ここ数年ですっかり生活に浸透したのが、ファミレスや外食チェーンで働く「配膳ロボット」である。タブレットで注文した商品を、一生懸命に配膳ロボットが運んできてくれる様子は、子どもでなくともついつい目で追ってしまう、微笑ましい光景だ。あくまで客としても目線からは、配膳ロボットの頑張りによって、ホールスタッフがテーブルの後片付けに集中できている=客の回転率が上がっているように感じられるが、実は最近、ファミレス以外でもロボットが大活躍している場所があると、Xで話題になっている。
「運ぶ時間」を劇的に短縮する、お助けロボット!
話題のポストは、医師と医学博士の資格をもつ、メディカルノート代表取締役・共同創業者である井上祥 / Sho INOUE M.D,Ph.D@shoinoue_MNさんによる、こちらのポストだ。
ファミレスのロボットよりも幾分か無機質でクールなロボットが、1人(1機)でエレベーターに乗っている、なんともシュールな写真が添えられている。なんとこのロボットは「薬剤搬送ロボット」で、スタッフに薬剤を届ける役割を担っているとのことだ。
愛知県にあるトヨタ記念病院で、「看護師が勤務時間の多くを、薬剤を運ぶことに費やしてしまっている」という気付きから生まれたロボットで、日本看護協会から「看護業務の効率化先進事例アワード2022」の特別賞に選ばれた実績もある。
井上祥 / Sho INOUE M.D,Ph.D@shoinoue_MNさんもポストの中で、「ロボットが何十台も院内を駆け巡っている…というなかなかのカルチャーショックでした」とおっしゃっているが、さすが近未来の病院という感じである。
「世界のトヨタ」の技術を結集!
そもそもトヨタ記念病院は、「医療を通じて地域社会に貢献する」というミッションを掲げ、あのトヨタ自動車株式会社が運営している、企業立病院だ。自動車の開発で培った技術や考え方を医療現場にも応用することで、高い医療の質を目指しており、そのために医療者の業務の一部をロボットへ移管し、患者様と医療者の接する時間を確保することを目標としている。ゆえに、トヨタ記念病院では多数のロボットが業務にあたっており、井上祥 / Sho INOUE M.D,Ph.D@shoinoue_MNさんのポストによると、「院内の皆さんは慣れているのか、何も感じていない様子でした。笑」というレベルで、ロボットが活躍している病院のようだ。
リプライ欄には、「はーすごいです。慣れるのもすごいですけれど(笑)でももうファミレスの配膳ロボットにも驚かなくなりましたもんね。」、「わー!いい物ご覧になりましたね 羨ましいです」と、まだまだ見慣れない病院ロボットの存在に、驚く人々からの声が寄せられている。
他にもある!?ロボット×医療のさらなる進化に期待!!
同時に、リプライ欄では、「パナソニックの松下記念病院も夜中ロボットが走っています。こちらも勝手にエレベーターに乗って各階に移動しています。電気の点いていない廊下をサーッと走っているのを見たら少々怖いです。」、「慶應病院で見たことある。患者さんを運ぶ車椅子型ロボットもいました。」と、トヨタ記念病院以外での病院ロボットの目撃情報も、相次いで寄せられている。
医療の現場において、「患者さんの異変に気が付く」、「患者さんと会話を交わして交流する」という部分や、資格が必要な医療行為は、もちろん医療者にしか行えない部分である。しかし、資格がなくともできること、人以外でもできることは、積極的に機械に任せることで、人手不足の解消や、質の高い医療の提供につながること間違いなしだ。
実際には、リプライ欄に「これね、AMRでどこの病院でも購入は可能でシステム自体はビビるほどは高くないけど運用保守が24h対応とかにするとバカ高くせざる得ないから他の病院では二の足踏むと思う。」という意見が寄せられているように、資金面からなかなか普及が難しい部分でもあるのだろうが、よりよい医療のために、ロボットの活躍に期待したい。