日々、日本語を使うなかで、最も扱いが難しい存在といえば「敬語」だ。学校の授業では「目上の人には”お疲れ様です”と言いましょう」などと教えてくれない。それなのに、バイト先や就職先では当たり前のように、一日が「お疲れ様です」ではじまり、「お疲れ様でした」で終わっていく。納得できない。
しかしながら納得できなくとも、使いこなさねば生きていけないのが【ビジネス敬語】なのだ。日本社会において、ビジネス敬語を使いこなすことは「仕事ができるやつか、できないやつか」という判断に影響するほど、重要だ。万が一社長に「お疲れ様です」ではなく「ご苦労様です」などと言ってしまった日には、即出世ルートを外れてしまうことだろう。
そこで今回は、オトナライフではもはやおなじのけんたろ@kenlife202010さんがXで紹介している、ビジネス敬語の基本フレーズ(社内編)を一緒に確認していこう。
ビジネス敬語とは
はるか昔に国語の授業で習った通り、敬語には大きくわけて尊敬語・謙譲語・丁寧語の3タイプがある。簡単に説明すると、それぞれの敬語としてのスタンスは以下の通りだ。
尊敬語……相手や第三者の行為や人物に対して敬意を表現し、ヨイショするスタンス
謙譲語……とにかく自分をへりくだった立場におき、ペコペコと頭を下げるスタンス
丁寧語……丁寧な日本語でしゃべることを意識し、安易に略語を使わないスタンス
とくに、社内で使うビジネス敬語の場合は、この3タイプの敬語を状況に応じて使いわけながら「先輩、尊敬っす!」という気持ちを伝えていくことになる。慣れるまでは、頭が混乱してしまって非常にややこしいビジネス敬語だが、基本的な言い回しを覚えてしまえばテンプレで使い回せるのも、ビジネス敬語の特徴だ。
万能選手の「お疲れ様です」
毎日20回は使っているであろう「お疲れ様です」というビジネス敬語。これは「お」という丁寧な接頭語をつけることにより、「疲れていますよね! さすがです! 先輩すごいです! さすがです! ゆっくりしてください!」という、敬いと気遣いを表現する挨拶の言葉になっている。
相手をヨイショするスタンスの言葉だが、さらに「お疲れ様でございます」と丁寧な表現にすると、より目上の人にも使いやすいビジネス敬語になる。社長や役員など、とくにペコペコすべき相手に対する挨拶として最適だ。
なお、けんたろ@kenlife202010さんがポストで紹介している間違いフレーズの「ご苦労様です」になると「ほうほう、苦労したというのか。よしよし、まあちょっと休めば?」という上から目線の敬語になってしまう。これは”自分が出世してからでないと使えない”フレーズなので注意してほしい。
ビジネスの場ではNGな「すみません」
また、日常生活のなかで便利すぎる頻出ワードの「すみません」だが、これはビジネス敬語を利用する場面ではできれば避けたい表現の一つだ。「すみません」は3つの意味をもつ言葉で、謝罪・感謝・呼びかけの場面で応用が利く。しかしながら、相手を尊重する意味をもたないので、ビジネス敬語としてふさわしくないのだ。
謝罪の意思を表現する際の「すみません」は「申し訳ございません」に、相手が無理を聞き入れてくれた時の「すみません」は「お手数をおかけいたします」や「恐縮です」に言い換えることによって、相手を敬いながら自分の意思を伝えることができる。いやはや、日本語とは非常に複雑すぎて頭がパンクしそうである。
リプライ欄にも「勉強になる」「見直して気をつける」というコメントが相次いでいるが、本当に多くの人が苦戦しているのがビジネス敬語だ。しかしながら裏を返せば、ビジネス敬語が完璧であればそれだけで同期や後輩に大きく差をつけることができる、ということだ。
こっそり、けんたろ@kenlife202010さんのポストでビジネス敬語をマスターすることでアドバンテージとなるので、しっかりと学んでおこう。
※サムネイル画像(Image:「けんたろ(@kenlife202010)」さん提供)