Apple社の開発者向けカンファレンス「WWDC」が、今年も6月5日から9日にかけてオンライン上で開催された。「WWDC」とは、「Worldwide Developers Conference」の略で、主にシステムエンジニアやプログラマ向けの技術説明会なのだが、Appleの公式サイトやYouTubeでも動画が配信されているため、Appleファンの皆さんの中には毎年、欠かさずチェックしているという方もいらっしゃるのではないだろうか。
2023年6月6日に投稿された、マメ@jetdaizuさんの「【注意喚起】あまり知られてませんが、WWDCで発表されたiOSは『スクショ等をSNSにアップすると規約違反』になります。(僕は過去やらかして大変なことになりました)もし投稿してる人がいたら、悪気はないと思うので ”そっと優しく”教えてあげてね」というツイートには、700件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
スクショのSNS投稿は、デベロッパ契約書の第4項に違反
WWDC2023では、Apple初のARデバイス『Apple Vision Pro』の登場や、ゲーム開発に特化したmacOSのモードの紹介など、デベロッパ向けにさまざまな情報が発表された。大手のWebメディアは、われ先にと発表内容のまとめを公開しているが、ツイートによると、個人のSNSにおいてWWDC内で公開された資料のスクショをアップするのは、どうやら規約違反になってしまうらしい。
実際に「Apple Developer Agreement」というデベロッパ契約書には、しっかりと以下の文言が明記されている。
「4.秘密保持。本契約に別途規定する場合を除き、お客様は、Apple Developerとしてのお客様に提供されるAppleのプレリリースのソフトウェア、サービス、またはハードウェアならびにAppleイベントに関連して、Appleによってお客様に開示される情報が「Apple秘密情報」とみなされるとともに、当該呼称で言及されることに同意するものとします。(中略)Appleは、WWDCでAppleが開示したプレリリースのソフトウェア、サービス、またはハードウェアに関する技術情報に関して、お客様が前述の秘密保持に関する規定に拘束されないことに同意します。お客様は、当該資料のスクリーンショットを投稿したり、公開レビューを書いたり、再配布したりすることはできません。」
契約書によると、秘密保持の観点からAppleと直接書面で同意しない限り、WWDCで使用された資料のスクショを個人がSNSなどに掲載することはNGのようだ。
●Apple「WWDC23」(公式)は→こちら
「自分も投稿しそうになった」との声
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「危ない! ありがとうございます」と、実際に自分もスクショをSNSに投稿しそうになったとの声や、「大変なことって…Appleに怒られたりしたんですか?」と、過去にやらかしたと述べる投稿者に対して『何があったのか』を問う声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられている。
イベントが盛り上がると、つい、その感動をSNS上で共有したくなる人も多いかも知れないが、WWDCの発表資料に関しては安易に転載しないよう注意が必要だ。
悪気があってスクショする人はいないと思うので、SNSに投稿したところで、すぐに何か問題が起こるわけではないが、秘密保持契約上は禁止事項に該当するので、もしも、すでに投稿してしまった場合は速やかに削除しておこう。
知らずに転載してしまったでは済まされない……かも?
今回の件に関しては、先ほど軽くご紹介した「Apple Developer Agreement」に、しっかりとスクショ禁止の旨が明記されているので、知らずに転載してしまったでは済まされない可能性もある。転載したスクショで、不利益が起きるようなことなどがあれば、損害賠償請求にも発展してしまう話なので、しっかりと気を付けたいところだ。
「WWDC」で公開された資料のスクショをSNSに投稿すると、規約違反に該当することを注意喚起した今回のツイート。身近にWWDCのスクショをSNSに載せている人が思い当たる場合は、なるはやで削除するように”そっと優しく”教えてあげよう。