言葉は時代とともに変化する。子どもの頃、祖母や祖父が使っていた言葉は、聞くたびになんとなく古臭いなあと感じたものだが、当時は「今時」を意味した「ナウでヤング」も今や死語。時代の流れで消えた言葉は数多い。しかし、日常で何気なく使っている現役の単語たちも、本来は何かの略語だったりし、正式名称の方が、逆に死語となってしまったケースも存在する。
2023年7月14日に投稿された、けんたろ@kenlife202010さんの「実は略語の言葉をまとめました。」という書き込みには、よく使う略語の正式名称を一覧表にした画像が添えられていた。この投稿には、なんと1.4万件を超える「いいね」がついており、インターネット上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細を皆さんにご紹介します。
食パンの正式名称はまさかの……!
まず、ほとんどの人が生活の中で、耳にすることの多い「食パン」という単語。実は「主食用パン」の略語なのだそうである。日本にパンの文化が広まる前は、諸外国でパンが主食とされていたことから、この名前が付いたらしい。
食べられないパンなどフライパン以外にないはずなのに、数あるパンのうちの1種類の名称に「食」の文字が付いているというのは、前々から密かに変だなと思っていた。筆者の長年の謎は「主食用パン」という正式名称の発覚によって、キレイさっぱり解決した次第である。
続いては、「おなら」だ。普段は上品かつ清楚な記事の寄稿でお馴染みの筆者だが、今回ばかりは「おなら」を取り上げさせていただきたい。なんと「おなら」は「お鳴らし」の略なのだそうである。文字にすると、神社の境内で鈴が鳴るかの如く、美しいイメージのある「お鳴らし」という単語。略しさえしなければ、誰も腸に溜まったガスの放出を意味する単語だとは思うまい。
そして今回、筆者が一番衝撃だったのは、「シャーペン」の正式名称だ。今まで「シャーペンの正式名称は、そりゃシャープペンシルでしょ!」、と思っていたのだが、なんと「エバー・レディー・シャープペンシル」というのが本来の名前らしい。和訳すると「いつも尖がった鉛筆」。
なお、英語だと「シャープペンシル」は「メカニカルペンシル」となるので、ここまで凝った名前でありながら、思い切り和製英語なのも不思議ポイントが高い単語なのではないだろうか。
ピアノの正式名称は現役音大生ならわかる……かも!?
この投稿を見たネットユーザーたちからは、「えー! 正式名があったとはびっくり。」と、正式名称があったことに驚きを隠せないとの声や、「食パンからなぬ!? ってなりました」と、いきなり知らない正式名称が出てきて、衝撃を受けたとの声など、さまざまなコメントが返信欄には寄せられていた。
リモコンの正式名称が「リモートコントローラー」だったり、シネコンが「シネマコンプレックス」の略称であることは、ご存じの方も多かったかもしれないが、ワイシャツは「ホワイトシャツ」、演歌は「演説歌」を略した単語であることは、今回の投稿を見て、はじめて知った人が大半なのではないだろうか。
とくに、ピアノの正式名称「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」に関しては、下手すると現役音大生でも答えられないかもしれない。
家族や友達に、正式名称当てクイズを出題してみよう
略称が日常使いの単語として定着した言葉は、本日ご紹介した一覧表に書かれたもの以外にも、実はまだまだ数多くある。「故きを温ねて新しきを知る」ということわざもあるが、身近な言葉で正式名称がある単語を探し、その言葉の成り立ちやはじまりを遡って学ぶのも、また一興といったところではないだろうか。
さすがに令和の今、カラオケのことを「空オケーストラ」と言っている人は年配の方にもそういないし、バスのことをわざわざ「オムニバス」と呼んでいるのは、ディズニーランドのパーク内ぐらいだが、使わなくなった正式名称をあえて使ってみたり、本来の呼び名を知るというのは、なかなかおもしろいものである。
普段、よく使う単語の正式名称をまとめた一覧表を紹介した今回の投稿。もし、皆さんも知らなかった正式名称があれば、ぜひ家族や友達にクイズを出題してみてはいかがだろうか。
※サムネイル画像(Image:「けんたろ(@kenlife202010)」さん提供)