に利用されやすい。イーロン・マスク氏によると、botを有料化した背景には、それらを防ぐ目的があったのだという。だが、悪意のない普通のbotもまとめて更新停止になってしまったため、ツイッター上ではbotの終了を報告するツイートが複数上がっている。運用再開に向けて手続きを行っている最中のbotもあるが、その場合はしばらく「中の人」が手動でツイートするという対策を取っているようだ。
ツイッターのAPI有料化にともない、リスト化していたbotたちの呟きが軒並み停止してしまったことを悲しむ今回のツイート。皆さんが何気なくフォローしているbotも、すでに更新が止まっている可能性が高いので、アカウントが削除される前に、気になるツイートはスクショしておこう。