独自の人工知能プログラムを利用して、高品質なAI画像を生成する「Midjourney」。好きな単語を打ち込むだけで、ハイクオリティな画像が自動で出力されることから、そのユーザー数は増加の一途をたどっている。バージョンが新しくなるごとに、画像生成技術は向上し、鮮明さや乱れの軽減が追加されているが、出来ることが増えた反面、AIの画像認識にちょっとした勘違いも生まれているらしい。
2023年5月6日に投稿された、宮下芳明 Homei Miyashita (Professor, Meiji University)@HomeiMiyashitaさんの「画像生成AIのMidjourneyが5→5.1にバージョンアップし、今まで良いかんじだった「明治大学の学生」というお題の出力結果が激変して困っている。」というツイートには、とある2枚の画像が添えられていた。この投稿には、なんと2.3万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
画像生成AIのMidjourneyが5→5.1にバージョンアップし、今まで良いかんじだった「明治大学の学生」というお題の出力結果が激変して困っている。 pic.twitter.com/Sph9EQK8nf
— 宮下芳明 Homei Miyashita (Professor, Meiji University) (@HomeiMiyashita) May 6, 2023
AIが「明治大学」を「明治時代の大学」と勘違い
ツイートには、Midjourneyに「明治大学の学生」というお題で、生成してもらった2枚のAI画像が載せられている。
1枚目は、Midjourneyのバージョンが5.0だった時に生成した画像で、今風の明治大学の学生らしき男女が4人写っている。まるで、オープンキャンパスで高校生に配布されるパンフレットに掲載されているような、フレッシュ感あふれる写真だ。
しかし、2枚目の最新バージョンの5.1で生成した画像は、同じ「明治大学の学生」という単語で出力したにもかかわらず、少し黄ばんだ白黒のレトロな写真風となっている。どうやら、Midjourneyが「明治大学」を「明治時代の大学」と勘違いしてしまったようだ。
バージョンアップで、より高精細な写真になるのかと思いきや、まさかのレトロ感が増してしまい、なんだか、おもしろい生成結果になったことで、多くのツイッターユーザーたちがざわついている。
このツイートに追記する形で、投稿者の宮下芳明 Homei Miyashita (Professor, Meiji University)さんは、「もちろん「明治大学」ってつけなければ、評判通り写真感が向上した絵が生成される。」と述べ、バージョンアップによる美しいグラフィックの画像も投稿した。
慶応時代の学生の写真にも期待!
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは「明大の学生にすれば、大丈夫そうな気もします」と、大学名の略称を使えばよい感じに生成できるのではないかといった推測や、「慶応の学生にしたら丁髷袴の若者が出てくんのかな」と、次は慶応時代の学生の写真を期待する声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられている。
なお、筆者の母校でもある慶應義塾大学は、通用漢字の「応」ではなく、どういうわけか旧字体の「應」で、「慶應」と表記するのが一般的だ。すでに広く使われていない漢字である以上、「慶應大学の学生」でAI生成すると、「慶応大学の学生」と入力した時よりも、当時のレトロな学生の画像が出力されてしまう気がしてならない。
また、コメントの中には、「「帝京平成大学」で作成お願いします」と、さらにAIの混乱を招くようなキーワードの生成画像が見たいという声もあがっていた。
商用利用でなければ、「Midjourney」は無料で使える!
投稿者の宮下芳明 Homei Miyashita (Professor, Meiji University)さんは、上記のほかにもMidjourneyを利用して、「ゼルダの伝説で、もし宇宙で戦うことになったら?」といった画像や、「Appleから発売されるHMDのデザイン」、「懐かしのシューティングゲーム「R-TYPE」を、もしジェームズ・キャメロン監督が本気で映画化したら?」といった内容のAI生成にもチャレンジし、出力された画像をツイッター内で公開しているので、気になる方はこちらもあわせてチェックしてみると、おもしろいかもしれない。
バージョンアップで鮮明な画像を出力できるようになったはずの「Midjourney」が、よりレトロ感のある画像を生成したことを紹介した今回のツイート。
枚数に制限はあるものの、商用利用でなければ「Midjourney」は誰でも無料で使うことができるので、皆さんもぜひ、この機会にさまざまなAI画像の生成を楽しんでみてはいかがだろうか。
※サムネイル画像(Image:「宮下芳明 Homei Miyashita (Professor, Meiji University)(@HomeiMiyashita)」さん提供)