特定の動きを再現しなければ、開けることができない木製の箱「カラクリ箱」。パズルの要素が盛り込まれたカラクリ箱は、寄木細工などで作られたものが多く、伝統工芸品としても有名である。カラクリ箱のはじまりは、指輪や貴金属などの貴重品を隠すために作られたのだそうだ。現代人におなじみのスマホのパターン認証も、大切なデータを特定の動作によって保護するという意味では、カラクリ箱に通ずるものがあるのではないだろうか。
2023年7月18日に投稿された、池田洋介@ikeikeyさんの「スマホの認証でおなじみのアレを機械的に実現してみた」というツイートには、木製のカラクリ箱をスマホのパターン認証のような動きを用いて開錠する様子を撮影した動画が添付されていた。この投稿には、なんと8.2万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
木製のカラクリ箱! その仕掛けを一挙公開!!
動画内で紹介された木製のカラクリ箱には鍵穴などはなく、普通に開けようと思っても、簡単には開けることができない作りだ。
このカラクリ箱を開錠するには、箱の上部に印字された9つの点の上に、丸い小さなパネルを置き、決まった順番に沿って動かすことでロックを解除する。
おもしろいことに、閉めると再びロックがかかり、また簡単には開かない状態に勝手に戻るという、なんとも不思議な構造だ。
では、一体この箱の中は、どのような仕掛けになっているのだろうか。投稿者の池田洋介さんがカラクリ箱の蓋を開けると、中には3つの鉄球が入っていた。
鉄球が配置された場所は、パネルで三等分に区切られており、どうやら特定の場所に鉄球が入った時のみ、ロックが解除されるシステムになっているようである。
ロックが解除された場合、鉄球は一定の場所にとどまり続け、再びロックすると鉄球も自由な位置に動くというカラクリがこの箱の仕掛けとなっているらしい。
ポイントは、3つの鉄球を外から見えない状態で、正しい場所にうまく配置する方法だ。そこで、利用するのが磁石である。
鉄球は磁石にくっついて動くため、指でスマホのパターン認証をスワイプするように磁石を動かせば、鉄球を正しい配置にすることができるのだ。これが今回の不思議なカラクリ箱の全貌である。
仕組みを知らなかったら不思議で仕方ない!
このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「なるほど。3列目の不思議な動きは、ボールを拾いに行くためなのですね。夏休みの自由研究にピッタリ」「最後の行の上下往復の動きが不要なように見えて、実は上に転がってた場合をカバーする大切な動作な辺り芸術点高すぎる」と、解説を聞いてラストの指の動きに納得がいったとの声や、「すごい。夏休みの自由研究とかであるレベル高い作品のもっとすごいやつみたいな(語彙力)」と、池田洋介さんのアイデアを大絶賛する声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
コメントの中には、「言われてしまえば「そんなことで出来たのか!」と膝を打ちましたが、知らなかったらこれは不思議で仕方がないからくり箱ですね。材料自体は昔からあるものなので江戸の頃より伝わる…とか言われたら、信じてしまいそうです」といった声も上がっており、池田洋介さんのカラクリ箱に魅了されるユーザーがツイッター上では相次いでいる。
夏休みの自由研究にもオススメ
まるで、スマホのパターン認証を解除するかのように、木製のカラクリ箱を開錠する仕組みを動画で解説した今回のツイート。こうした繊細なカラクリの仕掛けを知るというのは、いくつになっても楽しいものである。
皆さんの中には、さすがに、自分が夏休みの自由研究をする年齢の方はいらっしゃらないかと思うが、この夏、もしもお子さんや親せきの子に自由研究のアイデアを求められた時は、今回のような磁石を使ったカラクリ箱の作成を提案してみるのもおもしろいかもしれない。
※サムネイル画像(Image:「池田洋介(@ikeikey)」さん提供)