年齢を重ねるごとに、時代もめまぐるしく移り変わっていく。とくに、ここ30年の間に起きたITの進化には、誰しも目を見張るものがあるのではないだろうか。若い世代は、次から次へと新しい波を乗りこなしていくが、還暦を過ぎた自分たちの親世代になると、なかなか最新の情報やデジタル機器についていくのは大変だ。
2023年4月25日に投稿された、山葵とうふう@tohu4563さんの「高齢の母にこれ系を教えていると無限に時間が過ぎていくという話」というツイートには、とある漫画が添えられていた。この投稿には、4900件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
離れて暮らす母親からのSOS!!
漫画の冒頭は、離れて暮らす母親からの着信からはじまる。電話に出ると、母親は「もしもし!? ペイペイしたいねんけど、お母さんが持ってる楽天クレジットカードを店員さんに見せたらエエんかな?」と、主人公へ日頃の疑問を投げかける。
もはや、この時点で、母親が何を言いたいのかまったくわからず、「難題の予感」を察知した主人公。「まず、前提がおかしいわけよ。ペイペイとクレジットカードは別物やねん。てか、ペイペイのアプリも入れてないやろ?」と、果敢にも質問で返す主人公だが、「アプリ? アプリってなんなん?」と、母親からはさらなる質問のジャブが飛んでくる。
電話口で30分ほど、根気強くさまざまな説明を行った主人公は、最終的に母親が聞きたかったことが「貯まっている楽天ポイントを消費する方法」だったことに気がつく。
ここまでのやり取りで、ドッと疲れが押し寄せたものの、質問の意図がようやくわかったことに、「うん! こっからや!」と自分を奮い立たせようとする主人公だったが、まだまだ、先は長そうだと感じ「こっからかぁ~…」と遠くを見ながら呟いて、この漫画は締めくくられている。
「デジタル介護」というパワーワード
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「お母さま、ヤル気になられるならきっと大丈夫ですよ!」と、わからないことをわからないままにしない前向きな母親の姿勢にエールを送る声や、「めっっっっちゃ、わかります! うちの母はアーティストのライブに行くことになり…電子チケットについて知りたいと言うので説明する際に、まさにこれでした。その際に、シンプルに内容を理解させる・図解や絵を使って視覚に訴えて話す・絵を紙に書きながら話す、が母には有効だと学びました…」と、自分も同じような状況を経験したことがあるという共感の声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
コメントの中には、「めっちゃわかります。デジタル介護、大変ですよね…私も遠くに住んでるので、電話越しに教えてますが…。その時は「コールセンターの人」になるスイッチ入ります」といった声もあがっている。
こうして、高齢者にデジタル機器の使い方をレクチャーすることを、一部ではどうやら「デジタル介護」と呼ぶそうだ。なんとも言えないあおりの効いた、なかなかのパワーワードである。
現在アラサーの筆者も、よく実家の両親にスマホの使い方を教えているが、何十年か先の未来には、最新のデジタル機器に付いていける自信がない。自分もいつかは通る可能性がある道に、まきびしを巻いて歩くのは非常に危険なので、個人的には日常で「デジタル介護」というワードは、なるべく使わないようにしたい所存だ。
「とうふう絵日記~マイペース夫と3人子育て~」
高齢の母親に電話でデジタル関係の質問をされて大変だった、という経験を漫画にした今回のツイート。読者の皆さんの中にも、主人公の苦労に共感した方がいらっしゃったのではないだろうか。
どれだけ時間がかかっても、こうして根気強く教えてくれる娘がいるというのは、考えてみれば有難いことである。漫画の中の母親は、見えないところできっと感謝しているはずだ。
投稿者の山葵とうふうさんは、ライブドアブログにて、子育てと家族との毎日を綴ったエッセイ漫画「とうふう絵日記~マイペース夫と3人子育て~」を連載しているので、今回の漫画が気に入った方は、ぜひこちらもチェックしてみてはいかがだろうか。
●「とうふう絵日記~マイペース夫と3人子育て~」は→こちら
※サムネイル画像(Image:「山葵とうふう(@tohu4563)」さん提供)