暗号と聞くと、某小学生探偵が活躍するアニメを思い浮かべる筆者の仲間は、どのくらいいらっしゃるだろうか。ただアニメで何度暗号を見聞きしたところで、平和な日本に暮らす身としては活用する機会にも恵まれず、全く知識としては定着していない。
しかし今回ご紹介するXの投稿では、身近に隠れている驚きの暗号が紹介されているのだ。「意外と自分の周りにも暗号が潜んでいるのかも!」、「自分も名探偵気分を味わえてしまうかも!」と思わず心が踊ってしまうという方は、ぜひ心を躍らせながら読んでほしい。
見慣れた画像のなかに、ちょっとした遊び心が……!
話題となったXの投稿には、ちゃそ@So_Ra_64さんによる1枚の画像が添えられている。
一目見て「なんとなくどこかで見た気がするなぁ」と思う方も多いだろうが、これはWindows 10を利用してメールの受信処理を待っているときの画面である。一見「この画像のどこに暗号が?」と首を捻ってしまうところだが、ぜひ封筒のイラストの左側に着目してほしい。
ちゃそ@So_Ra_64さんが本文で紹介しているように、実はこの流れ星の尾のような直線こそが、モールス信号で「MAIL」を意味しているのだ。
そもそもモールス信号とは
アニメや漫画、小説のなかで一度は耳にしたことのある「モールス信号」であるが、日本で日常生活を送るなかでは全く接点がないという方が大半であろう。モールス信号は、電信による伝達を目的として、短点(・)と長点(-)の組み合わせで文字や記号を表す手段である。
例えば「た」と一文字を伝えたいと考えた場合、ローマ字入力では「TA」と文字を打ち込む。一方でモールス信号で伝えたい場合は、「-(T)」と「・-(A)」を順に入力することで、伝達を図っていく。日本では短点を「トン」、頂点を「ツー」と呼ぶことから、モールス信号で連絡を取ることを「トンツー」と表現することもあるのだ。
現代において日常的に広く使われている通信手段ではないが、無線通信の基本としての側面をもち、特に船舶などではライトの短い点灯でトン、長い点灯でツーを表現する光交信の手段として活用されている。特に船乗りがライトをモールス信号として点灯させながら家族とコミュニケーションを取る手段を、某魚の子か女の子になってしまう某国民的ジブリアニメのワンシーンとして覚えている方も多いであろう。
実は身の回りにモールス信号が溢れているかも!?
今回ちゃそ@So_Ra_64さんの投稿でご紹介されているイラスト横のモールス信号だが、まるでメールが急いでこちらに向かっている様子を再現した横線が、M(--)、A(・-)、I(・・)、L(・-・・)と並んでいる。この事実に気が付いたちゃそ@So_Ra_64さんの洞察力に脱帽している方が多く、リプライ欄には「なんで気づくの𐤔𐤔𐤔」、「作った方のデザイン性もすごいが、よく気付けたなぁこれ」、「こういうのに気付ける人ガチですげぇや」といった賞賛リプライが続々と寄せられている。確かに最初にイラスト内にモールス信号を潜ませたデザイナーさんもすごいが、ちゃそ@So_Ra_64さんの知性に感動である。
また「世の中に隠れたモールスが潜んでいるのかもしれないって思ってしまった」とのコメントも寄せられている通り、世の中には自分が気が付いていないだけで、実はデザイナーや開発者の遊び心が溢れているのではないかと、思わず期待してしまう。
みなさんも短点と長点の組み合わせをどこかで見かけたり、長い点灯と短い点灯が続くライトを見たりした際には、「ひょっとしてモールス信号かも!」と、ぜひ心を躍らせてみてほしい。
※サムネイル画像(Image:「ちゃそ(@So_Ra_64)」さん提供)