唯一無二のニコニコ動画、YouTubeがニコ動の代わりにならない理由

日本でインターネットが使えるようになったのは1984年、つまり今から40年前のことである。各家庭にインターネット回線がつながるようになってから、私たちの娯楽は大きく変化を遂げ続けている。

その最たるものが、「動画」だ。昭和の時代はエンタメといえばテレビ一択、学校に通えば前夜のテレビの内容で話が持ちきりであったのに対し、令和の今は各々が好きなコンテンツで自由に動画を楽しむ時代となっており、さらにスマホ1台あれば自分も動画を発信することができるという、画期的な時代が到来しているのだ。

そんななか、いま世間を騒がせているのが「ニコニコ動画」の障害問題である。

ニコ動に起こった異変とは!?

ニコ動に起こった異変とは!?

(画像は「ニコニコ動画」公式サイトより引用)

話題になっているのは、ニコニコ動画(通称:ニコ動)で2024年6月8日に発生した、大規模な障害である。大規模なサイバー攻撃を受けたニコ動では、6月8日の早朝からシステムの全般が利用できない状態になっているのだ。またこの災害から復旧するには1カ月以上を要する見込みとなっており、2024年3月時点で有効会員数9878万人と発表されている巨大なサイトがこのような大きな障害に見舞われることの珍しさから、話題となっているのだ。

普段ニコ動を利用する習慣のない人からは「動画はYouTubeで見ればいいのでは?」という声も聞こえてくるが、ニコ動ユーザーからすると「YouTubeがニコ動の代わりにはならない!」という唯一無二の存在が、ニコ動なのだ。

ニコ動とYouTubeの違い

そもそもニコ動とは、どんなサービスなのだろうか。ニコ動は、YouTubeと同様に一般のクリエイターが動画を作成し、共有することのできるサービスである。多くのアイドルや芸人がYouTubeチャンネルを開設している現代なので、「YouTubeを見たことはあるが、ニコ動についてはよく知らない」という方も多いだろう。

ニコ動とYouTubeの違い

(画像は「Sin@物書きオタク(@Sin_Utyouten)」さん提供)

Sin@物書きオタク@Sin_UtyoutenさんがXのポストで紹介しているように、YouTubeとニコ動の大きな違いの一つが、コメント機能である。YouTubeは動画を視聴した後に感想を書き込むためのコメント欄が設置されているのに対し、ニコ動は動画を視聴している人々がリアルタイムでコメントを書き込むことができ、しかも自分のコメントが、視聴中の動画に重なるような、いわゆる動くテロップのように表示されるのだ。このコメント機能こそがニコ動の最大の特徴であり、世界中の視聴者と一緒に盛り上がりながら動画コンテンツを楽しむことができる理由ともいえる。

実際にSin@物書きオタク@Sin_Utyoutenさんのポストに対するリプライ欄でも、「コメントがないとゴミを楽しく見られないよね♪」、「ニコニコのコメント機能は第三者の有益な知識もあって知恵袋化していますからね」、「この唯一の性能こそニコニコで発掘し続ける理由になる」など、コメント機能に魅力を感じている方が非常に多い。

YouTubeとニコ動は全く別物!

YouTubeとニコ動の相違点に関しては、コメント機能以外にも様々な部分があることをSin@物書きオタク@Sin_Utyoutenさんは紹介してくれている。

リプライ欄でも「ニコニコに行く前はYouTubeを使っていたのですが…。ニコニコを使うまで、こんなに効率的な検索機能がある意味がわからなかった。」、「広告が少ないってことだけで快適性が段違いですね!しかもニコニコ動画の広告は質が高い気がする」という意見が寄せられているが、ニコ動のヘビーユーザーにとっては欠かすことのできない機能が、YouTubeでは物足りない部分があるのだ。

反対にYouTubeには、より幅広い分野の内容が配信されていたり、おすすめされる動画の種類が豊富であるなど、YouTubeならではの魅力がある。Sin@物書きオタク@Sin_Utyoutenさんがポストした表では「〇」で表現されているが、音質や画質などが一定のクオリティを保っているという点においては、YouTubeに軍配があがるかもしれない。

しかしリプライ欄にも「YouTubeとニコニコは、テーマパークのアトラクションと森林公園での鬼ごっこくらいの差がある、と思う。」というコメントが寄せられている通り、両者は動画を共有するサイトであるという共通点以外は、全く別物なのである。それぞれのサイトの良さがあり、決して代わりになるものではない。だからこそニコ動の復活を待つ声が多く寄せられているのである。

今回のニュースでニコ動が気になってきた人も、障害のメンテナンスが終了するまでは残念ながらニコ動の文化を体感することはできないものの、現在はニコ動開発チームがわずか3日間で構築した「ニコニコ動画(Re:仮)」が無料で視聴可能な状態となっている。サーバーへの負荷を考慮した結果、2007年の人気動画が中心の公開となっているが、2006年に誕生したニコ動の創世期を体感することができるので、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

唯一無二のニコニコ動画、YouTubeがニコ動の代わりにならない理由のページです。オトナライフは、【SNSで話題YouTubeニコニコ動画X/Twitterで話題】の最新ニュースをいち早くお届けします。