今年もいよいよ、年末調整の季節が近づいてきた。年末調整とは、所得税の税額を給料から天引きされた金額と比較して、調整する手続きのことである。指定された書類に扶養家族の名前を書いたり、保険料の控除証明書を添付するなど、毎年それなりに作業はしているものの、イマイチ何をしているのか、わかるようでわからず、年末調整を適当に済ませてしまっている人は意外と多いのではないだろうか。
2023年10月6日に投稿された、ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ@Tomojidienさんの「そろそろ年末調整の時期ですが「面倒臭いし適当でいいや」と思って適当にする人が一番損します。」という書き込みには、年末調整のシステムやメリットをわかりやすく解説した図が添えられていた。この投稿には、600件を超える「いいね」がついており、インターネット上で話題となっている。
今回は、こちらの投稿に関する詳細を皆さんにご紹介します。
そもそも「年末調整」って何?
そもそも「年末調整」とは、一体どういったものなのだろうか。冒頭でも軽くご紹介したが、わかりやすく言うと、年末調整とは「ざっくり多めに集めた税金を精算するシステム」のことである。会社は毎月、税金をざっくり集めるのだが、これがいわゆる「源泉徴収」だ。源泉徴収で集め過ぎた税金を適正に精算するのが、本日、解説する「年末調整」のことなのだ。
年末調整を行うメリットは、多めに払い過ぎたお金が戻ってくることに尽きるのだが、自分できちんと申し出なければ、払い過ぎたまま、返って来ないのである。「世話をする家族が増えた場合」や「保険やiDeCoに加入している場合」、「住宅ローンを組んでいる場合」などは、12月の給料で徴収され過ぎた税金が還付金として戻ってくるはずなので、上記に該当している皆さんは、申請しなければもったいない。
年末調整は、年末の時点で会社に勤めている人のほか、アルバイトやパートの方も全員が対象者となっている。ただし、 年収が2000万円を超えている方は、年末調整の対象外だ。
損をしないためには「税金を学ぶこと」が大切
この投稿を読んだネットユーザーたちからは、「面倒だけれど、めっちゃ大事ですね!」と年末調整の大切さをあらためて感じたとの声や、「これはきちんと理解しておきたいですね。年末調整と確定申告は、一度学んでおくと税金がよくわかりますよね」と、知らないと損をしてしまうので、税金については学んでおくべきだとの声など、さまざまなコメントが返信欄には寄せられている。
コメントの中には「もう年末調整の時期ですか?! 一年が早いなあ…」と、内容よりも年末調整の時期が来たことに、月日の早さを感じるとの声もあがっていた。
筆者も、ついこの前まで夏だったような気がするのだが、今年も残り3カ月を切っていると思うと、「光陰矢の如し」と思わずにはいられない。
年末調整で控除しきれないものは確定申告で
年末調整で損をしないためには、「還付申請が必要だ」という情報をリマインドしてくれた今回の投稿。
投稿者のねこみち|毎日図解でお金を学ぶさんが作った図のおかげで、毎年、なんとなく記入していた年末調整の書類がどういった手続きのものだったのか、長年の謎が解けたという方も多かったのではないだろうか。
配偶者控除を受けたい人や扶養控除を受けたい人も、年末調整で税金が戻るので、還付の可能性がある皆さんは、しっかりと申請書類に記入するようにしよう。
このほか、年末調整で控除しきれない、医療費控除やふるさと納税などは、確定申告で税金が還付されるケースも多い。会社員だからといって、経理部にすべてを丸投げしていると、思いがけず損をしてしまう可能性もあるので、税金に関しては自分自身で日頃から勉強し、少しでも仕組みを理解しようとする努力が大切だ。
※サムネイル画像(Image:「ねこみち|毎日図解でお金を学ぶ(@Tomojidien)」さん提供)