2020年から続いた行動宣言が全面的に解除され、自由に旅行や帰省を楽しむことのありがたさに気付くことができた2023年。年の終わりから2024年にかけて、久しぶりに思いっきり冬の旅を楽しむ方は多いだろう。しかしながら、折しも空前の物価高を迎えているこの情勢。円の価格も乱高下を繰り返しており、とにかく楽しい旅行とはいえ、1円でも節約したいのがこのご時世だ。
手っ取り早く旅の出費を抑えるために検討されがちなのが「交通手段」だ。ガソリン代まで爆上がり中のご時世なので、車での移動はあきらめ、公共交通機関の利用を考えている人も多いはずだ。そこで、JRの利用を考えている方に必ずチェックしていただきたいのが、今日ご紹介する、Xで今話題のポストだ。
JRの「ニセ切符」が流通中!?
ゆったん♪@C103 12/31 大晦日 東イ57a@film_patroneさんがXで紹介し、話題騒然となっているポストが、こちらである。
なんと、ラクマなどのフリマサイトで多数「冬の青春18きっぷ偽造券」が確認されているというのだ。少しでも安く旅行に行きたいのに、偽物の切符を手にしてしまう可能性があるだなんて大損確定である。そもそも、偽造有価証券を行使することは犯罪にあたるため、この切符を使おうとしただけで犯罪者になってしまう可能性があるのだ。怖い、怖すぎる。
偽造券の特徴
いま流通が確認されている偽造券には、ゆったん♪@C103 12/31 大晦日 東イ57a@film_patroneさんが指摘しているように、共通する違和感ポイントがいくつか存在している。
まず一つめに、購入した日付の記載である。フリマサイトに出品されているニセ切符には、発行日の日付が2023.-12.1と記載されているが、この12の前に-(小さいハイフン)がくることはありえない。この小さいハイフンは日付や月が一桁の時に使われる決まりとなっており、12月1日発行であれば2023.12.-1でないといけない。これがまず重要な見わけポイントだ。
そして2つめが、偽造券のホログラムだ。JR切符でおなじみの緑色の切符だが、光に当ててみるとうっすらと”JR”のホログラムが入っている。偽造券だと、このホログラムのうち2段目のものが、反転してしまっているのだ。また本物の切符と比較すると、券面や表裏にテカりがあることも確認されている。
そして細かなところでは、さまざまな字のフォントが正規品とは異なるとのことだ。コメント欄でも「2」や「鉄」などのフォント違いが指摘されているが、いずれの見わけ方もコロナ禍を経て、久々にJR切符を手にする人や、電車に詳しくない人の場合、とにかく気が付くのが難しい。難易度高すぎの間違い探し状態なのだ。実際にコメント欄でも「これはわからない」「ぱっと見でわからないので怖い」「偽造券があるなんて」といった声であふれている。
最大の防御は駅での購入
このレベルの精巧な模造品になると、素人が見抜くことのできるレベルを凌駕していると言ってもいいだろう。ただ先ほども紹介したとおり、偽造有価証券を行使することは犯罪だ。誤って、このような偽造券を使って捕まることのないように、やはり切符は駅にあるみどりの窓口や自動切符販売機から購入せねばなるまい。
コメント欄にも意見が寄せられているように、青春18きっぷはそもそもがお得な商品だ。5回分がセットになって販売されているため、使い切れない分のことも考えると購入をためらってしまう人の気持ちもわかるが、やはり正規品というのは正規ルートで購入してこそ、保証されるのだ。今回のように、巧妙な偽造券がフリマサイトで多数、流通してしまっている場合、金券ショップなどに持ち込まれてしまっている可能性も否定できず、とくに厳重な注意が必要だ。
なお、ゆったん♪@C103 12/31 大晦日 東イ57a@film_patroneさんが所属されている交通法規研究会では、JR旅客制度についてわかりやすく説明した書籍を販売中である。
書店やAmazonなどで取り扱っているので、気になった方は要チェックだ。
①「区間変更・のりこしQ&A」→こちら
②「旅客営業関係帳票記入例①JR補充券(乗車券編)」→こちら
③ 「乗車変更・払いもどしQ&A」→こちら
楽しいはずの冬の旅で思わぬトラブルにならないよう、細心の注意を払って旅行や帰省を楽しんできてほしい。
※サムネイル画像(Image:「ゆったん♪@C103 12/31 大晦日 東イ57a(@film_patrone)」さん提供)